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Panerai · Radiomir 1940 · 2016

Radiomir 1940 3 Days Acciaio Boutique Blue

2016年発表、ブティック限定500本のRadiomir 1940。青サンレイ文字盤と金色針を纏った47mmスチール特別版

PAM00690は、2016年7月にPaneraiが発表したRadiomir 1940 3 Days Acciaioのブティック限定特別版である。47mmのスティール製クッションケースに、サンレイ仕上げの青文字盤、金色のメッキ針、エクル色のSuper-LumiNovaを組み合わせる。直接の前任PAM00587が黒文字盤・プレキシガラスの軍用復刻路線を採ったのに対し、本機はクリスタルをサファイアに置き換え、Paneraiブティック専売・500本のSpecial Editionとして送り出された。ムーブメントは自社製手巻きCal. P.3000、72時間のパワーリザーブを備える。

Ref. PAM00690
発表年 2016
状態 現行品
限定 限定 500
コレクション Radiomir 1940
カテゴリ ミリタリー
キャリバー P.3000/1
ケース径 47 mm
防水 100 m
関連人物 ジョヴァンニ・パネライ / グイド・パネライ
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.05.24
このモデルを比較する
Case · ケース
素材 Stainless Steel
形状 Cushion
径 47 mm
ガラス Sapphire
裏蓋 Open
防水 100 m
Movement · ムーブメント
キャリバー P.3000/1
タイプ Handwound
石数 21 石
パワーリザーブ 72 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Blue
インデックス Mixed
針 Stick
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

1. 2016年のPaneraiと「黒以外」への踏み出し

2016年、Paneraiは明確にブランドの軸足を動かそうとしていた。同じ時期には薄型ケースのLuminor Dueも登場し、軍用ダイバーズの復刻一辺倒から、より日常的・装飾的な装いへ幅を広げ始めた時期である。文字盤の色はその象徴的な現れであった。黒と茶を主軸としてきたPaneraiが、青、白、グリーンを系統的に展開し始めるのがこの数年であり、PAM00690はその青の代表として送り出される。

同年7月、Paneraiはメタリックな青文字盤の限定版を四本まとめて発表した。本機はその一翼を担うRadiomir 1940 3 Daysであり、47mmスチールケースに鮮やかなsatiné soleil(サテン仕上げのサンレイ)の青文字盤を据えている。Paneraiが「Special Edition」と呼ぶこの形式は同社における標準的な限定方式であり、世界各地のPaneraiブティックでのみ取り扱われた。

2. PAM00587の延長線上で

47mmスチールのRadiomir 1940 3 Daysという骨格そのものは、2016年時点で既にPaneraiが手にしていた構成であった。直接の前任は2014年発表のRadiomir 1940 Marina Militare 3 Days(PAM00587)である。PAM00587は1000本限定、ヴィンテージ復刻の黒サンドイッチ文字盤に「Marina Militare」の刻印、ドーム型プレキシガラスを纏った軍用色の濃い特別版だった。

PAM00690はこの構成を引き継ぎながら、性格を反転させている。文字盤は黒ではなく青のサンレイ、針は素材色ではなく金色、クリスタルはプレキシガラスではなくサファイア。生産数は半分の500本に絞り、流通もブティック限定に閉じた。「Marina Militare」のような軍用署名は文字盤から消え、代わりに「OFFICINE PANERAI」「RADIOMIR」「3 DAYS」だけが静かに置かれる。ヴィンテージ復刻ではなく、Radiomir 1940の様式を借りた現代的なエレガンス表現としての特別版だった。

3. Radiomir 1940系列の終盤期に

Radiomir 1940ケース自体は2012年にPAM00398(赤金)とPAM00399(スチール)で導入され、2010年代を通じてPaneraiの三本柱(Radiomir、Radiomir 1940、Luminor 1950)の一翼を担った。PAM00690が登場した2016年は同系列の成熟期にあたる。

PAM00690の後、青サンレイ文字盤は他のPanerai機にも繰り返し採用され、青の文字盤色は同社の標準パレットの一つとして定着した。一方で「Radiomir 1940」という独立した名称の系列としては、本機を含む2010年代後半の特別版群が事実上の終盤に位置する。47mmスチールの3デイズという同一構成の中で、PAM00690は最も装飾性に踏み込んだ一本であり、軍用復刻ではない方向へPaneraiが舵を切った時期を象徴する個体である。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

