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CALIBER · Rolex

3130

自動巻 Automatic Analog

2000年前後、3135から日付を省き、フルブリッジとブレゲひげで日付なし機を刷新したロレックスの三針自動巻

振動数
28,800 vph · 4 Hz
パワーリザーブ
48 時間
石数
31 石
ムーブメント径
28.5 mm
Cal. 3130
movement · 3130 図: ムーブメント — WatchBase
01 — OVERVIEW

概要

Cal. 3130は、ロレックスが2000年前後に投入した自社製の自動巻きキャリバーである。基幹機Cal. 3135から日付機構を省いた三針専用機で、日付なしモデルを担ってきたCal. 3000を置き換えた。振動数は28,800vph (4Hz)、石数は31石、パワーリザーブは約48時間。フルブリッジのテンプ受けとブレゲひげ、マイクロステラ調整のフリースプラング・テンプを備える。ヒゲゼンマイは後期にパラクロムへ更新された。サブマリーナ ノンデイトRef.14060M/114060やエクスプローラーRef.114270などを、約20年にわたり支えた。

02 — SPECIFICATIONS

仕様

MakerRolex
Reference3130
TypeAutomatic(自動巻)
DisplayAnalog
Frequency28,800 vph (4 Hz)
Jewels31 石
Power reserve48 h
Movement ⌀28.5 mm
HandsHours, Minutes, Seconds
03 — EDITORIAL

系譜と歴史

Genealogy & history

1. 日付なし機の世代交代

1980年代末から、ロレックスの日付なし三針モデルはCal. 3000が支えてきた。エアキング、エクスプローラー、サブマリーナのノンデイトに用いられた実用機である。一方、日付付きの主力機は1988年のCal. 3135で世代を改め、フルブリッジのテンプ受けとブレゲひげを備えていた。3000は片持ちのテンプ受けとフラットひげのまま据え置かれ、ブレゲひげを持たない最後のロレックス製キャリバーとされる。

Cal. 3130は、この二系統の差を埋める存在として現れた。3135から日付機構を省いた構成で、両者の登場には10年以上の開きがある。初出の年は資料により1999年から2001年まで幅がある。2000年前後、エアキングRef.14000Mとサブマリーナ ノンデイトRef.14060Mで採用が始まったとされる。ロレックスはケースの意匠をほぼ変えず、型番の末尾に「M」を加えてムーブメントの更新を示した。翌2001年には、エクスプローラーもRef.114270へ移行している。

2. 引き算の設計と素材の更新

3130の意義は、新機構の発明よりも基準の統一にある。その登場により、日付の有無を問わず3100系の主力キャリバーがフルブリッジとブレゲひげを共有することになった。新規設計ではなく、実績ある基幹機から機能を差し引いて派生機を得る手法である。

生産期間中の主な更新は、ヒゲゼンマイの素材に集中した。ロレックスは2000年、ニオブとジルコニウムの合金によるパラクロム・ヒゲゼンマイを発表した。2005年には、表面処理を加えたブルーパラクロムへ改良している。3130への導入時期は資料によって2000年代後半から2010年頃と幅がある。キャリバー名は3130のまま据え置かれた。2012年に発表されたサブマリーナRef.114060は、ブルーパラクロムを備えた3130を搭載して登場した。

3. 3131と3132への分岐

3130は、二つの派生キャリバーの土台にもなった。Cal. 3131は2007年のミルガウスRef.116400に搭載され、軟鉄製の磁気シールドと組み合わせて耐磁性を高めた。Cal. 3132は2010年のエクスプローラーRef.214270で初搭載され、ブルーパラクロムとParaflex耐震機構を備える。3130系からは、チェリーニ用のCal. 3165・3180も派生した。3130自身もエアキングRef.114200やオイスターパーペチュアル34・36へ搭載先を広げた。日付なし三針の標準機として、約20年にわたり用いられた。

4. 垂直統合の時代と後継

3130の生産期間は、ロレックスの製造体制が変わった時期と重なる。同社のムーブメントは長く、ビエンヌのマニュファクチュール・デ・モントル・ロレックスが製造してきた。同社はロレックス専属ながら別資本であり、2004年にロレックスへ統合された。

同時代のオメガは、1999年にコーアクシャル脱進機 (Co-Axial escapement) を載せたCal. 2500を送り出した。脱進機の構造そのものを刷新する選択である。対して3130は、スイスレバー脱進機を保ったまま、支持構造とヒゲゼンマイ素材の改良を重ねる道を歩んだ。精度と耐久性という共通の課題への、設計思想の違いといえる。

