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TERM · 用語 · サ行

サファイアクリスタル

Sapphire Crystal

腕時計の風防に用いられる合成コランダム。モース硬度9の傷つきにくさを持つ

DEFINITION · 定義

サファイアクリスタル(Sapphire Crystal、別名:サファイアガラス)とは、人工的に合成したコランダム(酸化アルミニウムの単結晶)を加工して作られる、腕時計の風防に用いられる素材である。「サファイアガラス」の呼称も広く使われるが、結晶構造を持つ単結晶であり、非晶質のガラスとは厳密には異なる。

天然サファイアと同じ結晶構造を持ち、モース硬度は9。ダイヤモンドに次ぐ硬さで、日常使用における擦り傷をほぼ受け付けない。一方で素材としては脆く、強い衝撃で割れやすい性質を持つ。アクリル風防のように研磨で傷を消すことができず、損傷時は交換が前提となる。

合成サファイアの工業生産は、フランスの化学者オーギュスト・ヴェルヌイユ(Auguste Verneuil)が1902年に公表した火炎溶融法(ベルヌーイ法)を起点とする。開発自体は1880年代にさかのぼるとする資料もある。現在はチョクラルスキー法など、より大型の単結晶を育成する手法も用いられる。

腕時計への採用は、1920年代末から1930年代初めのジャガー・ルクルト「レベルソ」が最初期の例とされる。1950年代にはオメガが散発的に用いたが、使用はまれなままだった。1970年代に入ると、ロレックスがクオーツ機の Ref. 5100 を皮切りに採用を広げ、1978年の シードゥエラー 16660 でスポーツモデルにも用いた。これを受けて高級ブランドが順次採用を進め、現代の機械式時計では風防の標準素材となった。

光の反射を抑える無反射(AR)コーティングを施す仕様も広く見られる。内側のみに施す構成や、両面に施すダブルARなど、ブランドや用途により仕様は異なる。

— SOURCES

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

  1. 01 報道 Verneuil process 報道 · Encyclopaedia Britannica · 2026.08.15 閲覧 Encyclopaedia Britannica · 2026.08.15
  2. 02 専門メディア A Comprehensive Guide to Watch Crystals - History, Types, Advantages, and Disadvantages 専門メディア · Monochrome Watches · 2026.10.15 閲覧 Monochrome Watches · 2026.10.15
  3. 03 専門メディア The ABCs of Time: All About the Different Crystals Used in Watches Today 専門メディア · Monochrome Watches · 2026.10.15 閲覧 Monochrome Watches · 2026.10.15