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Omega · Speedmaster Moonwatch · 2014–2021

Speedmaster Professional Moonwatch Big Box / Bracelet

3570.50の頭部をそのまま継ぎ、新番号とビッグボックスを得て2014年に登場した、Cal.1861世代最後の標準ムーンウォッチ

スピードマスター・ムーンウォッチ・プロフェッショナル311.30.42.30.01.005は、2014年登場の標準ムーンウォッチである。前任3570.50から、42mmの非対称ケース、ヘサライト(アクリル系樹脂)風防、ソリッドケースバック、手巻のCal.1861を受け継ぐ。改められたのはブレスレットの連結構造と、NATOストラップなどを収めた大型の付属ボックスである。時計の姿を変えず、付属品で月面史を語らせた点に本Refの性格がある。2021年1月に310.30.42.50.01.001が発表されるまで、1861世代の標準機の座にあった。

Ref. 311.30.42.30.01.005
発表年 2014
状態 生産終了
限定 通常生産
コレクション Speedmaster Moonwatch
カテゴリ クロノグラフ
キャリバー 1861
ケース径 42 mm
防水 50 m
関連人物 ルイ・ブラント
クロノグラフ
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.09.22
このモデルを比較する
Case · ケース
素材 Stainless Steel
形状 Round
径 42 mm
ガラス Plexi
裏蓋 Closed
防水 50 m
Movement · ムーブメント
キャリバー 1861
タイプ Handwound
振動数 21,600 bph
石数 18 石
パワーリザーブ 48 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Black
インデックス Stick / Dot
針 Stick
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

1. 番号体系への合流

1996年以来、ヘサライト風防の標準ムーンウォッチは3570.50の番号で作られてきた。一方でオメガは、2007年頃から14桁のリファレンス体系を導入したとされる。スピードマスターでも、同じ外装とムーブメントを共有する記念モデルや特別仕様が、先に新番号を名乗っていた。

ただし、定番の標準仕様は旧来の8桁番号のまま残された。その定番が新体系に合流したのが本Refである。311はコレクション、続く30はスチールケースとブレスレット、42はケース径を表すと説明される。末尾の005は、先行した特別仕様の001から004に続く位置にある。番号そのものが、標準機が最後に体系へ加わった経緯を物語っている。

2. 変えなかった頭部、変えた周辺

時計本体は、3570.50からほぼそのまま引き継がれた。ケースもダイヤルもムーブメントも、前任と同じ構成である。変更はブレスレットの構造と、付属品の内容に絞られた。

とりわけ目を引いたのが付属品である。大型のボックスには、NATOストラップと宇宙飛行士用のベルクロストラップが収められた。ブレス交換用の工具や、スピードマスターの歩みをたどる書籍も付く。愛好家の間で「ビッグボックス」と呼ばれるのはこのためである。ベルクロストラップは、宇宙服の上から時計を着けるためにアポロ計画で用いられた形式に由来するとされる。

時計を変えずに、周辺で月面史を語らせる。本Refの新しさは、製品そのものではなく見せ方の転換にあった。長く同じ姿で作られてきた計器を、来歴ごと手渡すための演出と読むことができる。

3. Cal.1861世代の最終走者

本Refと並行して、サファイア風防とディスプレイバックを備えた兄弟機311.30.42.30.01.006が展開された。レザーストラップ仕様の311.33.42.30.01.001も加わり、1861世代の標準ラインはこの番号群で構成された。

生産期間の後半には、後継キャリバーが限定モデルで姿を見せ始める。量産ムーンウォッチへの展開は時間の問題とみられていた。そして2021年、310.30.42.50.01.001が後を継ぐ。後継は段付きダイヤルと、90の数字の上にドットを置く「ドット・オーバー・ナインティ」のベゼルを復活させた。

裏を返せば、後継が改めた箇所こそが1861世代の顔であった。本Refはその構成を最後まで変えずに走り切った。四半世紀続いた仕様の終着点として、系譜の中で固有の位置を占めている。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

本Refの外装は、3570.50から受け継いだ1861世代の骨格そのものである。非対称ケースはリューズガードを備え、ねじれを帯びたリラ型のラグへと続く。厚みはおよそ14mm台とされ、後継の310.30.42.50.01.001では13.58mmへ、ラグ・トゥ・ラグも47.5mmへ詰められた。差はわずかだが、本Refには旧世代のやや長く厚みのあるプロポーションが残る。

