1957年、計器としてのクロノグラフ
スピードマスターは1957年、オメガが「プロフェッショナル・トリロジー」と呼んだ三本のうちの一本として発表された。同年に並んだのは対磁性能のレールマスター、ダイバーズのシーマスター300、そしてモータースポーツ向けクロノグラフのスピードマスターである。
最初のリファレンスCK2915の核心は、タキメータースケールの位置にあった。当時タキメーターは文字盤外周に印字されるのが一般的だったが、オメガはこれをベゼル上に外置きした。文字盤の情報量が減り、計器のように読めるクロノグラフがここに生まれた。
ムーブメントはレマニア2310をベースとするキャリバー321。コラムホイールと水平クラッチを備え、後年クロノグラフムーブメントの傑作と評される構造をすでに持っていた。広い矢印型針(ブロードアロー)、ステップ加工された黒文字盤、外周タキメーター。シリーズの基本骨格はこの時点でほぼ完成している。