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Grand Seiko · Mechanical · 2017

Automatic Hi-Beat 36000 Professional 600 m Diver's Titanium / Blue / Bracelet / Limited Edition

ブランド独立元年に投じられた、グランドセイコー初の純機械式飽和潜水ダイバー(世界500本限定)

SBGH257は、2017年にグランドセイコーがセイコーから独立ブランドとして再出発する節目に発表された、同社初の純機械式・飽和潜水仕様プロフェッショナルダイバーである。ブライトチタン製の46.9mmケースに毎時36,000振動のCal.9S85ハイビートを収め、600m防水と16,000A/mの磁気耐性を備える。深い青のダイヤルと同色シリコンストラップを纏った世界500本のシリアル限定機で、兄弟機の黒文字盤SBGH255と一対で投入された。

Ref. SBGH257
発表年 2017
状態 現行品
限定 限定 500
コレクション Mechanical
カテゴリ ダイバーズ
キャリバー 9S85
ケース径 46.9 mm
防水 600 m
関連人物 服部 金太郎
デイト
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.05.10
Case · ケース
素材 Titanium
形状 Round
46.9 mm
厚さ 17 mm
ガラス Sapphire
裏蓋 Closed
防水 600 m
Movement · ムーブメント
キャリバー 9S85
タイプ Automatic
振動数 36,000 bph
石数 37 石
パワーリザーブ 55 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Blue
インデックス Stick / Dot
Proprietary
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

独立ブランド元年に投じられた一本

2017年3月、バーゼルワールドの会場でセイコー社長の服部真二氏は「本日からグランドセイコーは真に独立した道を歩む」と宣言した。文字盤上段からSeikoの名が消え、12時位置にGrand Seikoのロゴだけが残る——その新しい意匠を最初に纏ったプロフェッショナルダイバーが、本作SBGH257と兄弟機SBGH255である。500m級以上の本格ダイバーは、それまでセイコーのプロスペックスや初代マリーンマスター(SBDX001)以来の専管事項であった。グランドセイコーが自らの名でこの領域に踏み込んだのは、本機が最初である。

ハイビートをダイバーズに

グランドセイコーには以前から飽和潜水対応のダイバーが存在していた——SBGA029に代表されるスプリングドライブ機である。だが純機械式、しかもハイビートでサチュレーション仕様を実現したのは本機が初である。心臓部のCal.9S85は2009年に登場した同社のハイビート基幹機で、毎時36,000振動(5Hz)、55時間のパワーリザーブ、日差-3〜+5秒の精度を持つ。プロスペックス側で同設計機SBEX001(2014年)を経て蓄えられた知見が、グランドセイコーの作法のもとで再編成されたかたちといえる。本機の登場とともに、従来のハードレックス風防に代えてサファイアクリスタルが採用されたことも、新生グランドセイコーの世界基準化を象徴している。

500本限定のグランドセイコーブルー

SBGH257は世界500本のシリアル限定として企画された。兄弟機SBGH255が黒文字盤に金色のアクセントを持つ通常生産モデルであるのに対し、本機はブランドのシグネチャーカラーである深い青のダイヤルを纏う。同色のエクストラストレングスシリコンストラップが純正で付属するのも本機固有の仕様であり、チタンブレスレットとの付け替えで表情を変えることができる。ハイビートメカニカル、純鉄ダイヤル、ザラツ研磨という諸要素を、ブランド独立元年の象徴色で束ねた一本——本機の役割はそこにある。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

本機を兄弟機SBGH255から分かつ第一の要素は、ダイヤルの色である。深い青——グランドセイコーが自社のシグネチャーカラーとして掲げる「グランドセイコーブルー」——が、46.9mmの大ぶりなケースの内側を満たす。ダイヤル表面には粒のような細かなドットパターンが施されており、これは深海で立ち昇る気泡を象ったとされる。地板には純鉄が用いられ、ムーブメント単体の磁気耐性に外装側からの遮蔽を加えることで、時計全体としての防磁性能は16,000A/mに達する。インデックスとハンドにはルミブライト夜光が塗布され、深海での視認性を確保する。

ケース素材はブライトチタン(セイコーが「ハイインテンシティチタン」と呼ぶ硬度を高めた独自合金)で、ザラツ研磨による歪みのない鏡面と鋭利なエッジが共存する仕上げが施されている。ベゼルはセラミックインサートを備えた一方向回転式で、側面には厚手のグローブを装着していても操作できる深いローレットが切られている。リューズおよびデイト窓は4時位置に配置され、手の甲側への突出を抑えるとともに、初代マリーンマスター以来の系譜を踏襲する。

ケースバックは無垢の閉鎖式で、グランドセイコーの獅子のエンブレムが刻まれる。プロフェッショナルダイバーズに通例求められるヘリウムエスケープバルブを本機は搭載しない。これはセイコーが1975年のプロフェッショナル600m(通称ツナ缶)以来採用してきたL字型ガスケット構造により、飽和潜水時のヘリウム混入そのものを抑止する思想に基づく選択である。純正のブライトチタン製ブレスレットに加え、ダイヤルと色を揃えたブルーのシリコンストラップが付属する。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

2017年3月、グランドセイコーはバーゼルワールドにおいて、本作SBGH257と兄弟機SBGH255を発表した。同時にセイコー社長服部真二氏より、グランドセイコーを独立ブランドとして再定義する旨が宣言されており、両機はその転換点に立つ象徴的な新製品として位置づけられた。プロフェッショナル仕様のダイバーズが、文字盤上から「Seiko」の刻印を外し、12時位置に「Grand Seiko」ロゴのみを掲げたのは本機が最初である。

発表時の欧州価格は500本限定の本作で12,300ユーロ、無印のSBGH255で12,100ユーロ、米国市場でそれぞれ9,800ドル/9,600ドルと公表された。日本国内では同年8月に出荷が開始され、メーカー希望小売価格は税抜102万円前後で設定されている。本機のキャリバー型番は9S85-01B0であり、シリアルナンバー入りの500本のみで生産が打ち切られた。

発表以降、グランドセイコーはこの600mプロフェッショナルダイバーの基本仕様に大きな改廃を加えておらず、後継のチタン製ダイバーが登場する2020年代まで、本機と兄弟機SBGH255がブランド唯一の純機械式飽和潜水機として供給され続けた。なお同じ9S85キャリバーは、2018年にV.F.A.仕様(日差-1〜+3秒)へと調整された別シリーズへも展開されたが、本機自体への再生産・再販は行われていない。

02 — Derivatives

同型・派生 Ref

Color · material · bracelet variants