旅の名を冠したコレクション
ルイ・ヴィトンは1854年にトランク製造から出発した会社であり、時計づくりに踏み出したのは2002年、ドラム型のTambourからである。当初は外部のムーブメントに頼っていたが、自社の技術基盤を求めて2011年に複雑機構の専業工房 La Fabrique du Temps を統合した。ミシェル・ナヴァスとエンリコ・バルバジーニが2007年に設立したこの工房は、独自のワールドタイムや複雑機構の設計を担う心臓部となった。
その体制が整って最初に世へ問われた新コレクションがEscaleである。フランス語で「寄港地」を指すこの名は、旅を主題とする同社の時計観を一語で示していた。トランクの旅という記憶を、いかに腕時計へ翻訳するか。Escaleはその問いから生まれた。