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CALIBER · Louis Vuitton

LFT VO12.01

自動巻 Automatic Analog ジャンピングアワー ワールドタイム

2026年、24時間ディスクを毎正時に跳躍させた、ルイ・ヴィトン自社製のワールドタイム自動巻

振動数
28,800 vph · 4 Hz
パワーリザーブ
62 時間
石数
35 石
ムーブメント径
34 mm
Cal. LFT VO12.01
movement · LFT VO12.01 図: ムーブメント — WatchBase
01 — OVERVIEW

概要

Cal. LFT VO12.01は、ルイ・ヴィトンの工房ラ・ファブリク・デュ・タンが設計・開発した自動巻ワールドタイムである。2026年1月、プラチナケースのエスカル ワールドタイム Ref. W3PTA1で初めて搭載された。24都市の円盤、毎正時に跳躍する24時間ディスク、中央の分針の3要素で、24のタイムゾーンの時刻と昼夜を同時に示す。直径34mm、部品点数288、35石。振動数28,800vph(4Hz)、パワーリザーブ62時間で、18Kローズゴールドの中央ローターが巻き上げを担う。トゥールビヨン版のLFT VO05.01も同じ設計系列に属する。

02 — SPECIFICATIONS

仕様

MakerLouis Vuitton
ReferenceLFT VO12.01
TypeAutomatic(自動巻)
DisplayAnalog
Frequency28,800 vph (4 Hz)
Jewels35 石
Power reserve62 h
Movement ⌀34 mm
HandsJumping Hours, Minutes, World Time
03 — EDITORIAL

系譜と歴史

Genealogy & history

1. 開発の背景

ルイ・ヴィトンのワールドタイムは、2014年のバーゼルワールドで発表されたエスカル ワールドタイムに始まる。手描きの旗で都市を表した円盤は、同社の時計を象徴する意匠となった。当時の機械は、ETA 2892-A2を土台に、ラ・ファブリク・デュ・タンが製作したワールドタイム機構を重ねたものとされる。同工房はミシェル・ナヴァスとエンリコ・バルバシーニが2007年に興し、2011年にルイ・ヴィトンの傘下に入った。

初代は都市・時・分を3枚の回転円盤で示し、中央の三角形の指標で時刻を読む構成であった。時と分の円盤が連続的に動くため、正時の前後では読み取りに迷いやすかったと複数の専門誌が指摘している。

2024年、エスカルは時刻表示のみのコレクションとして再出発し、複雑機構はいったん姿を消した。その間に工房は自動巻の自社開発を進め、2025年には設計から手がけた初の自動巻LFT MA01.01を送り出す。ただしこの系列は小径で、スピンタイム用は直径23mmにとどまった。専門誌SJXは、40mm前後のケースには小さいと評している。

2. 新しい中型ファミリー

2026年1月のLVMHウォッチウィークで、ルイ・ヴィトンはエスカルに5つの複雑機構モデルを加えた。その土台となったのが、中型の新しい自動巻ファミリーである。Cal. LFT VO12.01はその中核の一つで、ワールドタイムの復活を担った。

設計の主眼は、初代の個性を保ちながら読みやすさを改めることにあった。時の表示を跳躍式の円盤に、分を中央の針に替え、正時の曖昧さを取り除いている。都市と時刻をリュウズだけで合わせる操作系は、初代から受け継がれた。同誌は、その造りと仕上げを、ジュネーブの工業的な高級時計製造の水準に並ぶものと評している。

3. 派生と展開

同じ設計系列からは、2つの派生機が同時に発表された。LFT VO05.01は、文字盤中央にフライングトゥールビヨンを据えたワールドタイムである。ナヴァスによれば、中央に空間を空けるため、回転円盤や跳躍する時の円盤、基幹部の部品を外周側へ移したという。分は針ではなく、トゥールビヨン周囲の指標で示す。

LFT VO15.01は、中心4本針のデュアルタイムを備えたツインゾーン用の機械で、本機と同じ基盤に立つとされる。本機が24の標準時を一望させるのに対し、VO15.01は30分・45分ずれの時差まで分単位で追う。1つの基盤から、旅の時刻を扱う2つの解法が並んで示された。

4. 業界での位置

腕時計のワールドタイムは、1930年代にルイ・コティエが確立した方式を長く基本としてきた。都市リングの内側で24時間リングが1日1回転し、現地時刻は時針と分針が示す構成である。今日の多くのワールドタイムも、針による現地時刻の表示を踏襲している。

