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CALIBER · Piaget

551P

自動巻 Automatic Analog パワーリザーブ Power Reserve Indicator

パワーリザーブとスモールセコンドを備え、エンペラドールに収まるピアジェ500P系の自社製自動巻

振動数
21,600 vph · 3 Hz
パワーリザーブ
42 時間
石数
27 石
ムーブメント径
20.5 mm
Cal. 551P
movement · 551P 図: ムーブメント — WatchBase
01 — OVERVIEW

概要

Cal.551Pは、薄型時計の名門ピアジェが手がける自社製自動巻で、500Pを基盤とする派生キャリバーである。毎時21,600振動(3Hz)、27石、パワーリザーブ約42時間という構成を備える。6時位置にパワーリザーブ表示、10時位置にスモールセコンドを配する。地板は円の一部を切り落とした「トランケート円形」をとり、エンペラドールの角型ケースへ収まるよう整えられている。厚さは4.9mm。サーキュラー・コートドジュネーブやブルースクリューによる仕上げがほどこされる。ブラックタイ・エンペラドール(Ref.18900)やエンペラドール・パワーリザーブ(G0A33069ほか)に搭載される。

02 — SPECIFICATIONS

仕様

MakerPiaget
Reference551P
TypeAutomatic(自動巻)
DisplayAnalog
Frequency21,600 vph (3 Hz)
Jewels27 石
Power reserve42 h
Movement ⌀20.5 mm
HandsHours, Minutes, Small Seconds
AdditionalPower Reserve Indicator
03 — EDITORIAL

系譜と歴史

Genealogy & history

1. 薄型の系譜と自社製自動巻

ピアジェは1874年、ジョルジュ=エドゥアール・ピアジェがスイスのラ・コート・オ・フェに工房を構えたことに始まる。20世紀半ば以降は薄型ムーブメントの分野で名を高めた。1957年の手巻Cal.9P、1960年のマイクロローターを用いた自動巻Cal.12Pが、その評価を決定づけた。これらの極薄キャリバーは、ドレスウォッチの設計言語そのものを更新したといってよい。

Cal.551Pは、この系譜の延長線上に位置する。ピアジェの型番では、先頭の「5」が自動巻を示す。500P系は同社が2000年代に展開した、現代的な自社製自動巻ファミリーにあたる。極薄の伝統を受け継ぎつつ、日付やスモールセコンドといった実用機構を織り込んだ世代である。

2. エンペラドールという器

551Pが主に収まるのは、エンペラドールである。エンペラドールは1957年に登場したピアジェの象徴的なドレスラインで、角型・クッション型のケースを身上とする。551Pの地板は、円の一部を切り落とした「トランケート円形」という独特の形状をとる。これは角型ケースへ無駄なく収めるための選択である。

搭載機構として選ばれたのが、6時位置のパワーリザーブ表示と10時位置のスモールセコンドであった。パワーリザーブ表示は、ぜんまいの残量を文字盤上で読み取らせる機構である。手首から外す時間の長いドレスウォッチにおいて、実用と装飾を兼ねる。ギヨシェ彫りの銀色文字盤に小ぶりな二つの表示が並ぶ構成は、エンペラドールの古典的な意匠とよく調和する。

3. 500Pファミリーの広がり

500P系は、基幹となる500P(日付とセンターセコンドを備える)を出発点に、複数の派生を抱える。日付と秒を省いた薄型の530P、レトログラード秒と日付を加えた561Pなどがある。551Pはそのなかで、パワーリザーブと小秒の組み合わせを担う一台である。

551Pそのものは、突出した新機構を掲げるキャリバーではない。むしろ、薄型で培った設計を土台に、複数表示を破綻なくまとめ上げる手堅さに性格がある。派手な革新よりも、ドレスウォッチとしての均整を優先した世代と位置づけられる。ブラックタイ・エンペラドール(Ref.18900)や、宝飾を施したエンペラドール・パワーリザーブ各種が、その器となってきた。

04 — MECHANISM

技術解説

Technical breakdown

基本構成

551Pは直径20.5mm(9リーニュ)、厚さ4.9mm、部品点数225、27石の自動巻キャリバーである。27という石数は、輪列と自動巻機構の軸を支える軸受の数を示す。テンプ(調速を担う振動体)の振動数は21,600vph(3Hz)。現代の標準である4Hzより、ひと足ゆるやかな歩度を選んでいる。3Hzの緩やかな振動は輪列(歯車列)への負荷を抑え、薄型の機構と相性がよい。古典的なドレスウォッチの拍動に通じる選択でもある。パワーリザーブは約42時間で、香箱1個分に見合う実用域に収まる。地板は円の一部を切り落とした「トランケート円形」をとり、角型ケースへの収まりを優先する。搭載モデルの多くはサファイアの裏蓋を備え、装飾された自動巻ローターと輪列を鑑賞できる。

パワーリザーブとスモールセコンド

6時位置のパワーリザーブ表示は、薄型ドレスウォッチに実用の芯を一本通す機構である。香箱のぜんまいが巻き上がる量と解ける量の差を、遊星(差動)歯車を介して針の動きへ変換する。手巻・自動巻のいずれの状態でも残量を示し続けるため、輪列に小さな歯車列を加える形をとる。具体的な歯車構成は公開資料に乏しいが、原理はこの種の表示に共通する。残量が尽きる手前で巻き上げを促す、視覚的な目安として働く。

10時位置のスモールセコンドは、四番車(秒を刻む歯車)の回転を独立した小針で示す。中央に秒針を置くセンターセコンドに比べ、文字盤の意匠を静かに整える効果がある。

調速機と仕上げ

調速にはモノメタル(単一金属)テンプが用いられる。これに耐震装置と、自己補正型のヒゲゼンマイ(温度変化による誤差を抑える合金製のぜんまい)を組み合わせる。さらにハック機構(リューズを引くと秒針が止まる仕組み)を備え、時刻合わせの精度を確保する。精度の土台はこの調速機構と3Hzの安定した歩度にあり、特別な耐磁構造をうたう設計ではない。あくまで端正なドレスウォッチとしての性格を保つ。仕上げは、ジュネーブの高級時計らしい手数を踏む。ブリッジには面取り(アングラージュ)、地板にはサーキュラーグレイン(円状の細かな研磨)がほどこされる。装飾にはサーキュラー・コートドジュネーブ、固定にはブルースクリューが用いられる。クロノメーター認定をうたう類のキャリバーではなく、装飾と均整に価値の重心を置いた一台といえる。ピアジェは設計から製造までを自社で手がける数少ないメゾンであり、551Pもその一貫体制のもとに生まれている。

05 — CARRIERS

このキャリバーを搭載する 1 本のリファレンス

This caliber appears in 1 references
06 — SOURCES

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

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  2. 02 専門メディア Piaget 430P - Grail Watch Reference 専門メディア · Grail Watch Reference · 2026.08.15 閲覧 Grail Watch Reference · 2026.08.15