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Rolex · Daytona · 2000–2016

Cosmograph Daytona Steel / Black

ロレックス初の自社製クロノグラフCal.4130を搭載し、2000年から16年間生産されたスチールベゼル・デイトナの黒文字盤

116520-0015は、ロレックスが2000年に発表したコスモグラフ デイトナ116520の黒文字盤仕様である。前任の16520は、ゼニスのエル・プリメロを基にしたCal.4030を積んでいた。本機はこれに代えて、ロレックスが自社で開発・製造した初のクロノグラフムーブメント、Cal.4130を搭載する。40mmのスチールケースとタキメーターを刻んだスチールベゼルは前任から受け継ぎ、スモールセコンドは9時から6時へ移った。2016年に後継の116500LNへ役目を譲るまで、約16年間生産された。金属ベゼルを持つスチール製デイトナとしては、執筆時点で最後のRefにあたる。

Ref. 116520-0015
発表年 2000
状態 生産終了
限定 通常生産
コレクション Daytona
カテゴリ クロノグラフ / レーシング
キャリバー 4130
ケース径 40 mm
防水 100 m
関連人物 ハンス・ウィルスドルフ
クロノグラフ
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.09.21
このモデルを比較する
Case · ケース
素材 Stainless Steel
形状 Round
径 40 mm
厚さ 12.4 mm
ガラス Sapphire
裏蓋 Closed
防水 100 m
Movement · ムーブメント
キャリバー 4130
タイプ Automatic
振動数 28,800 bph
石数 44 石
パワーリザーブ 72 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Black
インデックス Stick / Dot
針 Stick
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

1. クロノグラフだけに残っていた課題

1988年に登場した前任の16520は、デイトナに初めて自動巻きを持ち込んだRefである。その心臓部であるCal.4030は、ゼニスのエル・プリメロを基に、ロレックスが多数の改良を加えたものだった。完成度は高く評価されたが、基幹部分を他社製のエボーシュ(ムーブメントの基礎となる半完成品)に頼る構図は変わらない。ほかのオイスター・コレクションがロレックス専用のムーブメントを積む中で、クロノグラフだけがこの点で例外だった。

ロレックスはこの状況を内側から解消する道を選ぶ。1990年代半ばには新しいクロノグラフ機構の特許出願が行われていたと伝わり、開発には約5年を要したとされる。その成果が、2000年に116520とともに世に出たCal.4130である。ロレックスはこのキャリバーを、デイトナのために自社で開発・製造したムーブメントと位置づけている。

2. 変えなかった外装、刷新された中身

116520の世代交代は、外観よりも内部で起きた。40mmのケース径、スチールのタキメーターベゼル、黒と白の2色展開という骨格は16520から引き継がれている。外見は見慣れたままで中身が一新された、と評されることが多いのはこのためである。

一方で、時計としての成り立ちは大きく変わった。ロレックスは部品点数を絞り込んだ構成を強調しており、狙いは信頼性と整備性の向上にあったと読み取れる。デイトナの心臓部を自社の管理下に置いたことで、製造から保守までを一貫して扱える体制が整ったとも言える。

3. 金属ベゼル時代の終章として

116520が後の世代に残したものは、ムーブメントだけではない。この世代で定まったスモールセコンドを6時に置く配置は、後継機にもそのまま引き継がれている。後継の116500LNはケースとCal.4130を受け継ぎつつ、ベゼルを黒いセラミック素材、セラクロムに改めた。結果として116520は、Cal.4130と金属ベゼルを組み合わせた唯一のスチール製デイトナとなった。

Cal.4130はロレゾールの116523やイエローゴールドの116528などにも搭載された。2023年に改良型Cal.4131を積む126500LNが登場するまで、このムーブメントはデイトナの中核を担い続けた。116520は、その23年に及ぶ系譜の最初の1本である。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

ケースは前任の16520から、直径40mmのオイスターケースを受け継ぐ。ねじ込み式のクロノグラフプッシャーと、リューズを守るガードの構成も継承され、輪郭に大きな断絶はない。ベゼルはスチールの無垢材で、400単位まで刻むタキメーター目盛りが直接彫り込まれる。ケースからベゼル、ブレスレットまでが同じ金属の色調でつながる。セラミックベゼルを採用した後継機との、最も分かりやすい違いである。

