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COMPLICATION · DAY-DATE

デイデイト

Day-Date

曜日と日付という二つの日常の指標を一つの文字盤にまとめた、機械式時計で広く普及した基本的な暦機構

CLASS
カレンダー · 暦機構
搭載モデル
25 本
01 — OVERVIEW

概要

デイデイト (day-date) は、曜日と日付を併せて表示する暦機構である。月の指示を持たないため、暦の複雑機構のなかでは基礎的な「単純カレンダー」に分類される。曜日の表示そのものは天文時計の時代から知られていた。だが、曜日を略さず綴り、日付と並べて窓に示す現代的な形式は、1956年発表のロレックス「デイデイト」によって定着したとされる。日付・曜日とも24時間に1回送られ、機械式・クオーツを問わず、身近な実用機構の一つとして広く採用されている。

02 — PRINCIPLE

仕組み・原理

01二つの暦を時計の歯車から取り出す

機械式時計の輪列は、12時間で1回転する時針の動きを基準に時刻を刻む。デイデイトは、この回転から「24時間に1回」という長い周期を取り出し、曜日と日付という二つの表示を駆動する機構である。

中心となるのは、文字盤の裏側に置かれた日送り車(24時間車)だ。時針の輪である筒車から中間車を介して減速され、24時間でちょうど1回転する。筒車は12時間で1回転するため、中間車がなければ駆動周期は半分になってしまう。この減速こそが、暦を1日に1回だけ進めるための土台である。

日送り車には送り爪が植えられている。1回転するたび、すなわち深夜の前後に一度だけ、この爪が日付の輪と曜日の星車を一段ずつ送る。曜日は7日で一巡し、日付は最大31日まで進む。

02日付の輪と曜日の星車

日付表示を担うのは、文字盤の外周に置かれた日付の輪である。内側に31枚の歯を持ち、1から31の数字が刷られる。送り爪が1歯ぶん回すと、窓に現れる数字が一つ進む。

曜日表示には、7枚の歯を持つ星車が用いられることが多い。星車の上に曜日の円板が重なり、表示が一週ごとに巡る。実用時計には、円板に2言語を交互に刷り、装着者が好みの言語を窓に合わせて使えるようにしたものも多い。ロレックスのデイデイトが多言語の曜日円板をそろえてきたことは、この機構の汎用性をよく示している。

日付の輪も曜日の円板も、送られていない間は位置を保つ必要がある。多くの機構では、歯と歯の谷へばね仕掛けのジャンパー(位置決めばね)が噛み、表示が中途半端な位置で止まるのを防いでいる。

03切り替えの速さと日々の調整

送りの方式には大きく3つある。直接駆動式はジャンパーを使わず、暦の歯が駆動側の歯車と常に噛み合ったまま、深夜の前後に表示がゆっくり移る。半瞬時(セミインスタンタネオス)式は、深夜が近づくと送り爪が歯を押し始め、乗り越えたジャンパーが次の歯の谷へ落ち込むことで数字を一段で切り替える。瞬時(インスタンタネオス)式は、ばねに時間をかけて力を蓄え、深夜に一気に解放して表示を一瞬で送る。

日付と曜日を素早く合わせる早送り機構(クイックセット)を備える時計も多い。ただし、送り爪が暦の歯の間に入り込んでいる深夜前後の時間帯に早送りを行うと、機構を傷めるおそれがある。一般には夜10時から深夜2時ごろまでの操作を避けるのが定石とされ、送り爪を逃がす安全装置を備えた時計もある。

そのうえで、デイデイトはあくまで単純カレンダーである。各月の長さを記憶しないため、31日に満たない月の翌日には、日付を手で送らねばならない。2月・4月・6月・9月・11月の末、すなわち年に5回の修正が欠かせない。一方、曜日は常に7日周期で正しく進むため、修正の対象とならない。年次カレンダーや永久カレンダーと隔てるのは、この点である。

03 — HISTORY

歴史

01暦を指す時計の長い系譜

曜日や日付を指し示す試みは、腕時計よりはるかに古い。17世紀の天文表示を備えた時計には、すでに複雑な暦の機能が組み込まれていた。腕時計に暦表示が持ち込まれたのは、20世紀初頭のことである。

