ビッグデート
一の位と十の位を別々の部品で示し、大きな2つの窓で日付を読ませる暦の表示
- CLASS
- カレンダー · 暦機構
- 搭載モデル
- 11 本
概要
ビッグデート(Big Date)は、日付を通常より大きく表示するための暦の機構である。1枚の円盤に1から31の数字を並べる通常の日付では、数字を大きくしにくい。ビッグデートは一の位と十の位を別々の部品に分け、2つの窓に並べて示すことで、この制約を避ける。A.ランゲ&ゾーネは自社の方式を「アウトサイズデイト」と呼び、ドレスデンのゼンパー・オペラハウスの五分時計に着想を得て、1994年10月24日にランゲ1で初めて披露した。同社は、同じ大きさの時計に比べて数字を約3倍の大きさで示せると説明している。
仕組み・原理
単一の円盤の限界
通常の日付表示は、外周に1から31の数字を並べた円盤を1枚使い、文字盤の窓から1つをのぞかせる。31に分けた円周に数字を並べる以上、1つの数字に割ける幅には限りがあり、円盤の直径も文字盤に収まる範囲でしか大きくできない。
2つの部品に分ける
ビッグデートは、日付を一の位と十の位に分けて表示する。WorldTempusによれば、ランゲのアウトサイズデイトは、一の位の円盤と十の位の十字形の部品という2つの部品からなり、両者は重なって回る。十の位の十字は10日ごとに1つ進むが、「3」が見えているときだけは、30日と31日の2日の後に進む。
A.ランゲ&ゾーネは、この仕組みによって、同じ大きさの時計に比べて約3倍の大きさの数字で日付を示せると説明している。一方、同社の別の資料では、通常の方式に比べて5倍の大きさとしており、倍率の言い方には幅がある。
瞬時の切り替え
同社によれば、2015年にランゲ1に載った手巻のキャリバーL121.1は、アウトサイズデイトを真夜中に瞬時に切り替える。2つの部品を一度に送るには相応の力が要るため、切り替えの方式は機械の設計によって異なる。日付は10時位置のプッシャーで素早く修正できる。
歴史
ゼンパー・オペラハウスの五分時計
A.ランゲ&ゾーネによれば、1841年4月12日、ドレスデンの宮廷劇場(ゼンパー・オペラハウス)が開場した。その舞台の上には、時計師ヨハン・クリスティアン・フリードリヒ・グートケスが作った五分時計が据えられた。文字盤も針も持たず、2つの窓の枠の中に、数字を印刷した布張りの2つの円筒で時刻を示す時計である。グートケスは、共同経営者でのちに義理の息子となるフェルディナント・アドルフ・ランゲら職人たちとともに、この時計を設計し作り上げた。
同社によれば、劇場と時計は28年後に火災で失われ、1878年に献堂された新しい建物のために、グートケスの元の職人ルートヴィヒ・トイブナーが元の時計にならった新しい舞台の時計を作った。第二次世界大戦で破壊されたオペラハウスの再建では、新しい五分時計も作られている。
1994年のランゲ1
同社によれば、五分時計の目立つ時刻表示は、ランゲ1のアウトサイズデイトに着想を与えた。フェルディナント・アドルフ・ランゲの曾孫で、グートケスの玄孫にあたるウォルター・ランゲが、1994年10月24日にドレスデンの王宮でランゲ1を披露した。Monochromeは、当時の時計のほとんどが中央の針と小さな日付窓を持っていたのに対し、ランゲ1は中心を外した時分の文字盤、小秒、大きな日付、大きなパワーリザーブ表示を備えていたと書いている。
広がり
WorldTempusは、ランゲのアウトサイズデイトが一つの潮流を生み、多くの著名なマニュファクチュールが大きな日付表示を文字盤に載せるようになったと書いている。ランゲは、ランゲ1のほかサクソニア・アウトサイズデイトなどにもこの表示を用いている。
代表的な実装
A.ランゲ&ゾーネのランゲ1は、アウトサイズデイトの起点となった時計である。1994年の登場以来、非対称の文字盤の構成とアウトサイズデイトが、この時計の顔となっている。2015年からは手巻のキャリバーL121.1を積み、アウトサイズデイトが真夜中に瞬時に切り替わる。
同じランゲのサクソニア・アウトサイズデイトは、中心の時分の表示にアウトサイズデイトを組み合わせた、より簡潔な構成の時計である。
ランゲ以外にも、大きな日付を文字盤に載せるブランドは多い。WorldTempusが書くように、ランゲのアウトサイズデイトはその潮流の起点の一つとみなされている。
この機構を搭載する 11 本のモデル
出典
本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。
- 01 公式 The time in five-minute increments | A. Lange & Söhne
- 02 公式 Time well spent | A. Lange & Söhne
- 03 専門メディア A. Lange & Söhne Lange 1 - REVIEW with exclusive photos, history, price and specs - Monochrome Watches
- 04 専門メディア Lange 1, mythos and inspiration | Worldtempus
- 05 専門メディア The Origins of the A. Lange & Söhne Outsize Date | Worldtempus