ルイ・ヴィトンのワールドタイムは、2014年の初代から時針を持たない。現地の時は、24時間ディスクを三角形の指標で読み取る構成である。Cal. LFT VO12.01は、その円盤を毎正時に跳躍する方式に改めた。これにより、ワールドタイムの24時間表示とジャンピングアワーが1枚の円盤に重なった。初代以来の針に頼らない表示系を、読み取りの確かさの面から作り直した点が、この機械の要点である。

04 — LINEAGE

キャリバーの系譜

Predecessors & derivatives
05 — MECHANISM

技術解説

Technical breakdown

基本構成

Cal. LFT VO12.01は、直径34mm、厚さ5.97mmの自動巻ムーブメントである。部品点数は288、石数は35石を数える。2025年の時刻表示専用機LFT MA01.01は201部品・26石である。増えた分の多くは、ワールドタイムとジャンピングアワーの機構に充てられているとみられる。

振動数は28,800vph(4Hz)である。テンプ(時計の速さを決める往復運動の輪)が毎秒8回の振動を刻み、現代の自動巻として標準的な値にあたる。姿勢の変化や腕の動きによる乱れを受けにくく、日常の携行に適した設定である。

3層の表示

表示は外周から、24都市の円盤、24時間ディスク、中央の分針の3層で構成される。12時位置には18Kホワイトゴールド製の三角形の指標が固定され、その下の都市が基準となる。現地の時は、指標の下に来た24時間ディスクの数字で読む。本機は時針を持たない。

他の都市の時刻は、都市名に並ぶ24時間ディスクの数字が示し、分は全都市に共通の分針が担う。公式の取扱説明書は、パリの10時10分に対し、ニューヨークを4時10分、シドニーを19時10分と読む例を示す。24時間ディスクは昼夜の表示も兼ね、各都市が昼か夜かを同時に伝える。

ジャンピングアワー

24時間ディスクは連続して回らず、毎正時に1目盛りずつ跳躍する。24分割の円盤なので、1回の送りは15度にあたる。跳躍表示では一般に、輪列が回すカムが1時間かけてばねに力を蓄え、正時にそれを解放して円盤を一気に送る。送り終えた円盤は、ジャンパー(位置決めのばね)が定位置に留める。本機の内部構造は公表されていないが、同様の原理に立つとみられる。

直径の大きな円盤を瞬時に動かすには、相応のエネルギーが要る。同じ基盤を用いるとされるLFT VO15.01は、68時間を公称する。本機の62時間との差には、跳躍機構をはじめとする表示系の負荷が関わる可能性もある。分針は24時間ディスクに重ならない長さに収められ、時と分の読み取りが干渉しない。

リュウズの3段操作

操作はリュウズ1本に集約され、プッシャーも第2リュウズも持たない。押し込んだ0段目は手巻きの位置で、公式は40〜50回転で全巻きに達するとする。1段引きでは、リュウズを時計回りに回して都市円盤を送り、基準とする都市を12時に合わせる。2段引きでは分針を回して時刻を合わせ、このとき24時間ディスクも連動して動く。

調速機と香箱

専門誌SJXによれば、本機は緩急針を持たないフリースプラング式のテンプを採用する。ヒゲゼンマイ(テンプの往復運動を生む渦巻きばね)の外端は、ネジで締めるジュネーブ式のヒゲ持ちで保持される。線ばねを使わない構成や、アンクルの振れ幅を規制する固定式のバンキングも、同誌が挙げるVO系列の特徴である。

パワーリザーブは62時間で、小径ファミリーの45時間より約4割長い。直径の拡大によって、より大きな香箱(主ゼンマイを収める円筒)を収められたことが延長の理由とされる。

仕上げ

ブリッジはサンドブラストによるフロスト仕上げで、縁には面取りを施す。地板にはペルラージュ(小円を重ねた模様)が入り、ネジ頭は磨き上げられる。受け石は一般的な赤色ではなく無色で、2023年のLFT023以来続くルイ・ヴィトンの意匠である。自動巻輪列は白色系のめっきで統一され、小径機の金色から改められたと報じられる。

中央ローター(回転錘)は18Kローズゴールド製である。公式資料には、クロノメーター等の外部認定に関する記載は確認できない。

06 — CARRIERS

このキャリバーを搭載する 1 本のリファレンス

This caliber appears in 1 references
07 — SOURCES

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

  1. 01 専門メディア Louis Vuitton Takes Us on a Horological Journey 専門メディア · WatchTime · 2026.08.15 閲覧 WatchTime · 2026.08.15
  2. 02 専門メディア The Louis Vuitton Escale Re-Enters The World Of Complications 専門メディア · aBlogtoWatch · 2026.08.15 閲覧 aBlogtoWatch · 2026.08.15