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Grand Seiko · Spring Drive · 2021

Spring Drive Evolution 9 Stainless Steel / Lake Suwa / Bracelet

セイコー創業140周年を記念し、諏訪湖の水面を映すブルーダイヤルとCal.9RA2を初めて纏った2,021本限定機

SLGA007は、2021年にセイコー創業140周年記念限定モデルとして発表されたグランドセイコーのスプリングドライブ搭載機である。世界2,021本限定。40mmのステンレススティールケースに、諏訪湖の水面を象った型打ちのブルーダイヤルを収め、秒針とGSロゴには湖面に差す朝日を想起させる金色が配される。ムーブメントは約5日間駆動の新世代キャリバー9RA2で、姉妹機SLGA008「年輪」とともに同キャリバーの初搭載機となった。発表時はヘリテージコレクションに属したが、現在はエボリューション9コレクションへ位置づけが改められている。

Ref. SLGA007
発表年 2021
状態 現行品
限定 限定 2021
コレクション Spring Drive
キャリバー 9RA2
ケース径 40 mm
防水 100 m
関連人物 赤羽 好和
デイト パワーリザーブ
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.06.10
Case · ケース
素材 Stainless Steel
形状 Round
40 mm
厚さ 11.8 mm
ガラス Sapphire
裏蓋 Open
防水 100 m
Movement · ムーブメント
キャリバー 9RA2
タイプ Spring Drive
石数 38 石
パワーリザーブ 120 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Blue
インデックス Stick / Dot
Dauphine
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

創業140周年と「水面」という主題

2021年、セイコーは創業140周年を迎え、グランドセイコーは「日本の情感あふれる風景」を主題とする記念限定モデルを相次いで投入した。同年8月に発表されたSLGA007は、その中でスプリングドライブの聖地を象徴する一本である。スプリングドライブを製造する長野県塩尻市の「信州 時の匠工房」から東南には諏訪湖が広がる。本機のブルーダイヤルは、その湖面に立つさざ波を象ったものであり、ブランド哲学「THE NATURE OF TIME」を、製造地の風景そのもので体現した。日本では「水面(みなも)」の愛称で呼ばれる。

キャリバー9RA2の初搭載機

本機の技術的な意義は、新世代スプリングドライブ「キャリバー9RA2」を初めて搭載した点にある。基となったのは、2020年の60周年記念ダイバーズSLGA001で登場したキャリバー9RA5である。ツインバレルによる約120時間(約5日間)のパワーリザーブ、温度補正機構による平均月差±10秒(日差±0.5秒相当)という性能を受け継ぎつつ、9RA2ではダイヤル側にあったパワーリザーブ表示をムーブメント側へ移した。針とインデックスだけが残る端正な文字盤面は、この設計変更の直接の成果であり、「水面」の意匠を遮るものなく見せるための選択でもある。同時発表の18Kピンクゴールド製SLGA008「年輪」(140本限定)が同キャリバーの姉妹機にあたる。

ヘリテージからエボリューション9へ

外装には、2020年のSLGH002で初めて示され、2021年の「白樺」SLGH005で広く知られた新世代デザイン(当初の呼称はSeries 9)が採用された。発表当時の本機はヘリテージコレクションの一員だったが、2022年に「エボリューション9コレクション」が独立したコレクションとして設立されると、本機もそこへ編入された。結果としてSLGA007は、エボリューション9という枠組みが確立する直前に生まれた、過渡期ならではの記念碑的な位置を占める。2022年には初の通常生産9RA2搭載機SLGA009「白樺」が登場し、2023年にはブライトチタン製で諏訪湖の水面を再解釈したSLGA019が続いた。限定生産で完結した本機の主題は、こうして後続機へ受け継がれている。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

ケースはステンレススティール製で、直径40mm、厚さ11.8mm、ラグ間距離47.6mm。幅広く面取りされたラグと低い重心により、数値以上に薄く構えるプロポーションを持つ。仕上げはザラツ研磨の鏡面とヘアラインを切り分ける従来のグランドセイコー文法を踏襲しつつ、ヘアラインの面積を広げ、鏡面を要所のアクセントに転じた点が新世代デザインの特徴である。ベゼルは上面を平坦なヘアラインとし、側面の鏡面ベベルと対比させる構成を取る。

最大の見どころであるダイヤルは、諏訪湖のさざ波を象った型打ちのブルー。光の角度によって波紋の陰影が移ろい、静かな湖面の揺らぎを思わせる。秒針とアプライドのGSロゴは金色で、湖面に差す朝の光を表すと公式に説明される。多面カットの太いインデックスと幅広の針はエボリューション9様式に共通する視認性重視の造形で、3時位置の日付窓には面取りされた金属枠が付く。パワーリザーブ表示が裏側へ移ったことで、文字盤上には時刻表示と日付以外の要素がなく、波紋の連続性が保たれている。

風防はデュアルカーブサファイア。裏蓋はスクリューバック式のシースルーで、9RA2の仕上げを観察できる。リュウズはねじロック式、防水は10気圧。ブレスレットはラグ幅22mmの5連で、コマの上面を平坦に仕上げた新意匠が採用され、ケースの低い佇まいと連続する。スプリングドライブ特有の滑らかな秒針の運針が、波紋のダイヤルと組み合わさることで、「流れる時間」という主題を視覚化している。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

SLGA007は2021年8月、セイコー創業140周年記念限定モデルとして、18Kピンクゴールド製の姉妹機SLGA008「年輪」と同時に発表された。両機は新型スプリングドライブ・キャリバー9RA2の初搭載機として公開され、発売はSLGA008が同年11月19日、SLGA007が同年12月10日と告知された。世界限定2,021本で、国内発表時価格は990,000円(税込)。グランドセイコーブティックおよび一部の正規取扱店(国内ではマスターショップ)での扱いとされた。発表直後から注目度は高く、地方の正規店でも早期の完売が見込まれると伝えられた。

2022年には「エボリューション9コレクション」が新設され、ヘリテージコレクションの記念限定として発表された本機も、以後は同コレクションの一員として整理されている。同年、初の通常生産9RA2搭載機であるSLGA009「白樺」が登場し、限定品だった9RA2は定常ラインへ展開された。2023年には、諏訪湖の水面という同じ主題をブライトチタンで再解釈したSLGA019が、ブティックおよびマスターショップ専用モデルとして加わった。

本機自体は2,021本の限定生産で完結しており、追加生産は行われていない。現在の公式ラインアップには含まれず、生産期間は事実上2021年から限定本数の出荷終了までにとどまる。

02 — Derivatives

同型・派生 Ref

Color · material · bracelet variants