用語 / TERM · Côtes de Genève
コート・ド・ジュネーブ
ムーブメント装飾の代表格。ブリッジに刻まれる平行な波状の縞模様
コート・ド・ジュネーブ(Côtes de Genève、別名:Geneva Stripes/ジュネーブ・ストライプ)とは、ムーブメントの受け(ブリッジ)やローターの表面に施される、平行な波状の縞模様の装飾仕上げである。
模様は、対象を固定して回転するバイトを当て、規則的にずらしながら刻んで形成される。一見なめらかな波に見えるが、実体は制御された微細な擦過痕の連なりであり、光を受けると稜線と溝が交互に反射し、波打つように映る。
19世紀後半のジュネーブで広まったとされるが、普及の経緯には諸説あり、当時の米国市場で好まれたことが背景にあったとも言われる。意匠的な価値に加え、懐中時計の時代には開いたケース内に舞う微粒子を表面の溝で捕え、テンプや受石への侵入を抑える実用的な役割もあったとされる。
現在はパテック フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタンをはじめ多くのブランドが採用し、ジュネーブシール(Poinçon de Genève)の認定要件のひとつにも数えられる。同種の縞模様はドイツの時計製造地グラスヒュッテで「グラスヒュッテ・ストライプ」と呼ばれ、米国では「ダマスキーニング(Damaskeening)」の名でも知られる。