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Rolex · Submariner · 2010–2020

Submariner Date Stainless Steel / Green / Cerachom

2010年、サブマリーナで初めて文字盤とベゼルをともに緑で揃えた、セラミック世代のスチール製デイト

116610LVは、2010年3月のバーゼルワールドで発表されたロレックス サブマリーナ デイトのスチールモデルである。外装の骨格は、同時発表の116610LNと同じ40mmのオイスターケースである。そこに緑のセラクロム(セラミック)ベゼルと、緑のサンバースト文字盤を合わせた。前任の16610LVが緑をアルミ製ベゼルだけに用いたのに対し、本機は色を文字盤まで広げ、愛好家の間では「ハルク」の通称で呼ばれる。ムーブメントは前任から引き継いだ自社製Cal.3135。2020年、41mmの新世代への移行に伴い生産を終えた。

Ref. 116610lv-0002
発表年 2010
状態 生産終了
限定 通常生産
コレクション Submariner
カテゴリ ダイバーズ
キャリバー 3135
ケース径 40 mm
防水 300 m
関連人物 ハンス・ウィルスドルフ
デイト
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.09.21
このモデルを比較する
Case · ケース
素材 Stainless Steel
形状 Round
径 40 mm
ガラス Sapphire
裏蓋 Closed
防水 300 m
Movement · ムーブメント
キャリバー 3135
タイプ Automatic
振動数 28,800 bph
石数 31 石
パワーリザーブ 48 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Green
インデックス Stick / Dot
針 Mercedes
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

1. 記念の色から、定番の配色へ

2010年3月、ロレックスはバーゼルワールドでスチール製サブマリーナ デイトの新世代を発表した。黒の116610LNと並んで示されたのが、ベゼルも文字盤も緑で統一した116610LVである。

緑はロレックスのコーポレートカラーだが、サブマリーナでの用い方は控えめだった。2003年、シリーズ誕生50周年を機に登場した16610LVは、緑をアルミ製ベゼルの1色に限り、文字盤は黒のまま残している。そこでの緑は、節目を示す記念の印であった。

116610LVは、その緑を文字盤にまで広げた。しかも特定の記念年に結びつかない、通常ラインの1本としてである。記念の色だった緑を、シリーズの定番配色の一つへ引き上げる判断だったと読める。

2. 116610LNと分かち合うもの

本機は、ケース、ベゼルの構造、ムーブメント、ブレスレットのすべてを116610LNと共有する。両者を分けるのは色だけである。

その「色だけ」が、本機の性格を決めた。セラミックは焼成によって発色する素材で、黒に比べて緑は色調を安定させにくいとされる。ロレックスはスチールモデルの世代交代に合わせ、扱いの難しい緑を黒と同時に量産へ載せたことになる。

発表当初、評価は一様ではなかった。黒の汎用性を支持する声は根強く、全面グリーンの配色に距離を置く評者もいた。一方で、完成された意匠のうち色という1点だけを変える手法を、控えめな個性の表現として評価する見方もあった。10年の生産期間のうちに、この配色は「ハルク」の通称とともにシリーズの一つの顔として定着していく。

3. 後継が引き継がなかった文字盤

緑ベゼルを継いだ後継の126610LVは、文字盤を黒に戻した。配色の上では、126610LVにとって前々任にあたる16610LVの構成への回帰である。ケースの拡大やムーブメントの刷新が進む一方で、緑の文字盤は次の世代へ渡されなかった。

こうして緑の文字盤は、116610世代だけの意匠となった。緑ベゼルの系譜は16610LV、116610LV、126610LVと続く。そのなかで本機だけが、文字盤の色によって系譜から一歩はみ出している。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

ケース径は前任16610LVと同じ40mmに据え置かれた。変わったのは輪郭である。ラグとリューズガードを太く厚くした、通称「スーパーケース」の造形により、同じ径でも手首の上での量感は明確に増した。素材は904L系のステンレス鋼で、生産後期にはロレックスが「オイスタースチール」と呼ぶようになる合金である。

