用語 / TERM · Balance Wheel
テンプ
機械式時計の調速機を構成する輪状の振動部品。ヒゲゼンマイと組み、規則的な振動で時を刻む
テンプ(Balance Wheel、別名:天輪)とは、ヒゲゼンマイと組み合わさって機械式時計の調速機を構成する、輪状の振動部品である。中心軸であるテン真と輪状のテン輪、螺旋状のヒゲゼンマイが一体で動作し、左右への往復回転を繰り返すことで計時の基準を生み出す。
脱進機から伝わるエネルギーで振動を維持し、その規則的な周期が時計の精度を決定づける。現代の機械式時計では毎時28,800振動(8振動)が一般的で、より高振動・低振動の設計も存在する。
携帯時計におけるヒゲゼンマイ付きテンプの実用化は、1675年頃にクリスティアーン・ホイヘンスがおこなったとされるが、ロバート・フックも独自に類似の機構を考案しており、発明者については諸説ある。これにより懐中時計の精度は飛躍的に向上した。
精度の調整方式には、ヒゲゼンマイの有効長を変える緩急針方式と、テン輪のマスロットやネジで慣性モーメントを変えるフリースプラング方式の二系統がある。素材にはGlucydur(グルシデュール)などのベリリウム銅合金が長く用いられ、近年はシリコン製ヒゲゼンマイとの組み合わせも広がる。