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CALIBER · Louis Vuitton

LFT SO13.01

手巻 Handwound Analog ジャンピングアワー ミニッツリピーター レトログラード

2026年、ジェンタ由来のリピーター設計に瞬時時表示とレトログラード分を重ねた、ルイ・ヴィトンの手巻キャリバー

振動数
21,600 vph · 3 Hz
パワーリザーブ
80 時間
石数
48 石
ムーブメント径
62.4 mm
Cal. LFT SO13.01
movement · LFT SO13.01 図: ムーブメント — WatchBase
01 — OVERVIEW

概要

LFT SO13.01は、ルイ・ヴィトンのジュネーブ工房ラ・ファブリク・デュ・タンが開発・製造する手巻ムーブメントである。2026年、エスカル ミニッツリピーター Ref. W3PGA0で初搭載された。ミニッツリピーターにジャンピングアワーとレトログラード分を組み合わせる。振動数は21,600vph (3Hz)、パワーリザーブは80時間、48石、部品数は432点である。遠心ガバナーとフリースプラング式テンプを備える。基本設計は、姉妹ブランドであるジェラルド・ジェンタのリピーター用キャリバーGG-002と共有する。

02 — SPECIFICATIONS

仕様

MakerLouis Vuitton
ReferenceLFT SO13.01
TypeHandwound(手巻)
DisplayAnalog
Frequency21,600 vph (3 Hz)
Jewels48 石
Power reserve80 h
Movement ⌀62.4 mm
HandsJumping Hours, Jumping Minutes
AcousticMinute Repeater
03 — EDITORIAL

系譜と歴史

Genealogy & history

1. ジェンタの工房に連なる設計者

LFT SO13.01を開発したのは、時計師ミシェル・ナヴァスとエンリコ・バルバジーニである。2人はラ・ファブリク・デュ・タン(La Fabrique du Temps、以下LFT)の創業者である。出会いは1980年代、ジェラルド・ジェンタの工房であった。当時からグランドソヌリやミニッツリピーターの製作に携わったと伝わる。パテック フィリップなどを経て、2007年にジュネーブでLFTを興した。

ルイ・ヴィトンは2011年にLFTを傘下に収め、2014年にはジュネーブ郊外メイランに新工房を開いた。以後LFTはルイ・ヴィトンの複雑機構を担ってきた。現在は同じLVMH傘下のジェラルド・ジェンタとダニエル・ロートのムーブメントも製造している。

2. GG-001からGG-002、そしてSO13.01へ

直接の源流は、LFTが再興したジェラルド・ジェンタ・ブランドのキャリバーにある。2023年、復活第1作としてオンリーウォッチ向けの一点物が発表された。搭載されたGG-001は、2本ハンマーのミニッツリピーターにジャンピングアワーとレトログラード分を組み合わせた手巻である。21,600vph (3Hz)、80時間という骨格は、この時点で示されていた。

2025年には、時分表示のリピーターGG-002が登場する。直径32.4mm、厚さ5.46mm、32石の構成である。LFT SO13.01は同じ直径のまま厚さ6.81mm、48石となった。複数の専門誌は、GG-002を基礎に瞬時表示の機構を加えたものと見ている。ブリッジ配置や八角形のガバナー受けも共通する。起動スライドの機構は、ケースのラグに組み込むため再設計されたとされる。

3. エスカルに託された鳴り物

2026年1月のLVMHウォッチウィークで、LFT SO13.01はエスカルの新作リピーター(Ref. W3PGA0)とともに公開された。エスカルのリピーターとしては、2015年のワールドタイム・ミニッツリピーターが先行例にあたる。同作はラグを起動用のボルトに転用し、ホームタイムを打鐘する仕様であった。

新作はワールドタイムに代えて瞬時時表示を選び、起動スライドをトランク金具を模したラグに溶け込ませた。ルイ・ヴィトン自身も、本作を2つのメゾンの個性を交差させた作品と位置づけていると報じられている。

