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CALIBER · Bell & Ross

BR-CAL.321

自動巻 Automatic Analog デイト

2019年のBR 05に初搭載された、Sellita SW300-1を独自に仕立てたBell & Ross専用の自動巻キャリバー

振動数
28,800 vph · 4 Hz
パワーリザーブ
42 時間
石数
25 石
ムーブメント径
25.6 mm
NO IMAGE
movement · BR-CAL.321
01 — OVERVIEW

概要

BR-CAL.321は、Bell & Rossのために Sellita が専用に製造する自動巻ムーブメントである。2019年に発表されたBR 05コレクションで初めて搭載された。基盤はSellita SW300-1で、ETA 2892-A2と同系の薄型自動巻にあたる。毎時28,800振動(4Hz)で駆動し、石数は25石、パワーリザーブは初期仕様で約42時間を確保する。後年の「-1」仕様では最適化香箱を採り、約54時間へ延長された。非対称に開口したフルローターと、暗色のサンドブラスト仕上げが外観上の特徴である。BR 05のスティールおよびセラミックの各モデルに広く搭載される。

02 — SPECIFICATIONS

仕様

MakerBell & Ross
ReferenceBR-CAL.321
TypeAutomatic(自動巻)
DisplayAnalog
Frequency28,800 vph (4 Hz)
Jewels25 石
Power reserve42 h
Movement ⌀25.6 mm
HandsHours, Minutes, Seconds
DateDate
03 — EDITORIAL

系譜と歴史

Genealogy & history

BR 05のために選ばれた基盤

BR-CAL.321は、2019年に発表されたBR 05コレクションとともに登場した。Bell & Rossは長く、四角いケースの計器的な時計を象徴としてきた。BR 05は、その造形を一体型ブレスレットの都会的なスポーツウォッチへ展開する試みであった。心臓部に求められたのは、薄いケースに収まり、堅牢で整備しやすいムーブメントである。選ばれたのが、SellitaのSW300-1を基盤とするBR-CAL.321であった。SW300-1は、ETA 2892-A2に範をとった薄型自動巻で、業界で広く信頼を集める。

ブランド専用という供給のかたち

BR-CAL.321は、Bell & Rossのために Sellita が専用に仕立てたムーブメントである。汎用ベースを土台としながら、ブランドの要望に沿って外観を作り込む。これは、自社製ムーブメントを持たない多くのブランドが採る現実的な手法でもある。Bell & Rossは、ローターを大きく開口させ、地板からローターまで暗色のサンドブラストで統一した。装飾を抑えたこの意匠は、計器という同社の出自に通じる選択である。専門メディアのSJXは、こうした仕上げを均質で価格帯に見合うものと評している。

派生キャリバーと展開

BR-CAL.321は、BR 05の拡大とともに姉妹キャリバーを派生させた。日付を省いたスケルトン仕様には、BR-CAL.322が用いられる。第2時間帯を加えたBR 05 GMTには、SW330-1を基盤とするBR-CAL.325が搭載される。クロノグラフ機構を備えるBR 05 Chronoには、別系統のキャリバーが用意される。時刻と日付を担う基幹は、一貫してBR-CAL.321が引き受けてきた。後年には「-1」を付した仕様が現れ、最適化香箱によりパワーリザーブを延ばしている。こうした派生は、単一の基盤を中核に据えつつ、機能ごとに枝分かれさせる設計を映している。

04 — LINEAGE

キャリバーの系譜

Predecessors & derivatives
05 — MECHANISM

技術解説

Technical breakdown

ベースムーブメントの素性

BR-CAL.321は、SellitaのSW300-1を基盤とする。SW300-1は、ETA 2892-A2に範をとった薄型の自動巻ムーブメントである。直径は25.6mm(11.5リーニュ)、厚さは3.6mmにとどまる。この薄さが、BR 05の比較的フラットなケースと整合する。輪列や自動巻機構の構成はETA 2892系の系譜に連なり、堅牢さと整備性を併せ持つ。部品の供給が広く、世界の時計師が扱える点も採用の理由となる。

振動数と調速機構

テンプ(速度を制御する振動体)は、毎時28,800振動(4Hz)で時を刻む。1秒あたり8回の振動で秒針を送る計算となり、外乱に対して比較的安定した精度が得られる。脱進機(エネルギーを一定間隔で送り出す機構)はスイスレバー式で、リフトアングルは51度。石数は25石で、テンプやアンクル、輪列の軸受に人工ルビーを配し摩擦を抑える。テンプにはヒゲゼンマイ(調速の心臓部となるぜんまい)が組まれ、その素材と調整が精度を左右する。振幅は通常200度以上で推移し、姿勢差を小さく保つ土台となる。ハッキング機構を備え、秒針を止めての時刻合わせに対応する。

自動巻とローター

巻き上げは両方向式で、ボールベアリングに支持されたフルローターが担う。Bell & Rossはこのローターを大きく開口させ、片側に質量を残す非対称形状とした。回転体としての偏心を確保し、効率よく香箱のゼンマイを巻き上げるための設計である。日付はクイックチェンジ式で、竜頭の操作により単独で送れる。この日付表示はSW300-1の基本構成を踏襲したものである。

パワーリザーブと仕上げ

初期のBR-CAL.321は、約42時間のパワーリザーブを備えた。後年の「-1」付き仕様では、Sellitaの最適化香箱(optimization barrel)を採り、約54時間まで延びている。香箱内のゼンマイ巻数を増やし、駆動時間を稼ぐ手法である。仕上げは、ブリッジと地板、ローターに一様なサンドブラストを施し、暗いグレーの質感を与える。ローターのスポークには機械加工による面取りが入り、外周にはブランド名が浮き彫りで刻まれる。コートドジュネーブやペルラージュを用いない、工具的な意匠が選ばれている。シリコンや軟鉄製インナーケースのような特殊な耐磁機構は備えず、耐磁性能は一般的な水準にとどまる。クロノメーター認定は受けておらず、汎用ベースの堅実さと整備性を主眼に据えた構成である。

06 — CARRIERS

このキャリバーを搭載する 2 本のリファレンス

This caliber appears in 2 references
07 — SOURCES

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

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