その後、曜日・日付・月を同時に示すトリプルカレンダー(コンプリートカレンダー)の腕時計も各社が手がけた。ロレックス自身も、1949年にムーンフェイズを備えたトリプルカレンダー(Ref. 8171)を出している。曜日の表示は、この時点ですでに腕時計に存在していた。

021956年、形式としての「デイデイト」

現代に続く形式を決定づけたのは、1956年にロレックスが発表したオイスター パーペチュアル デイデイトである。最初の参照番号は6510(平ベゼル)と6511(フルーテッドベゼル)で、ケースはイエロー・ピンク・ホワイトの金で作られた。貴金属だけで仕立てる方針は、現在まで続いている。

この時計の新しさは、曜日を略号ではなく単語として綴り、12時位置の弧を描く窓に示した点にある。曜日を略さず綴る腕時計は、これが最初とされる。機構は1955年のスイス特許(CH322341A)に記され、発明者はロレックスの技術者マルク・ユグナンとされる。発表当初はジュビリー ブレスレットが組み合わされたが、まもなく専用のプレジデント ブレスレットが標準となった。のちにこのモデルは「プレジデント」の通称で知られていく。

もっとも、最初の6510と6511は日送りに技術的な課題を抱え、生産は1年ほどにとどまった。翌1957年には、改良した機械を積む Ref. 6611 が後を継いでいる。

12時位置に曜日窓、3時位置に日付窓を置くこの配置は、その後、作り手を問わず多くのデイデイト時計が踏襲する基本形となった。

03普及と、現代の到達点

デイデイトの形式は、20世紀後半を通じて時計産業全体へ広がった。日本では、1963年のセイコー スポーツマチック5が、セイコーにとっても日本にとっても初めての自動巻きデイデイトの腕時計となった。3時位置の曜日・日付表示は、以後のセイコー5に共通する5つの特徴の一つに数えられている。

クオーツの登場は、暦送りに新しい課題をもたらした。クオーツのモーターは機械式ほどのトルクを持たず、その制約のなかで、力を蓄えて深夜に放つ瞬時送りの機構が練り上げられている。ロレックスも1977年に、クオーツのオイスタークオーツ デイデイトを加えた。

なお、デイデイトはあくまで単純カレンダーであり、月末の修正を不要にした年次カレンダー、うるう年まで記憶する永久カレンダーとは機構の階層を異にする。それでも、日常で参照する二つの暦をひとまとめにしたこの機構は、暦表示の基本形の一つとして今も広く使われている。

04 — NOTABLE IMPLEMENTATIONS

代表的な実装

デイデイトの形式を決定づけたのは、やはりロレックスのデイデイトである。曜日を略さず綴る窓表示、12時と3時に振り分けた配置は、後続の多くの同種時計が参照する基準となった。曜日円板は1973年から26言語でそろえられ、ラテン文字、アラビア文字、キリル文字、ヘブライ文字、日本語、漢字のほか、アフリカの角で使われるゲエズ文字にまで及ぶ。貴金属だけで仕立てられる点も、この機構が実用と格式の双方を担いうることを示している。

日本でこの形式の先駆けとなったのが、セイコーの「セイコー5」である。1963年のスポーツマチック5に始まり、自動巻きと3時位置の曜日・日付表示を、防水や堅牢なケース・ブレスレットとともに基本の特徴として掲げた。

クオーツでの例として、グランドセイコーのキャリバー9Fがある。9Fでは、日送りの車が回るにつれてレバーのばねに力を蓄え、カムの位置で一気に放って日付を一瞬で送る。切り替わりが早まることのないよう、作動は0時から5分以内に収まるよう職人が手作業で合わせるという。曜日表示を加えた9F83のような仕様もある。

表示の手法そのものにも幅がある。曜日・日付を窓で示すのが一般的だが、小さな針で指し示すポインター式の実装もある。日付を大きく見せるビッグデートと組み合わせる例もある。デイデイトはドレスウォッチに限らず、ダイバーズやクロノグラフなど実用時計の幅広い領域で採用され続けている。

