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CALIBER · Sellita

SW200-1 a

自動巻 Automatic Analog デイト

ETA 2824-2の設計を受け継ぎ、2008年に26石へ最適化された、スイス機械式時計の業界標準ムーブメント

振動数
28,800 vph · 4 Hz
パワーリザーブ
38 時間
石数
26 石
ムーブメント径
25.6 mm
Cal. SW200-1 a
movement · SW200-1 a 図: ムーブメント — WatchBase
01 — OVERVIEW

概要

Sellita SW200-1は、スイスのラ・ショー・ド・フォンに本拠を置くゼリッタ(Sellita)が手がける自動巻ムーブメントである。特許の切れたETA 2824-2の設計を基礎とし、2008年に改良版として技術資料へ加わった。毎時28,800vph (4Hz)で駆動し、石数は26石、パワーリザーブは38〜41時間。ハック機能とクイックデイト機構を備える。香箱とラチェット車の間に1石を追加し、自動巻時の摩擦を抑えた点が原設計との差異となる。精度別に4グレードが用意される。オリス、タグ・ホイヤー、クリストファー・ウォードなど多くのブランドが採用する、スイス機械式時計の基盤的キャリバーである。

02 — SPECIFICATIONS

仕様

MakerSellita
ReferenceSW200-1 a
TypeAutomatic(自動巻)
DisplayAnalog
Frequency28,800 vph (4 Hz)
Jewels26 石
Power reserve38 h
Movement ⌀25.6 mm
HandsHours, Minutes, Seconds
DateDate
03 — EDITORIAL

系譜と歴史

Genealogy & history

1. エボーシュ供給の転換点

ゼリッタの起源は1950年、ラ・ショー・ド・フォンでの創業にさかのぼる。当初はエボーシュ(半完成ムーブメント)とその部品を組み立てる供給業者であった。1980年代以降はETAの組立パートナーとして、2824-2をはじめとする同社ムーブメントの組立を担った。

転機は2002年に訪れる。ETAを擁するスウォッチ グループが、グループ外ブランドへの供給を段階的に絞る方針を打ち出したのである。2003年に経営権を取得したゼリッタは、自社ムーブメントの開発へ舵を切る。基礎としたのは、特許が満了して公知となったETA 2824の設計であった。SW200系は2000年代半ばに発表され、改良版のSW200-1は2008年に技術資料へ加わった。

2. 四つのグレード

SW200-1は、精度と仕上げの水準に応じて4つのグレードを持つ。これはETA系の区分を踏襲したものである。基準となるStandardは2姿勢で調整され、日差は±12秒から±30秒。次のSpécial(ETAのÉlaboréに相当)は3姿勢調整で±7秒から±20秒へ向上する。Premium(同Top)は5姿勢調整で±4秒から±15秒。最上位のChronometerは、COSC(スイス公式クロノメーター検査機関)の認定を受けた個体に与えられる。グレード間の差は、テンプやヒゲゼンマイ、耐衝撃装置、そして調整工程の密度に表れる。

3. 系譜と派生

SW200-1は単独のキャリバーではなく、一族の中核である。日付の有無で「a」(日付あり)と「b」(日付なし)が分かれ、手巻き化した仕様には「M」が付く。小秒針を9時位置に置くSW290-1、手巻きのSW210系など、機能別の派生が広がる。さらにETA 2892系を範とする薄型のSW300、クロノグラフのSW500、GMTのSW330などがある。ゼリッタは公知設計を出発点に、幅広いムーブメント群を整えてきた。搭載ブランドは独自ローターや仕上げを施すことが多く、同じ素体でも外観は一様でない。

4. 業界基盤としての現在

今日、ゼリッタは年間およそ150万個のムーブメントを生産し、その大半をSW200系が占めるとされる。供給網が限られるなか、ケースや文字盤の設計を変えずに移行できる互換性は、多くのブランドにとって現実的な選択肢となった。2026年にはパワーリザーブを65時間へ延ばしたSW200-2「Power+」が発表された。4Hzの運針を保ちながら、香箱と輪列を刷新している。長時間化を進める同時代の汎用ムーブメントとの間で、設計思想の差異がいっそう明確になりつつある。

04 — LINEAGE

キャリバーの系譜

Predecessors & derivatives
05 — MECHANISM

技術解説

Technical breakdown

SW200-1の基本骨格は、直径25.6mm、厚さ4.6mmに収まる。中央ローター式の自動巻で、ローターはボールベアリングで支持される。巻き上げは両方向式で、逆回転を一方向の力に変える反転車を介して香箱へ伝わる。この自動巻機構が、手巻き専用機に比べておよそ1mmの厚みを加えている。

調速機構

心臓部は、スイスレバー脱進機(ガンギ車とアンクルからなる脱進機)とテンプである。テンプは毎時28,800vph (4Hz)で振動する。これは1秒間に8回テンプが往復する速度を指す。振動数が高いほど、テンプの慣性に対する外乱の影響は相対的に小さくなる。結果として姿勢差が抑えられ、運針も滑らかになる。上位グレードでは、温度変化に強いグリュシデュール製のテンプ輪が用いられる。往復を制御する渦巻ばねであるヒゲゼンマイには、ニヴァロックス系の平ヒゲが組み合わされる。緩急の調整は、ヒゲの有効長を変える緩急針によって行う。

石数と動力伝達

原設計との最も明快な差異は、石数にある。ETA 2824-2が25石であるのに対し、SW200-1は1石を加えて26石とした。追加された石は香箱とラチェット車(ぜんまいを巻き上げる歯車)の間に置かれ、自動巻時の摩擦を軽減する。「-1」の世代呼称は、ラチェット車の歯形を見直し、動力伝達と耐久性を改善したことに由来するとされる。動力源は単一の香箱に収めたぜんまいで、満巻からのパワーリザーブは38〜41時間。香箱が一つであることが、この時間の背景にある。日付表示はクイックチェンジ式で、りゅうずの中段位置から早送りできる。

精度と保守

リフトアングル(脱進機がテンプへ力を伝える角度)は50度に設定される。満巻時の振り角は、おおむね270度から315度に収まる。テンプ軸受けを保護する耐衝撃装置には、グレードや採用ブランドの仕様に応じてインカブロックまたはノヴォディアックが用いられる。精度認定では、最上位個体がCOSCのクロノメーター基準(ISO 3159)に基づき検査される。素体の仕上げは実用本位だが、採用ブランドが独自ローターやコート・ド・ジュネーブ装飾を加える例も少なくない。テンプ受け付近には製造元や仕様を示す刻印が打たれ、保守時の判別に用いられる。輪列や受けの構成がETA 2824-2系と共通するため、専用工具を要さず、保守の知見も広く共有されている。これも本キャリバーが普及した実務的な理由の一つである。

06 — CARRIERS

このキャリバーを搭載する 5 本のリファレンス

This caliber appears in 5 references
07 — SOURCES

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

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  2. 02 専門メディア Eterna 専門メディア · Watch Wiki · 2026.08.15 閲覧 Watch Wiki · 2026.08.15