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TERM · 用語 · ハ行

ヒゲゼンマイ

Hairspring

テンプに弾性復元力を与え、振動周期を一定に保つ渦巻きばね。機械式時計の精度を決定づける調速部品

DEFINITION · 定義

ヒゲゼンマイ(Hairspring、テンプ髭)とは、テンプ軸に内端を、受け側に外端を固定した極細の渦巻きばねで、その弾性復元力とテンプの慣性によって振動周期を一定に保つ調速部品である。機械式時計の精度を最終的に決定づける中核要素である。

クリスチャン・ホイヘンスが1675年に発表したのが起源とされるが、英国のロバート・フックも先行を主張しており、発明の優先権には議論がある。その後、ジョン・アーノルドが円筒ひげの両端に曲線を付けて伸縮を改善し、アブラアン=ルイ・ブレゲがこれを平ひげに応用して、最外周を持ち上げる「ブレゲひげ(オーバーコイル)」を生んだ。考案は1795年とされる。

形式の異なる渦巻きばねを並べた図
ヒゲゼンマイの主な形式。左から平ひげ、ブレゲひげ(巻き上げひげ)、クロノメーター用の円筒ひげ、初期の形Frederick J. Britten and Harry L. Nelthropp / パブリックドメイン — Wikimedia Commons

素材は鋼に始まり、シャルル=エドゥアール・ギヨームが開発したエリンバーを経て、1930年代初めにラインハルト・シュトラウマンが温度変化に強いニヴァロックス(Nivarox)を開発した。ニヴァロックスはその後もっとも広く使われる合金となり、2009年時点で機械式時計の約9割に用いられていた。2000年以降は耐磁性を高めた新素材が広がり、2000年に登場したとされるロレックスのパラクロム(ニオブとジルコニウムの合金)、ユリス・ナルダンが最初に発表したシリコン製、ニヴァロックス社がオーデマ ピゲと共同開発したニヴァクロン(Nivachron)などがある。

— SOURCES

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

  1. 01 専門メディア A Technical Perspective - A Guide To The Hairspring 専門メディア · Monochrome Watches · 2026.10.10 閲覧 Monochrome Watches · 2026.10.10
  2. 02 専門メディア Hairsprings: Origins, Progress, And (Dare I Say) Exciting Future 専門メディア · Quill & Pad · 2026.10.10 閲覧 Quill & Pad · 2026.10.10
  3. 03 専門メディア Insight: The Overcoil Hairspring, From Breguet to Phillips 専門メディア · SJX Watches · 2026.10.10 閲覧 SJX Watches · 2026.10.10