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用語 / TERM · Mainspring Barrel

香箱

機械式時計の動力源である主ぜんまいを収納する円筒形の部品。自身が歯車となり輪列へ動力を伝える

香箱(こうばこ、Mainspring Barrel)とは、機械式時計の動力源である主ぜんまいを収納する円筒形の部品である。内部に巻き込まれたゼンマイの巻き解けに伴って自身が回転し、外周の歯車を介して輪列に動力を伝達する。歯車を兼ねることから、香箱車または一番車とも呼ばれる。

名称は、形状が日本の香入れである香合に似ることに由来するとされる。香箱本体・香箱蓋・香箱真の三要素で構成され、香箱真にゼンマイの内端を、香箱内壁にゼンマイの外端を固定する。

手巻き時計では、ゼンマイが完全に巻き上がると香箱内壁の溝にゼンマイ外端が引っかかり、巻き止まりを生じる。一方、自動巻き時計ではローターによる連続巻き上げに対応するため、ゼンマイの外端にスリッピングアタッチメント(滑り革)を備え、巻き上げ完了後はゼンマイが香箱内をすべることで過巻きを防ぐ。

長時間のパワーリザーブを得るため、香箱を直列に複数搭載する設計もある。A. Lange & Söhne のLange 31は二つの香箱を縦に積み重ね、約744時間(31日)の連続駆動を実現する。