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Rolex · Submariner · 1989–2009

Submariner Date 16613 Blue Tritium

アルミベゼル期最後の青いロレゾール・サブマリーナ、スーパールミノバ夜光をまとった後期生産形

16613は1988年に登場した2代目ロレゾール(SSと18Kイエローゴールドのコンビ)仕様のサブマリーナ・デイトである。本項のBlue SuperLuminovaは、そのうち1999〜2000年頃以降に生産された青文字盤・青ベゼルの後期個体群を指す。夜光がトリチウムからスーパールミノバへ移行し、文字盤6時下の表記は「SWISS MADE」となった。ムーブメントはCal.3135。40mmの伝統的なケースとアルミベゼルを保ったまま2009年まで生産され、セラミックベゼルの116613LBへ世代を譲った。

Ref. 16613 Blue SuperLuminova
発表年 1989
状態 生産終了
限定 通常生産
コレクション Submariner
カテゴリ ダイバーズ
キャリバー 3135
ケース径 40 mm
防水 300 m
関連人物 ハンス・ヴィルスドルフ
デイト
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.06.10
Case · ケース
素材 Yellow Gold, Stainless Steel
形状 Round
40 mm
ガラス Sapphire
裏蓋 Closed
防水 300 m
Movement · ムーブメント
キャリバー 3135
タイプ Automatic
振動数 28,800 bph
石数 31 石
パワーリザーブ 48 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Blue
インデックス Stick / Dot
Mercedes
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

ロレゾール・サブマリーナの第二世代

サブマリーナが純粋な道具からラグジュアリースポーツへ歩み出した転機は、1969年の金無垢仕様Ref.1680にさかのぼる。1984年には、SSと18Kイエローゴールドを組み合わせた初のロレゾール仕様Ref.16803が登場した。青い文字盤とベゼルの組み合わせはここで確立され、英語圏で「Bluesy」、日本で「青サブ」と呼ばれる系譜の起点となった。

1988年、ロレックスは新型自動巻きCal.3135の投入に合わせ、サブマリーナ・デイトの世代を一斉に刷新する。SSの16610、金無垢の16618、そしてロレゾールの16613である。16613は16803の意匠をほぼそのまま受け継ぎ、心臓部だけを一新した。フルバランスブリッジを備えたCal.3135は、以後30年以上にわたりロレックスの主力であり続ける息の長いムーブメントとなる。

夜光素材が区切る生産後期

16613の生産は2009年まで約21年に及んだ。この長い生産期間を区切る最大の指標が、文字盤の夜光素材である。1997年頃までは自発光性のトリチウムが使われ、文字盤には「SWISS-T<25」と記された。1998年頃に蓄光性のルミノバ(表記「SWISS」)へ移行し、1999〜2000年頃からはスーパールミノバ(表記「SWISS MADE」)が採用された。

本項の「Blue SuperLuminova」は、WatchBaseがこの夜光区分に基づいて分類した、生産最終期およそ10年分の青文字盤個体群を指す。Ref番号そのものは変わらないが、夜光の違いは外観と保存性の双方に影響する。トリチウム期の青文字盤は紫外線で紫がかった色へ変化すると伝わるのに対し、スーパールミノバ期の文字盤は色調が安定している。放射性物質を含まない点も、現代の感覚では小さくない違いである。

アルミベゼル時代の終着点

2009年のバーゼルワールドで後継のRef.116613LB/LNが発表され、16613は生産を終えた。後継機はセラクロムベゼル、マキシダイヤル、肉厚なスーパーケース、グライドロック付きクラスプを備え、外観も構造も大きく変わった。裏を返せば、スーパールミノバ期の16613は、細いラグと40mmの伝統的プロポーション、経年変化するアルミベゼルを備えた最後の青いコンビ・サブということになる。

青いロレゾール・サブマリーナの系譜は16803に始まり、16613、116613LB、そして現行の126613LBへ続いている。その中で本機は、ヴィンテージ的な骨格に現代的な夜光とブレス仕様を併せ持つ、過渡期の完成形として位置づけられる。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

ロレゾールの設計は、単なる素材の置き換えではなく配置の設計である。16613ではケース本体とブレス外列をSSが受け持ち、ベゼル、リューズ、ブレス中央列に18Kイエローゴールドが配される。摩耗しやすい部位を硬いSSに、視線が集まる部位を金に割り当てた構成といえる。

青文字盤はサンバースト仕上げで、光の角度により明るいブルーから深い紺まで表情を変える。インデックスの縁取りとメルセデス針はゴールドで統一され、青地とのコントラストが視認性と装飾性を両立させる。スーパールミノバ期の夜光は日中は白く見え、トリチウム期に見られた経年での変色がほとんど起きないとされる。6時下の「SWISS MADE」表記が、この後期文字盤を見分ける確実な手がかりとなる。

ベゼルは逆回転防止式で、60分目盛りを刻んだ青のアルミインサートを備える。アルマイト処理されたアルミは後年のセラミックと異なり、紫外線や擦れで徐々に退色する。この変化を劣化と見るか味と見るかは分かれるが、後継機との性格の違いを最も端的に示す部位である。

40mmのオイスターケースは、後のスーパーケースに比べてラグが細く、クラシックな輪郭を保つ。スーパールミノバ期の中でも、2000年代前半を境にラグ穴のない後期ケースへ移行したとされる。ブレスは3列オイスターで、2000年頃に中空のエンドリンクが無垢に改められ、装着時の剛性感が増した。クラスプはダイバーエクステンションを備えるフリップロック式で、ウェットスーツの上からの装着に対応する。

Cal.3135は毎時28,800振動 (4Hz)、約48時間のパワーリザーブを持つクロノメーターで、フルバランスブリッジとマイクロステラナットによる緩急調整を特徴とする。装飾を排した堅牢志向の作りは、見えない部位にも実用を徹底するロレックスの思想をよく示している。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

16613は1988年に発表された。SS仕様の16610、金無垢の16618と同時のデビューであり、初代ロレゾール・サブマリーナの16803を置き換えた。なおWatchBaseは生産期間を1989年からとしており、発表と流通開始の間には若干のずれがあったとみられる。

生産初期の文字盤はトリチウム夜光(「SWISS-T<25」表記)である。1998年頃にルミノバ(「SWISS」表記)へ切り替わり、1999〜2000年頃からスーパールミノバ(「SWISS MADE」表記)に移行した。本項のBlue SuperLuminovaは、この移行以降から生産終了までの個体群にあたる。

1999年にはパナマ運河返還を記念した特別文字盤の限定75本が製作された。2000年頃にはブレスのエンドリンクが中空から無垢へ改められ、2000年代前半にはラグ穴のないケースへ移行したとされる。2000年代半ば以降の個体では、偽造対策としてリハウト(見返し)へのROLEX刻印と、風防へのクラウンマークのエッチングが加わったと伝わる。

この間、青・黒の標準文字盤に加え、ダイヤモンドとサファイアをインデックスに用いたセルティ文字盤などの派生も併売された。2009年のバーゼルワールドでセラクロムベゼルを備えた後継機116613LB/LNが発表され、16613は約21年の生産に幕を下ろした。スーパールミノバ仕様としては、およそ10年間の生産であった。

02 — Derivatives

同型・派生 Ref

Color · material · bracelet variants