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CALIBER · Omega

3113

自動巻 Automatic Analog クロノグラフ デイト Co-Axial Escapement

フレデリック・ピゲの基盤に3層コーアクシャルを載せた、オメガのコラムホイール式自動巻クロノグラフ

振動数
28,800 vph · 4 Hz
パワーリザーブ
52 時間
石数
25 石
ムーブメント径
30 mm
Cal. 3113
movement · 3113 図: ムーブメント — WatchBase
01 — OVERVIEW

概要

Cal. 3113は、スウォッチ グループ傘下のフレデリック・ピゲが設計した1285系を基盤に、オメガがコーアクシャル脱進機を組み込んだ自動巻クロノグラフである。Cal. 3313系の発展型にあたり、3層構造のコーアクシャル脱進機とフリースプラング・テンプを備える。振動数は28,800vph (4Hz)、パワーリザーブは52時間。コラムホイール式のクロノグラフに日付表示を持ち、クロノメーター認定を受ける。2013年のシーマスター ブルヘッド復刻版で広く知られ、デ・ヴィル プレステージ コーアクシャル クロノグラフにも採用例がある。

02 — SPECIFICATIONS

仕様

MakerOmega
Reference3113
TypeAutomatic(自動巻)
DisplayAnalog
Frequency28,800 vph (4 Hz)
Jewels25 石
Power reserve52 h
Movement ⌀30 mm
HandsHours, Minutes, Small Seconds
DateDate
ChronographChronograph, Column wheel
AdditionalCo-Axial Escapement
03 — EDITORIAL

系譜と歴史

Genealogy & history

1. 出自:グループ内エボーシュという第三の道

Cal. 3113は、ブランドが一から設計した自社製とも、市販の汎用ムーブメントとも言い切れない位置にある。基盤となったのは、スウォッチ グループ傘下の専業メーカー、フレデリック・ピゲが設計した1285系のクロノグラフである。オメガはこの設計をCal. 3303として採用し、のちにコーアクシャル脱進機を組み込んだCal. 3313へと発展させた。グループ内で共有された高級エボーシュに、ブランド固有の脱進機を載せる手法が、この系統の出発点となる。

2. 2層から3層へ

コーアクシャル脱進機は、英国の時計師ジョージ・ダニエルズが1970年代に考案した機構である。オメガは1999年のCal. 2500で量産化に踏み切り、2000年代前半にはクロノグラフのCal. 3313系にも展開した。初期の設計では、コーアクシャル車の歯がインパルス(テンプへの衝撃力の伝達)と輪列からの動力伝達という二つの役割を兼ねる2層構造がとられていた。

転機は2007年のCal. 8500である。オメガはコーアクシャル車を3層に再構成し、二つの機能を別々のカナ(小歯車)に分離した。役割ごとに歯形を最適化できるようになり、信頼性が高まったとされる。この3層構造は、のちに2500系と3313系にも遡って導入された。Cal. 3113は、この3層構造とフリースプラング・テンプを備えた3313系の後期発展型と位置づけられる。地板に「3113C」の刻印を持つ個体が確認されている。

3. ブルヘッドとの結び付き

Cal. 3113の名を広めたのは、Baselworld 2013で発表されたシーマスター ブルヘッドの復刻版である。原型は1969年のRef. 146.011で、手巻きのCal. 930を搭載していた。復刻版はこれを自動巻のCal. 3113に置き換え、3種の文字盤を各669本限定で展開した。リオデジャネイロ五輪を記念した316本限定のRef. 522.12.43.50.04.001も加わり、4型合計は2,323本にとどまる。デ・ヴィル プレステージのクロノグラフにも採用されたと記録されている。

4. 自社一貫設計との並走

オメガは2011年、コーアクシャル脱進機を前提に一から設計したクロノグラフ、Cal. 9300を発表している。Cal. 3113はそれ以降も特定のモデルで用いられた。前者は新規設計で脱進機に最適化された構造を得る道、後者は実績ある設計を段階的に改良する道である。同じブランドの中に二つの開発思想が並存した時期を示す点で、Cal. 3113は過渡期の姿をよく伝えている。

04 — MECHANISM

技術解説

Technical breakdown

脱進機:3層コーアクシャル

脱進機は、ゼンマイの動力を一定のリズムで刻み、テンプへ送り出す機構である。一般的なスイスレバー脱進機では、ガンギ車の歯がアンクルの爪石の上を滑りながら動力を伝えるため、摩擦と潤滑油の劣化が精度低下の要因となる。コーアクシャル脱進機は、動力の多くをテンプ側の振り座へ直接伝え、滑り摩擦を減らすことを狙った設計である。構成は、爪石とインパルスピンを持つ振り座、3つの爪石を持つアンクル、そして3層のコーアクシャル車からなる。

3層のコーアクシャル車は、コーアクシャル車、インパルスを担うコーアクシャルカナ、輪列から動力を受け取る伝達カナを同軸に重ねた構造である。各層が単一の役割に専念するため、歯形を機能ごとに設計できる。オメガは、この脱進機により潤滑への依存が下がり、オーバーホールの間隔を延ばせると説明している。

テンプ:フリースプラング

テンプは、ヒゲゼンマイ(渦巻き状のバネ)と組み合わさって往復運動を繰り返す、時計の調速器である。Cal. 3113はフリースプラング・テンプを採用する。緩急針でヒゲゼンマイの有効長を変える方式を廃し、テンプ自体の慣性モーメントで歩度を調整する。衝撃で調整値がずれにくく、長期の安定性に利点がある。

振動数は28,800vph (4Hz)で、テンプは毎秒8回振動する。振動数が高いほど、姿勢変化や外乱に対して歩度が乱れにくい。クロノグラフ秒針は1/8秒刻みで進み、計測の分解能もこの数値に対応する。

クロノグラフ:コラムホイール制御

クロノグラフの発停とリセットは、コラムホイールで制御される。円周上に柱を並べた車が回転し、柱と隙間の配置によって各レバーの動作順序を決める方式である。プッシャーの操作感が安定し、動作の順序を機械的に保証できる。動力の接続には垂直クラッチを用いるとされ、計測開始時の秒針の跳ねを抑える構成となる。ブルヘッド復刻版では、12時位置の30分積算計と6時位置のスモールセコンドという2カウンターの文字盤構成がとられた。

巻上げと動力

自動巻機構は、中央のローターの回転で香箱を巻き上げる。パワーリザーブは52時間で、日付表示と秒針停止機能を備える。

認定と仕上げ

各ムーブメントはISO 3159に準拠したクロノメーター認定を受け、日差-4〜+6秒の精度基準を満たす。オメガはCal. 3113を装飾仕上げを施したムーブメントと説明している。ただし、確認できる搭載モデルはいずれも裏蓋が閉じた仕様で、その仕上げを外から見る機会は限られる。

05 — CARRIERS

このキャリバーを搭載する 1 本のリファレンス

This caliber appears in 1 references
06 — SOURCES

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

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