1940年、ケースを「一体削り出し」にする
1930年代後半、Officine Paneraiはイタリア王立海軍(Regia Marina)の特殊潜入隊員に向けて、ラジオミールの最初期プロトタイプを納入していた。直径47mmのクッション型ケース、Rolex製の手巻きムーブメント、ラジウム塗料の文字盤。これらは1936年のRef. 3646として知られる初期構成であり、ストラップ取付部(ラグ)は、線材を曲げてケース側面に溶接した「ワイヤーラグ」が用いられていた。
しかし作戦行動が苛烈さを増すにつれ、この溶接ラグは脆弱性が指摘されるようになる。1940年前後、フィレンツェのパネライ工房は新たなケース構造を完成させる。ラグをケース本体と同じ一つの鋼塊から削り出し、両者を分離できない一体構造として作るというものであった。クッション形状はやや穏やかになり、リューズは円錐型から円筒型へ、ケース厚は約15mmから17mm近くへと増した。これが今日「1940ケース」と呼ばれる原型である。