TERM · 用語 · サ行
ザラツ研磨
Zaratsu Polishing
日本独自の鏡面研磨技法。平面をひずみなく整え、光を一方向に反射する仕上げ
DEFINITION · 定義
ザラツ研磨(Zaratsu Polishing、別名:ブラックポリッシュ)とは、回転する円盤の正面に対象を押し当て、平面をひずみなく整える研磨技法である。日本の高級時計、とくにグランドセイコーが象徴的に用いる仕上げとして知られる。
仕上がった平面は光を一方向に反射し、見る角度によっては面が真っ黒に沈んで見える。これが「ブラックポリッシュ」と呼ばれる所以である。
名称は、研磨機を作った「Gebrüder Sallaz(ザラツ兄弟社)」に由来する。グランドセイコーによれば、ケースを手がける林精器の工場が1950年代にこの研磨機を使い始め、機体に刻まれた「GEBR.SALLAZ」をドイツ語風に「ザラツ」と読んだことから、この呼び名が定着した。製造元をスイスの会社とする資料とドイツの会社とする資料があり、経緯には諸説ある。
1967年の44GSで確立した「グランドセイコースタイル」の稜線は、この研磨機とその後継機、職人の技によって生まれる。現在はセイコー・グランドセイコーが広く採用し、鏡面のザラツ研磨と筋目を残したヘアライン仕上げを面ごとに対比させて、稜線の鋭さを際立たせる手法をとる。MINASEも本技法を自社の象徴に据えるブランドとして知られる。バフによる最終仕上げの前段にあたる下地処理とされ、その平面精度が完成後の鏡面の質を決めるとされる。職人の指先の感覚に依存する工程として位置付けられる。
— SOURCES
出典
本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。