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CALIBER · Louis Vuitton

LFT VO05.01

自動巻 Automatic Analog ジャンピングアワー トゥールビヨン ワールドタイム Tourbillon Escapement

2026年、ワールドタイムの中心にフライング・トゥールビヨンを据えた、ルイ・ヴィトン自社製自動巻

振動数
28,800 vph · 4 Hz
パワーリザーブ
62 時間
石数
40 石
ムーブメント径
34 mm
Cal. LFT VO05.01
movement · LFT VO05.01 図: ムーブメント — WatchBase
01 — OVERVIEW

概要

Cal. LFT VO05.01は、ルイ・ヴィトンの自社工房ラ・ファブリク・デュ・タンが設計・開発した自動巻キャリバーである。2026年1月のLVMHウォッチウィークで、エスカル ワールドタイム フライング トゥールビヨン(Ref. W3PT41)とともに発表された。24タイムゾーンのワールドタイムとジャンピングアワーに、文字盤中央のフライング・トゥールビヨンを組み合わせる。キャリッジはモノグラム・フラワーを象り、60秒で1回転する。28,800vph (4Hz)、パワーリザーブ62時間、40石、部品数337点。18Kローズゴールド製のローターを備える。

02 — SPECIFICATIONS

仕様

MakerLouis Vuitton
ReferenceLFT VO05.01
TypeAutomatic(自動巻)
DisplayAnalog
Frequency28,800 vph (4 Hz)
Jewels40 石
Power reserve62 h
Movement ⌀34 mm
HandsJumping Hours, Minutes, World Time
AdditionalTourbillon Escapement
03 — EDITORIAL

系譜と歴史

Genealogy & history

1. 開発の背景 — モジュールから専用機へ

エスカルのワールドタイムは、2014年のバーゼルワールドで登場した。当時のCal. LV 106は、外部調達のベースに、ラ・ファブリク・デュ・タン製のワールドタイム機構を重ねていた。専門誌SJXは、そのベースをETA 2892-A2と伝える。リュウズだけで都市と時刻を合わせる操作系はこの時点で確立していたが、パワーリザーブは38時間にとどまった。

ルイ・ヴィトンは2011年に同工房を傘下に収め、以後は自社ムーブメントの比重を高めていく。2025年にはタンブール タイコ スピンタイムの自動巻ファミリーが登場した。ただし直径23mmと小ぶりな系列で、パワーリザーブは45時間だった。2026年1月、ミラノのLVMHウォッチウィークで中径の「VO」系列が発表される。同誌はこれを、40mm級のケースに見合う自社製ベースの空白を埋める系列と評する。Cal. LFT VO05.01はその一つで、エスカル ワールドタイム フライング トゥールビヨン(Ref. W3PT41)に初搭載された。

2. 技術的革新 — 中心をトゥールビヨンに譲る

ワールドタイムと中央トゥールビヨンは、文字盤の同じ場所を必要とする機構である。ワールドタイムの多くは、1930年代にルイ・コティエが考案した方式を基本とする。そこでは24時間リングを、ムーブメント中心の筒車(時表示を運ぶ歯車)から駆動する。中心にトゥールビヨンを据えれば、この経路は使えない。

同工房の共同創業者で時計師のミシェル・ナヴァスは、その解決を次のように説明する。中央のトゥールビヨンが空間を占めるため、回転ディスクとジャンピングアワーの部品を外周側へ移した。ベースムーブメントの構成要素も、同じく外周側に配したという。ワールドタイムの読み方と操作性は変えず、中心部の配置を組み替えたことになる。専門メディアの一部は、中央トゥールビヨンとワールドタイムの組み合わせを前例のない試みと評している。

3. 系譜と展開 — ST05.01からVO系列へ

ルイ・ヴィトンが中央にフライング・トゥールビヨンを置くのは、本機が初めてではない。2025年のタンブール タイコ スピンタイム エアー フライング トゥールビヨンは、Cal. LFT ST05.01を搭載する。同機は輪列を外周へ移し、分針をトゥールビヨンの周囲に回した。SJXによれば、モノグラム・フラワーを象るキャリッジの意匠も同機で初めて用いられた。本機は、その手法を中径のVO系列とワールドタイムへ展開した位置にあるとみられる。

VO系列には、同時に発表されたワールドタイム機Cal. LFT VO12.01と、デュアルタイム機Cal. LFT VO15.01が並ぶ。aBlogtoWatchは本機を、VO12.01の構成を拡張したものと位置づける。一方でTime+Tideは、構成の全面的な見直しを要したと伝える。基本設計を共有しつつ、中心部の組み替えを伴う派生機と理解できる。開発は、ナヴァスとエンリコ・バルバシーニが率いる同工房が担った。

