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Piaget · Emperador

Emperador Power Reserve White Gold

1957年初代の長方形ケースを受け継ぎ、紋章ダイヤルと自社製Cal.551Pを宿したパワーリザーブ搭載ドレスウォッチ

G0A33069は、ピアジェのドレスウォッチライン「エンペラドール」に属するパワーリザーブ表示付き自動巻モデルである。18Kホワイトゴールド製の32×41mm長方形ケースに、自社製Cal.551Pを搭載する。シルバーのギヨシェダイヤルには、1957年の初代に由来するピアジェ家の紋章が12時位置に据えられ、10時位置のスモールセコンドと6時位置のパワーリザーブ表示が非対称の表情を生む。流通上は「ブラックタイ エンペラドール」とも呼ばれた世代の基幹的な1本であり、現在は生産を終えている。

Ref. G0A33069
限定 通常生産
コレクション Emperador
カテゴリ ドレス
キャリバー 551P
ケース径 32 mm
防水 30 m
関連人物 ジョルジュ=エドゥアール・ピアジェ
パワーリザーブ
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.06.12
このモデルを比較する
Case · ケース
素材 White Gold
形状 Rectangular
径 32 mm
厚さ 9.2 mm
ガラス Sapphire
裏蓋 Open
防水 30 m
Movement · ムーブメント
キャリバー 551P
タイプ Automatic
振動数 21,600 bph
石数 27 石
パワーリザーブ 42 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Silver
インデックス Stick / Dot
針 Dauphine
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

1957年の記憶を背負う長方形

エンペラドールの起点は1957年にある。極薄手巻Cal.9Pを発表したのと同じ年、ピアジェは角を柔らかく丸めた長方形ケースの紳士用ウォッチに「皇帝」を意味するこの名を与えた。ラインは一度カタログから退いたのち、1999年に復活する。同時期にピアジェは機械式ドレスウォッチ群を「ブラックタイ」コレクションへ集約しており、復活したエンペラドールはその中核に位置づけられた。G0A33069は、この復活後の長方形エンペラドールが熟成を迎えた段階のモデルである。

パワーリザーブ表示という複雑機構

復活後のエンペラドールを特徴づけたのが、自社製自動巻Cal.551Pによるパワーリザーブ表示モデルの存在である。1990年代末から2000年代初頭のピアジェは、極薄の伝統に加えて自社ムーブメントの拡充を進めていた時期にあたる。551Pを積んだパワーリザーブ仕様は復活初期から展開され、アラビア数字ダイヤルのピンクゴールド仕様G0A25037などが先行した。G0A33069はその系譜を引き継ぎつつ、ダイヤルの意匠を大きく改めた後期世代にあたる。

紋章が示すヘリテージへの転回

本Refの最も雄弁な変更点は、12時位置に据えられたピアジェ家の紋章である。アプライドの紋章は初代エンペラドールへのオマージュとされ、2007年のモデル誕生50周年前後から同ラインのダイヤルに現れた意匠と伝わる。先行のパワーリザーブ仕様がアラビア数字で構成されていたのに対し、本Refはバトンインデックスと放射状ギヨシェへ移行し、紋章を主役に据えた。数字の主張を退け、家紋と地紋で語る構成は、ラインの軸足を「現代的ドレス」から「ヘリテージの継承」へ寄せる転回だった。

クッション型の登場と長方形の役割

本Refが属するG0A33系の世代では、丸みを帯びたクッション型ケースの「エンペラドール クッション」が登場し、永久カレンダーG0A33019などの複雑機構がそちらへ展開されていく。以後のエンペラドールはクッション型がコンプリケーションの受け皿となり、長方形は初代の形状を守る古典側の役割を担った。G0A33069は、その分岐点で長方形側に立ち、ラインの原点を体現した基幹Refといえる。同世代にはピンクゴールドのG0A33070、ダイヤモンド装飾のG0A33073・G0A33074が並行展開された。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

G0A33069の設計は、長方形ケースの古典性と自社ムーブメントの見せ方の両立に貫かれている。18Kホワイトゴールドのケースは横32mm×縦41mm、厚さ9.2mm。全体をポリッシュで仕上げつつ、側面のベベルにはブラッシュ仕上げを切り分け、面の移ろいで長方形の輪郭を引き締めている。リューズにはPロゴが刻まれる。

ダイヤルはシルバー地に放射状のギヨシェを施し、ホワイトゴールドのアプライドバトンインデックスとドーフィン針を組み合わせる。12時位置にはピアジェ家の紋章が立体的に据えられ、ブランド名のロゴタイプではなく家紋で出自を語る構成とした。10時位置のスモールセコンドはわずかに沈み込み、6時位置のパワーリザーブ表示とともに細いゴールドリングで縁取られる。2つの副表示を対角に散らした非対称レイアウトは、左右対称が支配的なドレスウォッチにおいて本Refの個性となっている。

搭載するCal.551Pは直径20.5mm、厚さ4.9mmの自社製自動巻で、27石・225部品から成り、毎時21,600振動 (3Hz) で約42時間のパワーリザーブを持つ。サーキュラー・コート・ド・ジュネーブ、面取りされたブリッジ、円形模様の地板仕上げ、青焼きネジといった装飾はシースルーバックから観賞できる。ケースバックを開放したのは、自社ムーブメント路線を進めていた当時のピアジェの自負の表れと読める。30m防水はドレスウォッチとして必要十分な水準に留め、ブラックのアリゲーターストラップとピンバックルが薄いケースの収まりを支える。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

G0A33069の発表時期を特定する一次資料は確認できていないが、リファレンス番号のG0A33系は、SIHHで発表されたエンペラドール クッション永久カレンダーG0A33019と同じ世代コードにあたる。このことから、本Refも2008年頃に長方形エンペラドールの刷新版として登場したとみられる。流通上は「ブラックタイ エンペラドール パワーリザーブ」の名称でも扱われ、1999年の機械式ライン集約以降のコレクション区分を反映していた。

同世代では素材・装飾違いの兄弟Refが並行展開された。ピンクゴールド仕様のG0A33070、ホワイトゴールドにダイヤモンドを施したG0A33073、ピンクゴールドのダイヤモンド仕様G0A33074がそれにあたる。また時刻表示のみのダイヤモンド装飾仕様G0A33075・G0A33076も同じ世代コードを持ち、紋章ダイヤルの意匠を共有していた。

生産期間中の仕様変更は確認されていない。生産終了の正確な時期も公表されていないが、複数の正規販売店が本Refの取り扱い終了を表示しており、エンペラドールのライン自体も現在のピアジェ公式コレクションには含まれていない。長方形エンペラドールのパワーリザーブ仕様として最後期の世代にあたり、以降この構成の直接的な後継Refは登場していない。


Sources

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

  1. 01 公式 Watches - Piaget 公式 · Piaget · 2026.08.15 閲覧 Piaget · 2026.08.15
  2. 02 専門メディア Piaget 430P - Grail Watch Reference 専門メディア · Grail Watch Reference · 2026.08.15 閲覧 Grail Watch Reference · 2026.08.15