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CALIBER · Audemars Piguet

2944

手巻 Handwound ミニッツリピーター

スーパーソヌリの音響技術を古典的なジュール オーデマに収めた、約72時間駆動の手巻ミニッツリピーター

振動数
21,600 vph · 3 Hz
パワーリザーブ
72 時間
石数
35 石
NO IMAGE
movement · 2944
01 — OVERVIEW

概要

Cal.2944は、オーデマ ピゲが2016年に発表したジュール オーデマ ミニッツリピーター スーパーソヌリ(Ref.26590PT)の搭載機である。ゴングを地板ではなく共鳴板に取り付けるスーパーソヌリ技術を、トゥールビヨンやクロノグラフを伴わない手巻ミニッツリピーターとして実装した。毎時21,600振動 (3Hz)、35石、パワーリザーブ約72時間。2019年以降の同社のスーパーソヌリには、手巻のCal.2953が用いられている。

02 — SPECIFICATIONS

仕様

MakerAudemars Piguet
TypeHandwound(手巻)
Frequency21,600 vph (3 Hz)
Jewels35 石
Power reserve72 h
03 — EDITORIAL

系譜と歴史

Genealogy & history

1. 1924年の音を手がかりに

オーデマ ピゲは創業期から複雑時計を手がけ、1892年に初のミニッツリピーター腕時計を製作したとしている。スーパーソヌリの開発は2006年、同社の時計師と技術者が歴代のミニッツリピーターを聴き比べるところから始まったと伝わる。音の手本に選ばれたのは、同社が所蔵する1924年製の一本であった。開発はスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)と共同で進められ、約8年を要した。プロジェクトを率いたのは、ル・ロックルにある複雑機構の工房APRP(オーデマ ピゲ ルノー&パピ)のジュリオ・パピである。目標は、古いリピーターの澄んだ音色を取り戻しながら、防水ケースに収めても聞こえる音量を得ることに置かれた。

2. コンセプトから古典的な外装へ

成果は2015年、研究開発機RD#1として初めて公開され、翌2016年にロイヤル オーク コンセプト スーパーソヌリとして市販化された。こちらはトゥールビヨンとクロノグラフを併せ持つ複雑機で、同年のジュネーブ時計グランプリ(GPHG)ではメカニカル・エクセプション賞を受けた。同じ2016年、オーデマ ピゲはこの音響技術を古典的な意匠の時計にも展開し、ジュール オーデマ ミニッツリピーター スーパーソヌリを発表する。直径43mmのプラチナケースにエナメル文字盤を組み合わせた一本で、その心臓部が手巻のCal.2944である。ケースの厚さは13.16mm、防水は20mで、ケースバックには作業台に向かう時計師の姿が彫られる。2017年には、内側から外側へ濃くなる青のスモークエナメル文字盤を備えたRef.26590PT.OO.D028CR.01が加わった。

3. 後継機への継承

ジュール オーデマのコレクションは2019年前後に整理され、本機を載せたミニッツリピーターもカタログから外れたとされる。スーパーソヌリ技術は、2019年以降のCode 11.59 ミニッツリピーター スーパーソヌリや、ロイヤル オーク ミニッツリピーター スーパーソヌリへ受け継がれた。これらが搭載するのは手巻のCal.2953(32石、362部品、約72時間)である。Cal.2944は、スーパーソヌリをトゥールビヨンから切り離し、ミニッツリピーター単独の構成で成立させた初期の機械と位置づけられる。

04 — MECHANISM

技術解説

Technical breakdown

Cal.2944の機構は、時刻を音で知らせるミニッツリピーターと、その音を外へ伝えるスーパーソヌリの構造から成る。

ミニッツリピーターは、ケース側面のスライドを操作すると、その時点の時刻を2本のゴングで打ち分ける機構である。低い音で時、低音と高音の組み合わせで15分単位、高い音で分を数える。たとえば10時49分であれば、低音を10回、二音の組を3回、高音を4回打つ。時は最大12回、15分は最大3回、分は最大14回となり、すべてを打ち終えるまでの時間が打鐘全体の長さを決める。スライドの操作によって打鐘用のゼンマイが巻き上げられ、時・15分・分を読み取るカムとラックを経てハンマーが動く。

打鐘の音色は、ゴングの長さや断面、取り付け方、ケースの素材によって変わる。スーパーソヌリの要点は、ゴングの取り付け方にある。従来のミニッツリピーターではゴングを地板に固定するのに対し、スーパーソヌリではムーブメントとケースバックの間に置いた共鳴板にゴングを取り付ける。打撃の振動は共鳴板へ直接伝わり、弦楽器の響板のように音を広げる。機械の部分と音響の部分を分けたこの構造により、防水用のパッキンでケースを密閉したままでも、音量と響きを確保できる。

打鐘の速さを決めるのは調速機である。打鐘用のゼンマイがほどける速さを一定に保たないと、打つ間隔が乱れて時刻を聞き取りにくくなる。従来の調速機は作動時に唸りのような雑音を生みやすく、静かな環境では打鐘の響きを損なう原因となってきた。

技術は3件の特許で守られている。1件目は鋼製ゴングの製法で、音程を調律しやすく、澄んだ響きを得られる構造とした。2件目は打鐘の速さを一定に保つ調速機構で、作動時の雑音を抑える。3件目は、音の通り道を妨げない開口部を設けたケースバックである。オーデマ ピゲは、従来の腕時計用リピーターを大きく上回る音量が得られるとしている。打鐘の間合いも見直され、15分の打鐘がない時刻では、時と分の打鐘の間の無音が従来の約半分に短縮された。

時計としての部分は時・分・秒を表示し、手巻きの香箱から約72時間のパワーリザーブを得る。振動数は毎時21,600振動 (3Hz)で、1秒あたり6振動にあたる。石数は35石である。リピーターの打鐘は時計の輪列とは別のゼンマイで動くため、打鐘を繰り返しても、時刻表示の動力を直接は消費しない。打鐘の途中で時刻合わせを行うと機構を傷めるおそれがあるため、作動中の操作は避けるのが基本である。

05 — CARRIERS

このキャリバーを搭載する 1 本のリファレンス

This caliber appears in 1 references
06 — SOURCES

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

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  2. 02 公式 Code 11.59 Minute Repeater Supersonnerie 公式 · Audemars Piguet · 2026.10.08 閲覧 Audemars Piguet · 2026.10.08
  3. 03 公式 Jules Audemars Minute Repeater Supersonnerie 公式 · GPHG · 2026.10.08 閲覧 GPHG · 2026.10.08
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