本文へ
Tudor · Black Bay · 2016–2018

Heritage Black Bay Blue Manufacture / Bracelet

2016年、Heritage Black Bay 群が自社製ムーブメント世代へ移行した時点の青ベゼル仕様

Ref. 79230B-0001 は、2016年の Baselworld で発表された Heritage Black Bay 群のうち、青ベゼル・黒文字盤・シルバートーン針を組み合わせた青仕様である。前世代 Ref. 79220 が搭載していた ETA 2824 に代わり、Tudor の自社製ムーブメント Cal. MT5602 を獲得した世代刷新の一角を成す。41mm ステンレススチールケース、200m 防水、ユニディレクショナル回転ベゼルという 基本構成を維持しつつ、COSC 認定と 70 時間パワーリザーブを得た。枝番 -0001 はリベット風スチールブレスレットにファブリックストラップを同梱した 発表当時のパッケージ仕様にあたる。

Ref. 79230B-0001
発表年 2016
状態 生産終了
限定 通常生産
コレクション Black Bay
カテゴリ ダイバーズ / ドレススポーツ
キャリバー MT5602
ケース径 41 mm
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.05.11
Case · ケース
素材 Stainless Steel
形状 Round
41 mm
ガラス Sapphire
裏蓋 Closed
Movement · ムーブメント
キャリバー MT5602
タイプ Automatic
振動数 28,800 bph
石数 25 石
パワーリザーブ 70 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Black
インデックス Stick / Dot
Proprietary
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

1. 自社製ムーブメント世代への転換点

2016年の Baselworld は、Tudor Black Bay にとってシリーズ史上最大の世代刷新の場であった。2012年に Ref. 79220R(バーガンディ仕様)として登場した初代 Black Bay は、Tudor を再起させた現代の代表作として既に確固たる地位を築いていた。ただし、その心臓部には Swatch Group 傘下の ETA 2824 が収まっており、ムーブメント供給を外部に依存する構造を抱えていた。

Tudor は2015年に North Flag で初の自社製キャリバー Cal. MT5621 を投入する。翌2016年、その派生となる Cal. MT5602 を Black Bay 41mm 群に展開し、Ref. 79220 を Ref. 79230 へ置き換えた。Ref. 79230B はその青ベゼル版である。同時に更新された3色──バーガンディの 79230R、黒の 79230N、青の 79230B ──は、自社製ムーブメント、COSC 認定、70 時間パワーリザーブ、非磁性のシリコン製ヒゲゼンマイを共通仕様として獲得した。

2. 青仕様の独自性

79230 世代3色のうち、79230B は意匠上、明確に異質である。Tudor は 79230R と 79230N にピンクゴールド調のギルト針・インデックスを与えたが、79230B にはシルバートーンを与え、ほぼモノクロームの文字盤構成とした。ベゼルの濃紺は深く沈んだトーンであり、Rolex Submariner Ref. 116619LB の 鮮やかなブルーとは異なる、抑制された彩度を選んでいる。

この配色選択は、Black Bay 系のなかで 79230B を「黒ダイヤルダイバーの青ベゼル版」というよりも、ひとつの独立した個性として成立させた。前世代の青ベゼル仕様 Ref. 79220B から継承された方向性であるが、自社製ムーブメント世代に至り、シリーズ内での立ち位置がより明確になっている。

3. 枝番 -0001 と、その先

Ref. 79230B-0001 は、発表当初の標準仕様としてリベット風スチールブレスレットを基軸とし、追加のファブリックストラップを同梱するパッケージ構成であった。2017年以降、Tudor はストラップ・ブレス選択を整理し、ブレス単体仕様を -0008、レザーストラップ仕様を -0007、ファブリックストラップ仕様を -0006 として再番号化する。これに伴い -0001 の市場供給は終息し、本枝番は実質的に 「2016年発表時の初期コンフィギュレーション」を体現するサブリファレンスとなっている。

