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CALIBER · TAG HEUER

Calibre 7

自動巻 Automatic Analog

ETA 2892/2893系をベースに、TAG Heuerのデュアルタイムを支える中核自動巻

Calibre 7
movement · Calibre 7
図: ムーブメント — WatchBase
OVERVIEW · 概要

Calibre 7は、TAG Heuerが自社ラインに展開する自動巻ベースキャリバーで、ETA 2892もしくは2893-2、近年はSellita SW300・SW330を出発点とする。2005年前後の数字式呼称体系の整備に伴い、主にデュアルタイム機能を担う立ち位置として定着した。直径26.20mm、振動数28,800vph(4Hz)、石数21〜25石、パワーリザーブは個体により42〜56時間と幅がある。Carrera、Aquaracer Professional 300 GMT、Autavia GMTなどに搭載され、COSC認定を受けた上位版「Calibre 7 COSC」も用意される。

SPECIFICATIONS · 仕様
MakerTAG Heuer
ReferenceCalibre 7
TypeAutomatic
DisplayAnalog
Frequency28,800 bph (4 Hz)
Jewels21 石
Power reserve46 h
Movement ⌀26.2 mm
HandsHours, Minutes, Small Seconds
DateDate
EDITORIAL · 編纂

系譜と歴史

Genealogy & history

数字式呼称体系のなかで

TAG Heuerは、2005年前後にムーブメントの呼称体系を大きく刷新した。それ以前は搭載するエボーシュの型番(ETA 2824-2、Valjoux 7750等)を前面に出していたが、新体系では「Calibre 5」「Calibre 7」「Calibre 16」のように、TAG Heuer独自の二桁・一桁の数字で統一表記する方式へ移行した。Calibre 5が日付付き三針(ETA 2824系)、Calibre 16がクロノグラフ(Valjoux 7750系)、そしてCalibre 7が中口径のデュアルタイム/三針系という棲み分けである。

この刷新は、LVMH傘下となったブランドが、エボーシュ供給元への依存を露呈する旧来の表記から距離を取り、製品ラインの一体感を打ち出すための施策であった。実態としてはETA(およびSellita)からのエボーシュ調達であるが、ロゴ刻印やローター装飾、グレード調整を通じてTAG Heuer仕様として再構築している。

ETA 2892から2893、そしてSellitaへ

Calibre 7の祖型は、1975年にEternaが開発し後にETAへ継承された11½リーニュの薄型自動巻Cal.2892である。同系の派生として、24時間針を備えるデュアルタイム版2893-2が長く生産されてきた。TAG Heuerはこの2892(時分秒/日付)と2893-2(GMT)の双方を「Calibre 7」の傘下に収めており、同一呼称が機能の異なるベースを横断する点に特徴がある。

2010年代半ば以降、Swatch Groupは外部ブランドへのETAエボーシュ供給を段階的に絞り込み、業界全体がSellitaやその他の代替供給先へ移行した。TAG Heuerも例外ではなく、2892相当のSellita SW300、2893相当のSW330へ順次切り替えを進めている。新旧のベースは現行カタログ内でも並走しており、個体差として石数(21石/25石)やパワーリザーブ(約42〜56時間)に違いが現れる。

グレード展開と認定

Calibre 7は単一仕様ではなく、標準グレードに加え、COSC(スイス公式クロノメーター検定機関)認定を受けた上位グレードを揃える。「Calibre 7 COSC」と呼ばれる後者は、AutaviaのGMTモデル(Ref. WBE511A.BA0650など)に搭載され、日差−4/+6秒の精度基準を独立検定によりクリアした個体である。

ローターはCôtes de Genève(ジュネーブ・ストライプ)の波状仕上げを施し、「TAG Heuer — Calibre 7 — Swiss Made」と刻印される。ムーブメント全体の仕上げは産業グレードに属するが、シースルーバックを通じてブランド独自の意匠が視認できる構成となっている。

MECHANISM · 機構と仕様

技術解説

Technical breakdown

ベース構造と寸法

Calibre 7の物理的な基盤は、11½リーニュ(直径26.20mm)・厚さおよそ3.6〜4.1mmの自動巻エボーシュである。これはETA 2892(時分秒/日付)、ETA 2893-2(時分秒/日付/GMT)、ならびにそれぞれの後継互換であるSellita SW300-1・SW330-2を含む系統で、いずれも28,800vph(4Hz)で運針する。

振動数28,800vphは1時間あたり28,800回の片振りを意味し、運針は1秒あたり8コマで進む。これは現代の汎用自動巻における事実上の標準値であり、3Hz以下の旧規格と比べ、姿勢差の平準化と短期精度の安定に寄与するとされる。

テンプとヒゲゼンマイ

テンプ(調速機の往復振動子)はニッケル合金系の慣性体で構成され、ヒゲゼンマイにはNivarox系合金が用いられる。緩急調整は、ETA 2892系ではEtachronレギュレーター、Sellita SW300系では独自仕様の調整子で行われる。Calibre 7に固有の特殊素材(シリコン製ヒゲゼンマイ等)は通常は装備されない。なおTAG Heuerは並行してIsograph(炭素複合ヒゲゼンマイ)を一部モデルに導入したが、Calibre 7の標準仕様としては定着しなかった。

自動巻機構

ローター(自動巻錘)はボールベアリングを介して中央軸に取り付けられ、双方向に回転して香箱のゼンマイを巻き上げる。ベースとなるCal.2892系は、薄型ながら巻き上げ効率の高さで長年評価されてきた設計である。

ローター表面にはCôtes de Genèveの波状仕上げが施され、「TAG Heuer — Calibre 7 — Swiss Made」が刻まれる。これが、エボーシュとしての出自に対してTAG Heuer仕様であることを示す主要な意匠的差別化要素である。

GMT機構(2893-2 / SW330系)

Calibre 7のうちGMT仕様(Twin Time、GMT)は、独立調整可能な短針と24時間針を備える。リューズ第1段の操作で短針のみを1時間刻みでジャンプ可動でき、現地時刻に合わせながらホームタイムを24時間針で維持できる。

この方式はいわゆる「コーラー型」GMTに分類される設計で、24時間針側を独立可動とする「フライヤー型」とは思想が異なる。GMT機能は2892に対する付加機構として位置付けられ、輪列の大半を共有しつつ、24時間針駆動用の歯車列が組み込まれる構成である。

パワーリザーブの世代差

公称パワーリザーブは、初期世代の2892/2893-2ベースで約42〜46時間、現行世代のSW300/SW330ベースで約50〜56時間(TAG Heuer公式)とされる。香箱は基本的に1個構成であり、伸長は主にゼンマイ素材の改良と動力伝達効率の見直しによって実現されている。

認定とグレード

標準グレードはTAG Heuer社内の精度基準をクリアする仕様だが、COSCクロノメーター認定は受けない。一方、Autavia Calibre 7 COSC GMTなど上位モデルに搭載される「Calibre 7 COSC」は、日差−4/+6秒・5姿勢・2温度条件での独立検定をパスした個体である。なお、外装側でMaster Chronometer(METAS)等のさらに上位の認定を取得した例は、現時点ではCalibre 7系統には存在しない。

04 — CARRIERS · 搭載モデル一覧

このキャリバーを搭載する 2 本のリファレンス

This caliber appears in 2 references