4. 業界における位置

ミニッツリピーターは、永久カレンダーやスプリットセコンド・クロノグラフと並ぶ古典的な高度複雑機構である。専門誌では、後2者が工業生産に適応した一方、リピーターは音の調整に人の手を要する領域として残ると論じられている。ジャンピングアワーとの組み合わせは、アール・デコ期を想起させる古典的な取り合わせと評される。その一方で、腕時計では希少な構成と見る専門誌もある。

同一グループ内の複数ブランドが基幹キャリバーを分け合う手法は、業界では珍しくない。専門誌SJXは、ジェンタ向けに開発された設計をほぼ踏襲している点を指摘する。LFT SO13.01は、単独ブランドの自社製とも汎用品とも異なる、グループ内工房による共有設計のキャリバーである。

04 — MECHANISM

技術解説

Technical breakdown

基本構成

LFT SO13.01は、直径32.4mm、厚さ6.81mmの手巻ムーブメントである。部品数は432点、石数は48石を数える。ミニッツリピーター、ジャンピングアワー(瞬時時表示)、レトログラード分表示の3機能を一体に収める。

振動数は21,600vph (3Hz)で、テンプ(時計の調速を担う往復運動の輪)は1秒間に3往復する。現代の自動巻に多い4Hzに比べ、部品の摩耗と消費エネルギーを抑えやすい振動数とされる。パワーリザーブは80時間に達する。

調速機構

脱進機(テンプの往復に合わせて輪列の回転を少しずつ解放する機構)は、部品を肉抜きして軽量化されている。慣性を減らし、限られた動力を効率よくテンプへ伝える狙いと見られる。

テンプはフリースプラング(Free-sprung)方式である。緩急針を持たず、テンプの慣性モーメントを変えて歩度を合わせるため、衝撃による調整値のずれが起こりにくい。テンプ受けでは、ヒゲゼンマイ(テンプを往復させる渦巻きばね)の外端を保持するヒゲ持ちがネジで固定されている。

ミニッツリピーター

ミニッツリピーター(Minute Repeater)は、操作に応じて時・15分・分を音で知らせる機構である。一般的な構成では、スネイル(時刻を段差として刻んだカム)をラックで探り、低音と高音のゴングを2本のハンマーで打ち分ける。時は低音、15分は2音の連打、分は高音で鳴る。

起動はケース側面のスライドで行う。スライド式リピーターでは、この操作で打鐘専用のゼンマイを巻き上げるのが通例である。打鐘の速さは遠心ガバナー(回転する錘の遠心力で速度を一定に保つ調速器)が制御する。錨型の調速器に比べて作動音が小さく、打鐘の余韻を妨げにくい。ガバナーを保持するブリッジは八角形で、ジェンタが好んだ造形を継いでいる。

瞬時表示と打鐘の同期

時表示はダイヤル6時位置の窓に現れ、正時に一瞬で切り替わる。分針は扇形の目盛りを進み、60分で起点へ戻る。帰零時の動きはダンピング機構で和らげられる。

設計上の難所は、表示と打鐘で時刻を読む系統が分かれる点にある。瞬時表示は一般に、蓄えた力を正時に解放して時ディスクを送る。一方、リピーターは自らのスネイルから時刻を読む。両者の切り替わりがずれると、表示と異なる時刻を打つことになる。59分から正時への境目で両者を一致させるため、組み立て時に精密な調整が求められる。

仕上げ

ハンマーとゴングは黒鏡面仕上げ(ブラックポリッシュ)で、手作業で成形され、耳で聴きながら調律される。ブリッジにはコート・ド・ジュネーブ(Côtes de Genève)の縞模様と手作業の面取りが施される。組み立てと仕上げには4週間以上を要するとされる。ジュネーブ・シールの認証は申請されていないが、ヒゲ持ちの固定方式など同規格に通じる構成が見られると専門誌は指摘する。

05 — CARRIERS

このキャリバーを搭載する 1 本のリファレンス

This caliber appears in 1 references
06 — SOURCES

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

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