2020年、サブマリーナとオイスターパーペチュアルの刷新に合わせ、3130の役割はCal. 3230へ引き継がれた。クロナジー・エスケープメント (Chronergy escapement) を備えた新世代の三針機である。

04 — LINEAGE

キャリバーの系譜

Predecessors & derivatives
05 — MECHANISM

技術解説

Technical breakdown

Cal. 3130は、時・分・センターセコンドを表示する三針の自動巻きキャリバーである。直径は28.50mm (12.5リーニュ)、石数は31石。日付機構を持たないため、リューズ操作は巻き上げと時刻合わせの2段で完結する。リューズを時刻合わせの位置まで引くとテンプが止まり、秒針も停止する(ハック機能)。

振動数と調速機構

振動数は28,800vph (4Hz) である。テンプ(時計の調速を担う振り子状の円輪)が1秒間に4往復、すなわち8回の半振動を刻む速さを指す。振動数を高めると、外乱による一時的な乱れが歩度に与える影響が小さくなり、精度が安定しやすい。一方で、部品の摩耗と消費エネルギーは増す。28,800vphは、その均衡点として現代の機械式時計で広く採られる値である。

テンプはベリリウム銅合金のグリュシデュール製で、リムの内側に4個のマイクロステラ・ナットを備える。ナットを中心寄りへ回せば慣性モーメントが減って歩度は進み、外側へ動かせば遅れる。ヒゲゼンマイの有効長を変える緩急針は持たない。このフリースプラング方式は、衝撃で調整位置がずれる余地を減らす構成である。

フルブリッジとブレゲひげ

テンプの回転軸は、両端を支えるフルブリッジ(両持ちのテンプ受け)で保持される。片持ちのコック式に比べ、衝撃や姿勢変化を受けても軸の位置が安定しやすい。ヒゲゼンマイ(テンプの往復運動を律する渦巻きばね)は、外端を立ち上げて内側へ折り返したブレゲ巻き上げとされる。伸縮が同心円に近づくことで、等時性(振り角の大小にかかわらず周期がそろう性質)が高まる。

後期の個体では、ヒゲゼンマイにパラクロムが用いられた。ニオブとジルコニウムを主体とする常磁性合金で、磁場の影響を受けにくく、温度変化に対しても特性が安定している。表面の酸化被膜によって青色を帯びたものが、ブルーパラクロムと呼ばれる。

耐震機構と巻き上げ

テンプの軸受けには、KIF社の耐震装置が用いられる。ロレックスが2005年に投入した自社設計のParaflexは採用されていない。この点が、発展形のCal. 3132との構造上の差異となる。

巻き上げは、ロレックスがパーペチュアル・ローターと呼ぶ半円形の回転錘が担う。左右どちらへの回転も逆回り車によって一方向の回転に整えられ、香箱の主ゼンマイを巻き上げる。脱進機は伝統的なスイスレバー式で、ガンギ車とアンクルが動力を一定の間隔に切り分けてテンプへ送る。香箱1個とこの脱進機の組み合わせから得られるパワーリザーブは約48時間である。後継のCal. 3230は、脱進機の効率と香箱設計を見直し、これを約70時間へ延ばした。

仕上げと認定

仕上げは、装飾性より耐久性と整備性を重んじた実用本位の方向にある。精度認定の扱いは搭載モデルによって分かれた。COSC(スイス公式クロノメーター検査協会)の検定を経ない仕様も存在した。サブマリーナRef.14060Mの初期仕様やエアキングRef.14000Mがそれにあたるとされる。14060Mは2000年代後半に検定済みの仕様へ移り、文字盤の表記が4行となった。

COSC検定の基準は日差-4/+6秒である。ロレックスは2015年、自社の高精度クロノメーター基準をケーシング後の日差-2/+2秒へ再定義した。生産末期の3130搭載機も、この枠組みの下で出荷されたとされる。

06 — CARRIERS

このキャリバーを搭載する 2 本のリファレンス

This caliber appears in 2 references
07 — SOURCES

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

  1. 01 専門メディア Rolex Movements Explained: Every Caliber Worth Knowing 専門メディア · Bob's Watches · 2026.08.15 閲覧 Bob's Watches · 2026.08.15
  2. 02 専門メディア Rolex caliber 3130 専門メディア · WatchBase · 2026.08.15 閲覧 WatchBase · 2026.08.15