05 — REFERENCES

この機構を搭載する 25 本のモデル

発表年の新しい順に 24 本を表示
A. LANGE & SÖHNE · Odysseus Odysseus Titanium / Ice Blue / Bracelet Ref. 363.117 2022 ⌀40.5 A. LANGE & SÖHNE · Odysseus Odysseus Stainless Steel / Blue / Bracelet Ref. 363.179 2019 ⌀40.5 SEIKO · 5 Sports 5 Sports Sports Style Stainless Steel / Black / Bracelet Ref. SRPD55K1 2019 ⌀42.5 SEIKO · 5 Sports 5 Sports Sports Style Stainless Steel / Blue / NATO Ref. SRPD51K2 2019 ⌀42.5 SEIKO · 5 Sports 5 Sports Sports Style Stainless Steel / Blue / Bracelet Ref. SRPD51K1 2019 ⌀42.5 ROLEX · Day-Date 36 Day-Date 36 Yellow Gold / Fluted / Champagne / President Ref. 128238-0045 2019 ⌀36 TAG HEUER · Carrera Calibre 16 41 Stainless Steel / Blue / Bracelet Ref. CBK2112.BA0715 2018 ⌀41 TAG HEUER · Carrera Calibre 16 41 Stainless Steel / Blue / Alligator Ref. CBK2112.FC6292 2018 ⌀41 A. LANGE & SÖHNE · Lange 1 Lange 1 Daymatic White Gold / Blue Ref. 320.028 2017 ⌀39.5 SEIKO · Prospex Divers Prospex Diver Turtle Stainless Steel / Black / Rubber Ref. SRP777 2015 ⌀45 ROLEX · Day-Date 40 Day-Date 40 Yellow Gold - Fluted / Silver - Roman Ref. 228238-0002 2015 ⌀40 ROLEX · Day-Date 40 Day-Date 40 Platinum / Ice Blue Quadrant Motif Ref. 228206-0001 2015 ⌀40 MÜHLE GLASHÜTTE · Teutonia Teutonia II Chronograph Blue / Bracelet Ref. M1-30-92-MB 2012 ⌀42 JUNGHANS · Bogner Bogner by Junghans Willy Chronoscope Stainless Steel / White Ref. 027/4260 2012 ⌀44.5 MÜHLE GLASHÜTTE · Teutonia Teutonia II Chronograph Blue / Strap Ref. M1-30-92-LB 2012 ⌀42 ORIS · Aquis Aquis Big Day Date 45.5 Stainless Steel / Blue / Bracelet Ref. 01 752 7733 4135-07 8 24 05PEB ⌀45.5 ORIS · Aquis Aquis Big Day Date 45.5 Stainless Steel / Blue / Calf Ref. 01 752 7733 4135-07 5 24 10EB ⌀45.5 SEIKO · Mechanical Seiko SKX009 Black / Stainless Steel Ref. SKX009K2 ⌀42 SEIKO · Mechanical Seiko SKX007 Black / Stainless Steel / Rubber Ref. SKX007K1 ⌀42 SEIKO · Mechanical Seiko SKX007 Black / Stainless Steel Ref. SKX007K2 ⌀42 HAMILTON · Broadway Broadway Day Date Automatic Steel / Blue Ref. H43515641 ⌀42 HAMILTON · Broadway Broadway Day Date Automatic Steel / Blue / Bracelet Ref. H43515141 ⌀42 ETERNA · Adventure KonTiki Chronograph Black / Bracelet Ref. 1241.41.41.0217 ⌀42 TAG HEUER · Carrera Carrera Calibre 5 Day Date Stainless Steel / Black / Bracelet Ref. WAR201A.BA0723 ⌀41
06 — SOURCES

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

  1. 01 公式 石英 | Grand Seiko 公式 · Grand Seiko · 2026.10.15 閲覧 Grand Seiko · 2026.10.15
  2. 02 公式 Rolex Day-Date - A Watch of Prestige | Rolex® 公式 · Rolex · 2026.08.15 閲覧 Rolex · 2026.08.15
  3. 03 公式 About | Seiko Watch Corporation 公式 · Seiko Watch Corporation · 2026.10.15 閲覧 Seiko Watch Corporation · 2026.10.15
  4. 04 専門メディア In-Depth: The History of the Rolex Day-Date, The Presidential Watch 専門メディア · Monochrome Watches · 2026.10.15 閲覧 Monochrome Watches · 2026.10.15
  5. 05 専門メディア It’s A Date! Taking A Closer Look At The Most Popular Complication Of Them All: The Calendar 専門メディア · Quill & Pad · 2026.10.15 閲覧 Quill & Pad · 2026.10.15