ベゼルインサートは緑のセラクロムで、60分目盛りの数字と目盛りにはプラチナがPVD(物理蒸着)で被膜されている。紫外線や経年で色が抜けやすかった前任のアルミ製インサートと異なり、セラミックは緑を当初の色調のまま保つ。0位置の夜光カプセルと、手袋越しでも回しやすいギザ刻みの外周は、ダイバーズとしての機能をそのまま受け継いだ。

文字盤は緑のサンバースト仕上げで、光の角度によって明るい緑から黒に近い深緑まで表情を変える。艶のあるセラミックのベゼルと、放射状の筋目を持つ文字盤。素材も製法も異なる二つの緑を一つの時計の上で調和させる点に、本機の意匠の要がある。

インデックスは16610LVで導入された大型の「マキシ」サイズを受け継ぎ、18Kホワイトゴールドの縁取りの内側にクロマライト夜光を充填する。暗所では青く発光し、緑の文字盤の上でも判読性を保つ。針にも幅の広いものが組み合わされ、水中での時分の識別を助ける。

ブレスレットは3連のオイスターで、中駒まで無垢のリンクとなった。クラスプはプレス成形から削り出しに改められ、誤開放を防ぐオイスターロックと、グライドロック機構を備える。後者は工具を使わずに約2mm刻みで最大約20mmまで長さを調整でき、ウェットスーツの上からの装着に対応する。

ムーブメントは16610LVと同じ自社製Cal.3135である。毎時28,800振動 (4Hz)、パワーリザーブは約48時間。磁気の影響を受けにくい合金製のパラクロム・ヒゲゼンマイが、衝撃と温度変化への耐性を高める。外装を刷新しながらムーブメントを据え置いた構成は、実績あるキャリバーを使い続けるロレックスの慎重さを映している。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

発表の場は2010年3月のバーゼルワールドで、黒の116610LNと同時の公開だった。生産も同年に始まり、2003年から続いた16610LVの後を受ける。セラクロムベゼルのサブマリーナ デイトは、2008年のイエローゴールド116618LBとホワイトゴールド116619LBが先行していた。スチールモデルへの展開は、その2年後である。

2012年のバーゼルワールドでは、日付なしの114060が同じ世代の意匠で登場する。これにより、スチール製サブマリーナのカタログは116610LN、116610LV、114060の3本で構成されることになった。

2015年、ロレックスは自社の高精度クロノメーター認定を再定義した。新基準では、スイス公式クロノメーター検査協会(COSC)の認定を受けたムーブメントを、ケーシング後の完成品として自社で再検査する。対象は精度、防水性、自動巻きの性能などで、精度は日差-2〜+2秒が保証される。本機もこの基準の対象となり、以後の個体には緑のシールと5年間の国際保証が付属するようになった。

10年の生産期間を通じて、外装やムーブメントに大きな変更は加えられていない。ただし文字盤の印字には書体や字間の細かな違いがあったとされ、愛好家の間では製造時期によって複数の段階に分類されている。

2020年のバーゼルワールドとウォッチズ・アンド・ワンダーズ ジュネーブは、ともに中止された。ロレックスは同年9月1日、自社のウェブサイトで新作を発表する。緑ベゼルのサブマリーナ デイトは、41mmケースとCal.3235を備えた126610LVに引き継がれた。116610LVはこの世代交代をもって生産を終えている。2026年時点で、サブマリーナに緑の文字盤を持つ後継Refは加わっていない。


Sources

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

  1. 01 専門メディア Rolex Movements Explained: Every Caliber Worth Knowing 専門メディア · Bob's Watches · 2026.08.15 閲覧 Bob's Watches · 2026.08.15
  2. 02 専門メディア Rolex Automatic Movements Reference Guide 専門メディア · Experts Watches · 2026.08.15 閲覧 Experts Watches · 2026.08.15
02 — Price history

価格推移

2014–2020 · WatchLedger market index
2014-06-01 · EUR 7,4502015-02-01 · EUR 7,9502016-02-01 · EUR 8,3502017-06-17 · EUR 8,3502017-08-29 · EUR 8,3502020-01-04 · EUR 8,900€7,450€7,813€8,175€8,538€8,9002014-062020-01

出典: WatchBase 観測価格 · 通貨タブ(JPY / USD / EUR)で系列を切替できます。

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03 — Derivatives

同型・派生 Ref

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