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Blancpain · L-Evolution

L-Evolution Chronographe Flyback a Rattrapante Grande Date White Gold

2012年に登場した、ラトラパンテを備えるL-エボリューションの複雑クロノグラフ。レースの道具立てを白金とカーボンで仕立てた一本である

2012年のバーゼルワールドで発表された、ブランパン L-エボリューションのスプリットセコンド・フライバッククロノグラフである。18Kホワイトゴールドとカーボンを組み合わせた43mm径ケースに、自社製Cal.69F9を搭載する。ラトラパンテ(スプリットセコンド)とフライバック、6時位置のラージデイトを備える。ブランパンがGTレースとの関係を深めた時期に生まれたL-エボリューションR系の一本で、競技の意匠を貴金属で仕立てた性格を持つ。

Ref. 8886F-1503-52B
限定 通常生産
コレクション L-Evolution
カテゴリ クロノグラフ
キャリバー 69F9
ケース径 43.5 mm
防水 100 m
関連人物 ジェアン=ジャック・ブランパン / ジャン=ジャック・フィヒター
クロノグラフ フライバック ラトラパント デイト ビッグデート
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.06.09
このモデルを比較する
Case · ケース
素材 White Gold, Carbon
形状 Round
径 43.5 mm
厚さ 16.04 mm
ガラス Sapphire
裏蓋 Open
防水 100 m
Movement · ムーブメント
キャリバー 69F9
タイプ Automatic
石数 44 石
パワーリザーブ 40 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Black
インデックス Mixed
針 Alpha
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

レーシングの時代に生まれた一本

ブランパンは1735年創業の古典的なマニュファクチュールであり、その伝統はヴィルレ・コレクションに最も色濃い。一方でL-エボリューションは、その対極に置かれた現代的で挑発的なラインである。モジュラー構造のケースは素材と仕上げの自由な組み合わせを前提とし、層を成すダイヤルに視線を誘う。

本機が世に出た2012年前後、ブランパンはGTレースとの結びつきを深めていた。2009年にランボルギーニとスーパートロフェオを立ち上げ、その後もGTレースへの関与を広げたとされる。この流れの中で、レースを主題化したモデル群がL-エボリューションRと呼ばれた。8886F-1503-52Bは、その文脈で生まれた複雑時計である。

なぜスプリットセコンドだったか

ラトラパンテ(スプリットセコンド)は、重なり合う2本の秒針で並行する時間を計る機構である。一方の針を止めて区間タイムを読み、再び動く針へ瞬時に追いつかせる。複数の車のラップを計るレースの現場と、機構の論理はよく噛み合う。本機はこれにフライバックを重ね、1度の操作で計測のやり直しを可能にした。搭載するCal.69F9は、この二つの機構とラージデイトを束ねるために設計された自社製ムーブメントである。つまり本機は、意匠だけでなく機構によってもレースを語ろうとした。

白金で仕立てるという選択

同じCal.69F9と意匠は、2012年にホワイトゴールド(本機)とレッドゴールド(8886F-3603-52B)で発表され、のちにチタン(8886F-1203-52B)版も加わったとされる。レースの道具としての軽さを求めるならチタンが理にかなう。それでも本機が18Kホワイトゴールドをまとう点に、このRefの性格がある。カーボンという競技の素材と、白金という静かな貴金属。その落差こそが、スポーツの文脈を別の角度から照らし返す。

派生と後続

L-エボリューションRの中核は、ラトラパンテを持たないフライバッククロノグラフ・ラージデイトであり、本機はその「極めて技術的な」派生として位置づけられる。L-エボリューションはその後、現行ラインから退いた。本機は、ブランパンがレースに最も接近した時代を映す複雑時計として残る。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

本機の身体は、相反する2つの素材で構成される。ケースバンドとラグはサテン仕上げの18Kホワイトゴールド、ベゼルとケースバックはカーボンファイバーである。径は43mmで、厚みは16mm を超えるとされる。スプリットセコンドとフライバックを束ねたCal.69F9の背の高さが、そのまま腕の上の存在感に変わっている。ラグ幅は23mmと広く、ケースと一体で構えるような佇まいを生む。

ダイヤルは黒いカーボンを複数層で組み、奥行きのある表情をつくる。黒地に差す赤は、9時と12時のインデックスやストラップのステッチにも用いられ、計器のような緊張感を与える。6時位置のラージデイトは2つの窓を並べ、デジタル風の書体で日付を示す。9時位置のカウンターはランボルギーニのエンブレムを思わせる造形を取る。

操作系にも競技の語彙が宿る。クロノグラフのスタート/ストップ・プッシャーは赤く差し色され、8時位置のラトラパンテ用プッシャーは給油口を模した形を取る。中央には重なり合う2本のクロノグラフ針が走る。

サファイアのケースバックからは、自動巻きローターが覗く。そのローターは自動車のホイールを模した造形で、レースとの関係を裏側でも語る。Cal.69F9は409部品・44石からなり、40時間を駆動し、コラムホイールと垂直クラッチが計時の始動を滑らかに整える。ストラップは黒いアルカンターラにカーボンを差し込み、カーボンを嵌め込んだフォールディングバックルで留める。バックルの造形は車のフロントグリルを思わせる。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

8886F-1503-52Bは、2012年のバーゼルワールドで発表された。レースを主題に据えたL-エボリューションR系の複雑モデルとして披露され、限定ではなく通常生産として供給された。発表時には同一のCal.69F9と意匠を、本機の18Kホワイトゴールドに加え、18Kレッドゴールドの8886F-3603-52Bでも展開している。チタンの8886F-1203-52Bも存在するが、投入の時期については資料により揺れがある。

本機の登場は、ブランパンがGTレースへ接近した時期と重なる。2009年のランボルギーニ・スーパートロフェオに始まる流れが、その背景にあった。同社のマーケティング責任者アラン・ドラムラズは、本機がモータースポーツへの関与から着想を得たと述べている。2012年7月には、日本でのスーパートロフェオ・アジア開幕に合わせて本機が披露され、日本では同年内の発売が予定された。L-エボリューションはその後、現行カタログから姿を消した。本機もまた、現在は新品の正規流通からは退いている。


Sources

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

  1. 01 専門メディア Blancpain presents L-evolution Split Seconds Flyback (…) 専門メディア · Europa Star · 2026.10.11 閲覧 Europa Star · 2026.10.11
  2. 02 専門メディア BLANCPAIN(ブランパン) L-エボリューション"スプリットセコンド フライバック クロノグラフ ラージ デイト" page2 | Gressive 専門メディア · Gressive · 2026.10.11 閲覧 Gressive · 2026.10.11
  3. 03 専門メディア L-EVOLUTION Chronographe Flyback à Rattrapante | Worldtempus 専門メディア · Worldtempus · 2026.10.11 閲覧 Worldtempus · 2026.10.11
  4. 04 専門メディア The transformations of the L-evolution | Worldtempus 専門メディア · Worldtempus · 2026.10.11 閲覧 Worldtempus · 2026.10.11
02 — Derivatives

同型・派生 Ref

Color · material · bracelet variants