Ref. 79230B 全体の系譜は、2023年の Watches and Wonders Geneva で発表された Ref. 7941A1A0RU(バーガンディ・Master Chronometer 認定)で次世代へ引き継がれる。Cal. MT5602-U は METAS 認定を備え、ケース厚は約 13.6mm へと薄型化された。青ベゼル仕様の新世代への移行はやや遅れて推移しており、Ref. 79230B が示した「濃紺ベゼルの 41mm ダイバー」というフォーマットは、新旧両世代の橋渡し点に位置している。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

Ref. 79230B-0001 の核は、マットブルーのアルミニウム製ベゼルインサートと 黒のマットダイヤルとの対比に置かれている。Tudor の表記では「ミッドナイトブルー」とされる深い濃紺は、光の入射角によっては黒に沈み、直射光下で初めて青を見せる。針とインデックスはシルバートーンで仕上げられ、これはバーガンディ仕様 79230R および黒仕様 79230N に与えられた ピンクゴールド調のギルト色とは明確に区別される。同世代の3色のなかで、79230B のみがモノクロームに近い配色を採る。

スノーフレーク針は本機の象徴である。1969年に登場した Tudor Submariner Ref. 7016 に由来するこの角張った時針は、Black Bay 系全体の意匠言語となっており、本機もそれを継承する。分針は細身のバトン状、秒針の先端は針葉樹形に整えられている。インデックスは12時位置に大型の三角、3時・6時・9時にバトン、その他にドット──いずれもアプライドで、ベージュ寄りのルミナスが施されている。文字盤6時側には、前世代 79220 の曲線テキストに代わり、2行の直線テキストで COSC 認定を示す表記が置かれた。ロゴも従来のローズマークから盾型のシールド・エンブレムへ変更されている。

ケースは径 41mm、厚さは約 14.75mm、ラグ間距離は約 50mm、ラグ幅は 22mm。前世代 79220 と外径は共通だが、Cal. MT5602 が ETA 2824 より厚いことを受け、裏蓋がわずかにドーム状へと膨らんでいる。風防はドーム型サファイア。リューズには彫り込まれた Tudor のローズ紋章と、青いアルミニウム製ステムが組み込まれる。

枝番 -0001 固有の物理的特徴は、リベット風のステンレススチールブレスレットである。1950〜60年代の Tudor ダイバーに見られたリベット頭部の意匠を再解釈したもので、フォールディングクラスプにセーフティロックを備える。発表時点では、追加のファブリックストラップが同梱された。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

2016年3月、スイスのバーゼルで開催された Baselworld 2016 において、Heritage Black Bay 群の新世代が発表された。Ref. 79230B はその青ベゼル仕様であり、Tudor の自社製ムーブメント Cal. MT5602 を搭載する世代刷新組の一角を成した。同時に発表されたのは、黒ベゼルの Ref. 79230N、バーガンディ仕様の Ref. 79230R、ブロンズケースの Ref. 79250BM、PVD 加工の Ref. 79230DK である。Black Bay 系の主軸が一斉に新世代へ移行する、大規模なライン更新であった。市場への流通開始は同年8月。スイス国内定価は、ブレスレット仕様で 3,500 スイスフランに設定されたと伝わる。

枝番 -0001 は、その発表時点での標準仕様にあたる。リベットスタイルのスチールブレスレットを基軸とし、追加でファブリックストラップを同梱するパッケージ構成であった。Tudor は2017年以降、ストラップ・ブレス選択の整理を進め、ブレス単体仕様を -0008、レザーストラップ仕様を -0007、ファブリックストラップ仕様を -0006 として再番号化する。これに伴い -0001 の市場供給は2018年頃に終息した。WatchBase は -0001 の生産期間を2016年から2018年と記録している。

その後、Ref. 79230B 全体としては枝番を変えつつ生産が継続された。2023年4月の Watches and Wonders Geneva で発表された Ref. 7941A1A0RU(バーガンディ・Master Chronometer)を起点として、Black Bay の主軸は METAS 認定を備える Cal. MT5602-U 搭載世代へと 段階的に移行していった。

02 — Derivatives

同型・派生 Ref

Color · material · bracelet variants