風防はアクリル系樹脂のヘサライトで、周縁に向かってなだらかなドームを描く。斜めから覗くとインデックスがわずかに歪むのは、この素材と形状ゆえである。表面の擦り傷は研磨で目立たなくできる。裏蓋はソリッドのステンレススチールで、縁の面取りは一段にとどまる。後継が1967年以前のヴィンテージに倣う二段ベベルへ戻したのとは対照的である。

ダイヤルは段差のない平坦なマットブラックで、Omegaロゴと銘はプリントで施される。9時位置にスモールセコンド、3時に30分積算計、6時に12時間積算計を置く。外周の秒目盛りは1秒を5分割する刻みである。これは毎秒5振動だったCal.321時代の名残とされ、毎秒6振動の1861とは運針と目盛りが一致しない。後継では、振動数に合わせて3分割の目盛りに改められた。

ベゼルは黒のアルミニウム製インサートにタキメーターを刻む。90の目盛りを示すドットは数字の右脇に置かれ、後継の「ドット・オーバー・ナインティ」と見分ける手がかりになる。

ブレスレットはサテン仕上げを基調に、ポリッシュの面を挟む。コマの連結は、前任で一般的だったピンとチューブの方式から、ネジ留めへと改められた。頭部が同じである以上、3570.50と本Refを物理的に分ける数少ない差分である。

ムーブメントは手巻のCal.1861で、毎時21,600振動 (3Hz)、パワーリザーブは48時間を確保する。Lemania 1873を源流とし、クロノグラフの切り替えをカム機構で制御する。秒針停止機能は持たない。クロノグラフ部の一部に樹脂部品を用いるとされ、金属部品と装飾仕上げを備えた兄弟機のCal.1863と差別化されている。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

311.30.42.30.01.005の前史は、1996年に登場した3570.50にある。Cal.1861を積んだこのRefが、およそ18年にわたって標準のムーンウォッチを担った。その間の2007年、スピードマスター50周年の記念モデルが311.30.42.30.01.001を名乗った。2013年のバーゼルワールドでは、レーシング文字盤の311.30.42.30.01.004も発表されている。

本Refは2014年、3570.50の後継として登場した。生産開始は同年7月と記録されており、前任の生産終了も同じ月とされる。同じ2014年には、サファイア・サンドイッチ仕様も3573.50から311.30.42.30.01.006へ切り替わった。生産期間を通じて、ケースやダイヤルの基本仕様に大きな変更はなかったとされる。

2019年、アポロ11号50周年を記念するムーンシャインゴールドの限定モデルに、Cal.3861が初めて搭載された。同キャリバーは、コーアクシャル脱進機(摩擦を抑えるオメガ独自の脱進機構)を備える。2020年後半には、シルバー・スヌーピー・アワード50周年を記念するモデルにも同キャリバーが用いられた。いずれも特別仕様であり、標準ムーンウォッチの心臓は引き続きCal.1861であった。

2021年1月5日、オメガはCal.3861を搭載する新世代ムーンウォッチを発表した。ヘサライト仕様の後継は310.30.42.50.01.001、サファイア仕様は310.30.42.50.01.002である。この世代交代をもって、本Refは006とともにカタログを退いた。カタログ上の在籍期間はおよそ6年半であった。


Sources

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

  1. 01 専門メディア Omega 311.30.42.30.01.005 : Speedmaster Professional Moonwatch Big Box / Bracelet 専門メディア · WatchBase · 2026.10.15 閲覧 WatchBase · 2026.10.15
02 — Price history

価格推移

2014–2021 · WatchLedger market index
2014-07-16 · EUR 3,9402015-04-15 · EUR 4,2002015-12-22 · EUR 4,3002016-02-17 · EUR 4,3002017-02-04 · EUR 4,3002017-07-18 · EUR 4,3002018-10-12 · EUR 4,3002019-01-03 · EUR 4,6002019-02-25 · EUR 4,6002019-05-01 · EUR 4,7002020-02-20 · EUR 4,7002020-10-01 · EUR 4,9002021-06-21 · EUR 4,900€3,940€4,180€4,420€4,660€4,9002014-072021-06

出典: WatchBase 観測価格 · 通貨タブ(JPY / USD / EUR)で系列を切替できます。

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03 — Derivatives

同型・派生 Ref

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