ケースはRadiomir 1940のシルエットを踏襲する。直径47mmという寸法は、Paneraiが1940年代に手掛けた個体の系譜を意識した寸法である。ラグはケースと同じ鋼塊から削り出された一体構造で、初期Radiomirのワイヤーラグとも、後のLuminor 1950のリューズプロテクター付きケースとも異なる、移行期の意匠を再現している。リューズは円筒形でクラウンガードを持たない。前面ガラスはドーム型サファイアクリスタル、裏蓋もサファイアの透視式で、内部のムーブメントを観察できる。

文字盤の処理が本機を青文字盤4本シリーズの中で最もPaneraiらしい存在に位置づけている。サンドイッチ構造を採り、Super-LumiNovaを塗布した下層プレートを、インデックス位置を切り抜いた上層プレートが覆う。上層プレートにはsatiné soleil(放射状のサンレイ仕上げ)が施され、深いブルーが光を放射状に拡散する。インデックスは12・3・6・9にアラビア数字、その他はバーマーカーで、いずれも下層の夜光がくり抜きを通して浮かび上がる。針は金色のメッキ仕上げで、夜光はエクル(生成り色)のSuper-LumiNovaを採用する。これは経年したラジウム塗料の色味を狙った選択であり、青文字盤に対して暖色を当てることで、夜光部分が浮き上がる効果を生む。9時位置にはスモールセコンドが配される。

ストラップはAssolutamenteと呼ばれるタン(淡い茶)の牛革で、早くパティナが出るよう処理されており、使用に伴って急速に色が深まる。

ムーブメントはPanerai自社製のCal. P.3000である。本機に搭載されるのは、輪列を一本のブリッジで覆う第一世代のP.3000で、トロピカル文字盤のPAM00662・PAM00663で初登場したブリッジ分割型の第二世代とは異なる。往年のパネライが積んだ懐中時計用ムーブメントを、パネライ流に解釈した大型の機械である。手巻き、毎時21,600振動(3Hz)、21石、2本のゼンマイ香箱を直列に配して約72時間のパワーリザーブを得る。直径16½リーニュ、厚さ5.3mm、Glucydur®製の大型テンプを二本支持の橋で固定し、自由がけヒゲゼンマイとIncabloc®耐震装置を備える。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

2016年7月、Paneraiはブティック限定の青文字盤特別版4本を一斉に発表した。同シリーズはLuminor 1950のGMT機などとともに構成され、本機Radiomir 1940 3 Days Acciaio(PAM00690、47mm、500本)はその一本である。いずれもメタリックな青文字盤で、ダークブルーに塗装された桜材の木箱で統一されていた。本機は、2014年のWatches and Wondersで1,000本限定として登場したRadiomir 1940 Marina Militare 3 Days(PAM00587)を、より装飾的に仕立て直した一本と評された。PAM00587は最初のRadiomir 1940を写した復刻で、ドーム型プレキシガラスと刻印入りのサンドイッチ文字盤を持ち、予備のプレキシガラスを添えて供給されていた。

その後Paneraiは2020年前後に製品系列を大幅に再編し、「Radiomir 1940」という名称自体をカタログから外す。47mmケースの厚いラグを持つ後継製品はその後「Radiomir」へと統合され、PAM00690は限定生産モデルとしてその役割を終えた。現在は新品流通から完全に退いている。


Sources

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

  1. 01 専門メディア Hands-On with the Panerai Radiomir 1940 Blue Dial Special Edition PAM690 専門メディア · SJX Watches · 2026.10.12 閲覧 SJX Watches · 2026.10.12
  2. 02 専門メディア W&W 2014: Introducing The Panerai Radiomir 1940 Marina Militare 3-Days PAM587 (With Specs And Price) 専門メディア · SJX Watches · 2026.10.12 閲覧 SJX Watches · 2026.10.12
02 — Price history

価格推移

2016 · WatchLedger market index
2016-07-26 · EUR 8,900€8,250€8,500€8,750€9,000€9,250€9,5002016-072016-07

出典: WatchBase 観測価格 · 通貨タブ(JPY / USD / EUR)で系列を切替できます。

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03 — Derivatives

同型・派生 Ref

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