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Grand Seiko · Spring Drive · 2017

Spring Drive Titanium / Snowflake / Bracelet

2017年、独立直後のロゴで再起動した現行スノーフレーク。穂高の雪景色を写す高強度チタンのスプリングドライブ

「スノーフレーク」の通称で世界中に知られる文字盤を持つSBGA211は、2017年にグランドセイコーが独立ブランドへと再編されたタイミングで投入された、現行のスプリングドライブ・モデルである。前任SBGA011の設計を継承し、ダイヤル上のブランド表記を刷新したモデルとされる。ケースは41mm径の高強度チタン、ムーブメントは信州時の匠工房で組み立てられるキャリバー9R65。穂高連峰の雪景色を写し取った白い凹凸ダイヤルが、本機を一目で他と分かつ記号となっている。

Ref. SBGA211
発表年 2017
状態 現行品
限定 通常生産
コレクション Spring Drive
カテゴリ ドレススポーツ
キャリバー 9R65
ケース径 41 mm
防水 100 m
関連人物 服部 金太郎 / 田中 太郎 / 赤羽 好和
デイト パワーリザーブ
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.05.11
このモデルを比較する
Case · ケース
素材 Stainless Steel
形状 Round
径 41 mm
厚さ 12.5 mm
ガラス Sapphire
裏蓋 Open
防水 100 m
Movement · ムーブメント
キャリバー 9R65
タイプ Spring Drive
石数 30 石
パワーリザーブ 72 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 White
インデックス Stick / Dot
針 Dauphine
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

1. 独立元年の再起動

2017年は、グランドセイコーにとって転換点となった年である。同年のBaselworldで、それまでセイコーブランドの上位ラインとして位置付けられていたグランドセイコーが、独立した単独ブランドとして再出発することが発表された。組織上の独立に伴い、ダイヤル上のブランド表記も整理されることになる。以後のモデルは、文字盤12時側に「Grand Seiko」の名を掲げる。

この変革のタイミングで投入された現行モデル群の中で、最も象徴的な一本がSBGA211である。前任のSBGA011はすでに看板モデルとして知られ、その白い凹凸ダイヤルは「Snowflake」の通称で親しまれていた。新生グランドセイコーは、このモデルの設計を引き継ぐかたちでSBGA211を送り出したとされる。

2. 引き継いだものと、変えなかったもの

SBGA211がSBGA011から引き継いだのは、ほぼ全ての設計要素である。41mm径12.5mm厚の高強度チタンケース、信州時の匠工房製のスプリングドライブ・キャリバー9R65、デュアルカーブのサファイアクリスタル、チタンのブレスレット──そして何より、雪白パターンのダイヤルそのものが、そのまま受け継がれた。

唯一の差分は、ダイヤル上のブランド表記である。これは小さな変更ではない。長年「SEIKO」ロゴを掲げて市場で信頼を築いてきたモデルから、その文字を外す決断には相応の覚悟が必要だった。一方で、設計の核となる部分を変えなかったことは、独立後もグランドセイコーが連続性を重視するブランドであるという姿勢の表明でもあった。

3. ヘリテージコレクションの代表として

SBGA211は現在、ヘリテージコレクションに分類される。ヘリテージは、グランドセイコーの伝統的なデザイン文法──水平面を活かしたケースライン、ザラツ研磨、自社製のハイビートやスプリングドライブのムーブメント──を体現するシリーズである。その中でSBGA211は、最も平易にグランドセイコーの世界観を伝える一本として、入門層から玄人筋まで幅広く選ばれてきた。

文字盤の着想は、工房から望む穂高連峰の冬の雪景色にあるとグランドセイコーは説明している。基幹モデルとして長く公式ラインアップにとどまっている点も、このRefの位置付けを物語っている。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

このRefの最大の識別記号は、白い凹凸を持つ「雪白ダイヤル」である。白く塗装するのではなく、特殊な銀めっきの工程によって雪の細かな質感を再現している。強い風が積雪の表面に刻む紋様──信州時の匠工房から望む穂高連峰の冬景色──を文字盤に写し取った意匠である。

ケースには高強度チタンが採用される。ステンレススチールと比べて約30%軽く、傷や腐食にも強い。素材としてのチタンは加工が難しく、特にザラツ研磨を施すには独自のノウハウを要する。SBGA211はチタン地肌にミラー仕上げのザラツ研磨と、サテン仕上げのヘアライン処理を高い精度で切り分け、光の当たり方によって異なる表情を見せる。

時針・分針、そしてインデックスは高研磨のザラツ仕上げで、低照度下でも針面からの反射で時刻を読み取れるように設計されている。秒針には焼き入れによるブルースチール針が用いられ、白いダイヤルの上を滑るように進む。スプリングドライブ特有の「スイープ運針」──断続的な秒刻みではなく、連続的な針の動き──を視覚化する役割を担う部品である。

3時位置には日付窓、7時位置付近にはパワーリザーブインジケーターが配される。風防は内面に無反射コーティングを施したデュアルカーブのサファイアクリスタル。裏蓋はサファイア製のシースルー仕様で、外周の金属部にはグランドセイコーの紋章であるライオン・エンブレムが配される。中央のサファイア越しに、キャリバー9R65の自動巻ローターと装飾された地板が観察できる。

ブレスレットはケースと同じ高強度チタン製で、ラグ幅は20mm、プッシュボタン式の3つ折れバックルを備える。ケース径41.0mmに対してラグ先端間は49.0mmで、防水は10気圧、耐磁性能は4,800A/mである。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

このRefの前身はSBGA011である。スプリングドライブを搭載する41mmケースのチタン製モデルで、白い凹凸ダイヤルから「Snowflake」の通称が定着していったとされる。

2017年、グランドセイコーはセイコーから独立した単独ブランドとして再出発し、文字盤12時側に「Grand Seiko」を掲げる表記へ移行した。この再編に呼応して登場したのが本Ref、SBGA211である。前任のSBGA011とケース、ムーブメント、ブレスレットの基本仕様を共有し、ダイヤル上のロゴ配置を改めたものとされる。

9R65は、グランドセイコー初のスプリングドライブとして2004年に登場したキャリバーで、本機では約72時間のパワーリザーブと月差±15秒(日差±1秒)の精度を担う。

2026年現在も公式サイトのヘリテージコレクションに掲載されており、グランドセイコー・ヘリテージコレクションの中核を成す現行モデルとして、信州時の匠工房の代表作の座を保ち続けている。


Sources

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

  1. 01 公式 Caliber 9R65 公式 · Grand Seiko · 2026.08.15 閲覧 Grand Seiko · 2026.08.15
  2. 02 公式 SBGA211 | Grand Seiko 公式 · Grand Seiko · 2026.10.11 閲覧 Grand Seiko · 2026.10.11
  3. 03 専門メディア The Naked Watchmaker 専門メディア · 2026.10.11 閲覧 2026.10.11
  4. 04 専門メディア Celebrating 20 years of the Spring Drive calibre | Worldtempus 専門メディア · WorldTempus · 2026.10.11 閲覧 WorldTempus · 2026.10.11
02 — Derivatives

同型・派生 Ref

Color · material · bracelet variants