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Rolex · Submariner · 1988–2008

Submariner 16618 Blue SuperLuminova

1988年登場、5桁金無垢サブマリーナの最終形。スーパールミノバ夜光を備えた後期ブルー仕様

16618は1988年に登場した18Kイエローゴールド製のサブマリーナ デイトである。先代16808から心臓部をCal.3135へ刷新し、40mmケースと300m防水の骨格は鋼製の16610と共有する。本項が扱うのは、夜光がトリチウムからスーパールミノバへ移行した2000年前後以降の後期ブルー仕様である。アルミ製ベゼルと旧来のケース造形を保ったまま2008年まで生産された、5桁リファレンス最後の金無垢サブマリーナにあたり、セラミックベゼルの116618LBへと世代を譲った。

Ref. 16618 Blue Superluminova
発表年 1988
状態 生産終了
限定 通常生産
コレクション Submariner
カテゴリ ダイバーズ
キャリバー 3135
ケース径 40 mm
防水 300 m
関連人物 ハンス・ヴィルスドルフ
デイト
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.06.10
Case · ケース
素材 Yellow Gold
形状 Round
40 mm
厚さ 13 mm
ガラス Sapphire
裏蓋 Closed
防水 300 m
Movement · ムーブメント
キャリバー 3135
タイプ Automatic
振動数 28,800 bph
石数 31 石
パワーリザーブ 48 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Blue
インデックス Stick / Dot
Mercedes
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

金無垢という選択の系譜

ロレックスが初めて全身を18Kイエローゴールドで包んだサブマリーナは、1969年のRef.1680/8である。工具としてのダイバーズウォッチを貴金属で仕立てるという逆説的な企ては、ブルーの文字盤とベゼルという、鋼モデルには存在しない独自の色彩規範をシリーズにもたらした。1979年のRef.16808がサファイアクリスタルと300m防水を持ち込み、1988年、新開発のCal.3135を得た16618へと系譜は到達する。同年には鋼の16610、コンビの16613が並び立ち、素材違いの3兄弟が以後20年続く布陣を組んだ。

夜光素材が刻む後期仕様の境界

16618は約20年の生産期間中、リファレンス番号を変えないまま細部を更新し続けた。その最大の分水嶺が夜光素材である。1990年代末、放射性物質トリチウムの使用が規制強化により困難になると、ロレックスは1998年頃から蓄光顔料ルミノバへ移行し、2000年前後には改良版のスーパールミノバへと切り替えた。文字盤6時側の表記は「SWISS-T<25」から「SWISS」のみ、そして「SWISS MADE」へと変わり、コレクターはこの刷りの違いで個体の年代を読む。本項の「ブルー スーパールミノバ」とは、この最終期の夜光を備えた青文字盤の個体群を指す区分であり、公式のリファレンス変更を伴うものではない。

アルミベゼル時代の終着点

2008年のバーゼルワールドで、ロレックスはセラミック製セラクロムベゼルと新世代ケースを備えた116618LN/LBを発表した。サブマリーナのセラミック化は、鋼モデルではなく金無垢モデルから始まったのである。鋼の116610LNの登場は2010年まで待つことになる。つまり後期16618は、アルミベゼルを戴く最後の金無垢サブマリーナとして幕を引いた。同世代にはブラック仕様のほか、ダイヤモンドとサファイアをインデックスに植えたセルティ文字盤、ラピスラズリ文字盤といった派生も存在し、金無垢ならではの装飾的展開を見せた。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

16618の設計は、鋼の16610と同一の道具的骨格を、そのまま18Kイエローゴールドへ置き換えるという一点に貫かれている。40mmのオイスターケース、三重密閉構造のトリプロック・リューズ、300m防水という構成に妥協はなく、貴金属モデルだからといって防水性能や堅牢性を緩める発想を取らない。一方で質量は鋼とは別物であり、金無垢特有の重みが装着感を決定づける。

後期仕様を特徴づけるのがスーパールミノバである。日本の根本特殊化学が開発した蓄光顔料の系譜にあるこの素材は、放射性物質を含まず、経年で変色しない。トリチウム期の個体が焼けたクリーム色へと育つのに対し、後期個体のインデックスは白いまま保たれ、青い文字盤との対比が設計時の意図のまま維持される。インデックスとメルセデス針はイエローゴールドで縁取られ、青地に金の輪郭が浮かぶ。

ベゼルはアルマイト処理されたアルミニウム製インサートで、60分目盛のうち最初の15分にのみ分刻みを置くダイバーズベゼルの定石に従う。青のアルミは紫外線で退色しうる素材だが、後継のセラクロムが拒んだこの経年変化こそ、本世代の個体の表情を分ける要素でもある。ブレスレットは無垢のイエローゴールド製オイスターで、中央リンクのみをポリッシュ仕上げとする。クラスプはフリップロック式の安全装置とダイバーズエクステンションを備えるが、後継世代のグライドロックのような無段階の微調整機構は持たない。2000年代前半には、ラグ穴の廃止やソリッドエンドリンク化といったケース・ブレス側の更新も後期個体に反映されたとされる。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

16618は1988年に、鋼の16610、ロレゾール(コンビ)の16613と同時に登場した。先代16808からの最大の変更は、新開発の自動巻Cal.3135の搭載である。当初の文字盤夜光はトリチウムで、6時位置に「SWISS-T<25」の刷りを持つ。1998年頃、規制強化を受けてロレックスは非放射性のルミノバへ移行し、この短い過渡期の個体は「SWISS」のみの表記で知られる。2000年前後からはスーパールミノバと「SWISS MADE」表記へ切り替わり、以後生産終了までこの仕様が続いた。本項が扱う後期ブルー仕様は、まさにこの期間に当たる。2000年代前半には、サブマリーナ系全体の更新としてラグ穴の廃止とブレスレットのソリッドエンドリンク化が進み、16618にも順次反映されたとされる。また2000年代半ば以降の個体には、耐磁性と耐衝撃性を高めたパラクロム・ヒゲゼンマイがCal.3135へ段階的に導入されたと伝わる。最末期の個体には、シリアルナンバーを刻んだリハウト(見返し)を持つ例も報告されている。2008年のバーゼルワールドでセラクロムベゼルの116618LN/LBが発表され、16618は約20年の生産に幕を下ろした。WatchBaseは生産期間を1988年から2008年と記録するが、市場への供給はその後もしばらく続いたと伝わる。

02 — Derivatives

同型・派生 Ref

Color · material · bracelet variants