116520固有の変化が表れるのは、文字盤のレイアウトである。16520では9時位置にあったスモールセコンドが6時位置へ移り、12時間積算計は9時、30分積算計は3時に置かれた。さらに3時と9時のインダイヤルは、両者を結ぶ水平線よりわずかに上へ寄せられている。これらは新しいムーブメントの構造に合わせた配置とされる。

116520-0015の文字盤は光沢のある黒で、インダイヤルも黒地に銀色の縁取りを施す。6時側のインダイヤル上には赤い「DAYTONA」の文字が入り、モノトーンでまとめられた盤面で唯一の色となる。アプライドのバーインデックスは18Kホワイトゴールド製とされ、夜光塗料が充填される。

ブレスレットは3連のオイスターブレスで、センターリンクのみを鏡面に仕上げる。クラスプは不用意な開放を防ぐオイスターロックで、長さを5mm延ばせるイージーリンクを備えた仕様が知られる。

搭載するCal.4130は、コラムホイール(発停を制御する円柱状の歯車)と垂直クラッチを用いた自動巻きクロノグラフである。垂直クラッチは計測開始時の秒針の揺れを抑え、クロノグラフを長時間動かし続けても計時精度への影響が小さい。部品を減らして生まれた空間に大きな主ゼンマイを収め、パワーリザーブは約72時間に達した。振動数は毎時28,800振動 (4Hz)である。前任のCal.4030もエル・プリメロの毎時36,000振動を落として同じ値で使っており、数値上の変化はない。ヘアスプリングには、磁気や温度変化の影響を受けにくいパラクロムが用いられる。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

116520は、2000年春にスイス・バーゼルの国際時計宝飾見本市で発表された。この見本市は、2003年からバーゼルワールドの名で開かれることになる。スチールモデルは黒と白の2種の文字盤で展開され、本機116520-0015は黒文字盤仕様にあたる。白文字盤は116520-0016として並行して生産された。

発表当初のCal.4130には、すでにパラクロム・ヘアスプリングが組み込まれていたとされる。ニオブとジルコニウムを主成分とする合金製で、当時はまだ青い被膜を持たない初期仕様だった。2005年には酸化被膜を厚くした青色のパラクロム・ブルーが登場し、デイトナにも順次採用された。

外装の小変更は、主にコレクターによる個体調査を通じて整理されている。2004年頃には、時分針がやや太いものに改められたとされる。文字盤外周のインナーリングへの刻印、通称ルーレット刻印は、2007年前後に始まったとされる。「ROLEX」の文字が連続して並び、6時位置にはシリアル番号が入る。2010年頃には、他のロレックス製品と同じく、シリアル番号が英数字のランダム方式へ移行している。

2011年頃からの数年間には、文字盤の「COSMOGRAPH」表記がわずかに異なる個体が存在する。末尾3文字の手前だけ字間が広く、コレクターの間では「APH」の通称で識別される。2013年頃には、夜光塗料が緑色に光るルミノヴァ系から、青く光るクロマライトへ切り替わったとされる。

2016年3月のバーゼルワールドで、黒いセラクロムベゼルを備えた後継の116500LNが発表された。116520はこの年に生産を終え、生産期間は約16年に及んだ。


Sources

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

  1. 01 専門メディア Rolex Movements Explained: Every Caliber Worth Knowing 専門メディア · Bob's Watches · 2026.08.15 閲覧 Bob's Watches · 2026.08.15
  2. 02 専門メディア Rolex Movements 専門メディア · Chrono24 Magazine · 2026.08.15 閲覧 Chrono24 Magazine · 2026.08.15
02 — Price history

価格推移

2015–2016 · WatchLedger market index
2015-02-01 · EUR 10,5502016-02-01 · EUR 11,050€10,550€10,675€10,800€10,925€11,0502015-022016-02

出典: WatchBase 観測価格 · 通貨タブ(JPY / USD / EUR)で系列を切替できます。

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03 — Derivatives

同型・派生 Ref

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