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CALIBER · Oris

Oris 733

自動巻 Automatic Analog デイト

Sellita SW200-1を基盤に、赤ローターとHigh Mech思想を宿したOrisの主力自動巻

振動数
28,800 vph · 4 Hz
パワーリザーブ
38 時間
石数
26 石
ムーブメント径
25.6 mm
Cal. Oris 733
movement · Oris 733 図: ムーブメント — WatchBase
01 — OVERVIEW

概要

Oris 733は、Sellita SW200-1を基盤とするOrisの自動巻きキャリバーである。SW200-1はETA 2824-2と互換性をもつスイス製の汎用ムーブメントで、Orisはこれにスタンダードグレードを採用する。振動数は28,800vph (4Hz)、26石、パワーリザーブは38時間。時・分・秒と日付を備え、秒停止機構をもつ。最大の識別点は、赤いローターに刻まれた「ORIS / HIGH MECH」の表記である。Aquis DateやDivers Sixty-Fiveなど、Orisの主力スポーツモデルを長く支えてきた基幹ムーブメントである。

02 — SPECIFICATIONS

仕様

MakerOris
ReferenceOris 733
TypeAutomatic(自動巻)
DisplayAnalog
Frequency28,800 vph (4 Hz)
Jewels26 石
Power reserve38 h
Movement ⌀25.6 mm
HandsHours, Minutes, Seconds
DateDate
03 — EDITORIAL

系譜と歴史

Genealogy & history

外注の時代と「High Mech」

Orisは1904年の創業以来、1981年までに229種ともいわれる自社製キャリバーを手がけた。だがクォーツ危機の圧力のなか、1982年の経営陣による買収を機に自社製の量産から退き、ETA、のちにSellitaのエボーシュ(半製品ムーブメント)へと軸足を移す。それでも機械式専業の姿勢は崩さず、1990年には「High Mech」のスローガンを掲げた。クォーツを持たないという宣言である。Oris 733は、この外注エボーシュ時代を象徴する主力自動巻きにあたる。

Sellita SW200-1という基盤

733の土台となるSellita SW200-1は、ETA 2824-2を継承する汎用ムーブメントである。ETA 2824は1971年に登場し、その特許は2002年に失効した。長年ETAのアセンブリを担ってきたSellitaは、この機を捉えて自社版を世に出す。初代SW200は2003年頃、改良版のSW200-1は2008年頃に登場した。SW200-1はETA 2824-2と寸法を共有し、ケースや文字盤を変えずに置き換えられる。石数は26石で、香箱側に1石を加えることで自動巻き時の摩擦を抑えている。SW200-1にはStandard、Élaboré、Top、Chronometerの4グレードが用意され、調整精度に応じて選び分けられる。両者は優劣ではなく、同じ設計思想を共有する関係にある。

733と733-1、そして自社製への回帰

Orisは733に最も標準的なStandardグレードを採用し、独自の赤ローターを載せて供給を受ける。同社は公式サイトでベースムーブメントを明示しており、「理にかなったものづくり」という信条を体現する透明性が特徴である。Sellitaがパワーリザーブの公称値を38時間から41時間へ改めたことに伴い、41時間仕様を733-1と区別する運用もみられる。一方で2014年のCal.110、2020年のCal.400により、Orisは35年ぶりに自社製ムーブメントへ回帰した。733は、これら自社製キャリバーと併存しながら、エントリー層を支え続けている。

04 — LINEAGE

キャリバーの系譜

Predecessors & derivatives
05 — MECHANISM

技術解説

Technical breakdown

駆動と調速

Oris 733の機構は、ベースであるSellita SW200-1の構成をそのまま受け継ぐ。733は両方向に巻き上げる自動巻きで、ひとつの香箱(ぜんまいを収める部品)を動力源とする。振動数は28,800vph (4Hz)。これはテンプ(往復運動で時を刻む調速輪)が1秒間に8回振動することを意味し、現代の実用機として標準的な値である。高い振動数は姿勢変化や外乱に対する復元力を高め、日常使用での安定した精度に寄与する。調速はテンプ、ヒゲゼンマイ(渦巻き状のばね)、そしてスイスレバー式の脱進機(動力を一定間隔で解き放つ機構)が担う。

26石と巻き上げ機構

石数は26石で、各回転部の軸受に人工ルビーを配する。ETA 2824-2の25石に対し、SW200-1は香箱の軸側に1石を加えている。これは自動巻きのローターが生む回転を受ける部位にあたり、巻き上げ時の摩擦と摩耗を抑える狙いがある。秒停止機構(ハッキング)を備え、リューズを引くと秒針が止まって秒単位の時刻合わせができる。日付はクイックセットに対応し、時刻と独立して素早く修正できる。

パワーリザーブとグレード

動力は一本の香箱に蓄えられ、満巻でおよそ38時間駆動する。Sellitaが公称値を改めたのちは、41時間仕様を733-1と呼び分ける運用がみられる。ツインバレルで5日を確保する自社製Cal.400とは設計の狙いが異なり、733は一日巻きを基本とする実用域に最適化されている。OrisはグレードにStandardを採用する。Standardは2姿勢で調整され、日差はおおむね一定の範囲に収まる。Oris公称では+7/-12秒程度とされる。上位グレードでは調整姿勢が増えて精度の幅が狭まるが、Orisは価格と実用のつり合いを重視してStandardを選んでいる。耐衝撃機構には、汎用版で一般的なNovodiacではなくIncablocが用いられるとされる。

仕上げと識別点

733の仕上げは実用本位で、コートドジュネーブ(波状の装飾)やペルラージュ(円状の研磨)、焼き入れねじといった装飾は控えめである。その代わり視覚的な核となるのが、赤いローター(回転錘)である。「SWISS MADE / ORIS / HIGH MECH」と刻まれたこの部品は、全機械式を貫くOrisの姿勢を映す意匠的な署名であり、シースルーバックごしに見る者の目を引く。汎用ベースゆえに部品供給と整備の体制が成熟している点も、長く使ううえでの実利といえる。

06 — CARRIERS

このキャリバーを搭載する 1 本のリファレンス

This caliber appears in 1 references
07 — SOURCES

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

  1. 01 専門メディア Sellita Caliber SW200-1 専門メディア · Caliber Corner · 2026.08.15 閲覧 Caliber Corner · 2026.08.15
  2. 02 専門メディア Hands-On Oris Calibre 111 Review 専門メディア · Fratello Watches · 2026.08.15 閲覧 Fratello Watches · 2026.08.15