用語 / TERM · Manual Winding
手巻き
リューズを手で回してゼンマイを巻く、機械式時計の伝統的な動力供給方式
手巻き(Manual Winding)とは、リューズを手で回して香箱内のゼンマイを巻き上げる、機械式時計の動力供給方式である。自動巻きが普及する以前は、機械式時計の標準的な巻き上げ方式であった。
リューズの回転は巻真とキーレス機構を介して香箱に伝わり、ゼンマイにトルクを蓄える。蓄えられたトルクが歯車列を駆動し、針を動かす。パワーリザーブはキャリバーにより異なり、40〜80時間程度のものが多いが、香箱を複数搭載して数日から数週間の連続駆動を実現した例もある。
自動巻きと異なり回転錘(ローター)を持たないため、ムーブメントを薄く設計しやすく、ダイヤル側やシースルーバックから機構を観察しやすい。一方で、止まれば再び動かすために毎回リューズを巻く必要がある。
現代では、パテック フィリップやA. ランゲ&ゾーネのドレスウォッチ、オメガ スピードマスター プロフェッショナル(Cal. 3861)、グランドセイコー Cal. 9S64 など、伝統や薄型化、構造美を重視するモデルで採用される。