4. 業界での位置

中央トゥールビヨンそのものには、オメガや独立時計師ベアト・ハルディマンらの先例がある。一方でワールドタイムの多くはコティエ以来の配置を踏襲しており、基本構成には共通点が多い。本機は、その定型の中心部を調速機構に明け渡し、都市ディスクとトゥールビヨンを同じ平面にまとめた。旅を主題とする表示機構と、メゾンのモチーフを象る調速機構を一つの面に重ねた点に、このキャリバーの独自性がある。

04 — LINEAGE

キャリバーの系譜

Predecessors & derivatives
05 — MECHANISM

技術解説

Technical breakdown

基本構成

Cal. LFT VO05.01は、直径34mm、厚さ9.79mmの自動巻ムーブメントである。部品点数は337点、石数は40石。ワールドタイム、24タイムゾーンの昼夜(デイ/ナイト)表示、ジャンピングアワー、分表示、中央のフライング・トゥールビヨンを備える。同系列のワールドタイム機Cal. LFT VO12.01は35石・288点とされ、本機はそれより5石・49点多い。

表示の構成と操作

表示は同心円状の要素で組み立てられる。最外周は24の基準都市を記した都市ディスク、その内側が昼夜を色分けした24時間ディスクである。24時間ディスクは連続して回らず、正時ごとに1時間分を瞬時に送る。分は、トゥールビヨンを囲むように配されたミニッツインジケーターで示されるとされる。現地時刻は12時位置の三角形の指標で読み、他の都市の時刻は各都市名に並ぶ24時間ディスクの数字で読む。

操作はリュウズに集約され、プッシャーを持たない。ポジション1で都市ディスクを進め、基準とする都市を12時位置に合わせる。ポジション2で分表示を回すと、24時間ディスクも連動して動く。

フライング・トゥールビヨン

トゥールビヨンは、テンプと脱進機をキャリッジ(回転かご)に収め、全体を回す機構である。テンプは時計の速さを決める振り子状の部品、脱進機はその往復に合わせて輪列の力を少しずつ解放する機構を指す。縦姿勢で生じる重力の偏りを、回転によって平均化することを本来の目的とする。本機のキャリッジは60秒で1回転する。

フライング式は、キャリッジを上側の受けで押さえず、下側の軸だけで支える構造を指す。文字盤側に遮る部品がないため、中央の機構を正面から見通せる。キャリッジは星形のモノグラム・フラワーを象る。テンプは、緩急針を持たないフリースプラング式とされる。緩急針はヒゲゼンマイ(テンプを往復させる渦巻きばね)の有効長を変える部品で、本機ではこれに頼らず、テンワ(テンプの輪)の慣性モーメントで歩度を合わせる。表示を動かす歯車群は、この中央部を避けて外周側に配される。

振動数と動力

振動数は28,800vph (4Hz)で、テンプは1秒間に4往復し、脱進機は8回作動する。振動数が高いほど衝撃や姿勢差による乱れの影響は相対的に小さくなるが、消費エネルギーは増える。トゥールビヨンはキャリッジごと回るため、さらに動力を要する。そのうえで本機は62時間のパワーリザーブを公称する。専門誌SJXは、直径の拡大によって大型の香箱(主ゼンマイを収める円筒)を収められたと指摘する。巻上げは18Kローズゴールド製の無垢ローター(回転錘)が担う。

構造と仕上げ

同誌はVO系列の構造的特徴として、3点を挙げる。1つ目は、ヒゲ持ち受け(ヒゲゼンマイの外端を留める部品)をねじで固定するジュネーブ式の構造である。2つ目はアンクル(脱進機のレバー)の振れを規制する固定式のバンキング、3つ目は線ばねを用いない構成である。いずれもジュネーブの高級機に見られる作法とされる。仕上げは梨地(フロスト)のブリッジと面取り、地板のペルラージュ(円形の粒模様)を基本とする。同誌によれば、受け石は無色の石で、自動巻の輪列には白色系のめっきが施される。

公式の技術仕様には、クロノメーター認定の記載はない。取扱説明書は、5年ごとのメンテナンスを推奨している。

06 — CARRIERS

このキャリバーを搭載する 1 本のリファレンス

This caliber appears in 1 references
07 — SOURCES

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

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