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Audemars Piguet · Royal Oak · 1999

Royal Oak 14790 Date Stainless Steel / Blue

断続的だったミッドサイズの系譜を一本化し、約14年生産された36mmロイヤル オーク。その青文字盤仕様

14790ST.OO.0789ST.08は、1992年に登場したミッドサイズ・ロイヤル オークRef. 14790のうち、ステンレススチールケースに青文字盤を組み合わせた仕様を示すリファレンスである。36mmケースに「プチ・タペストリー」と呼ばれる格子模様の文字盤を備え、ジャガー・ルクルト製ムーブメントを基礎とするCal. 2225がデイトとセンターセコンドを駆動する。ジャンボことRef. 5402の意匠を中径へ移し替えながら実用機能を加えた構成で、歴代ミッドサイズ中で最長となる約14年の生産期間を通じ、この系譜の中核であり続けた。

Ref. 14790ST.OO.0789ST.08
発表年 1999
状態 現行品
限定 通常生産
コレクション Royal Oak
カテゴリ ラグジュアリースポーツ
キャリバー AP 2225
ケース径 36 mm
関連人物 ジュール=ルイ・オーデマ / エドワード=オーギュスト・ピゲ / ジェラルド・ジェンタ
デイト
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.06.10
Case · ケース
素材 Stainless Steel
形状 Other
36 mm
ガラス Sapphire
裏蓋 Closed
Movement · ムーブメント
キャリバー AP 2225
タイプ Automatic
振動数 28,800 bph
石数 36 石
パワーリザーブ 40 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Blue
インデックス Stick / Dot
Stick
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

散在していたミッドサイズの系譜

1972年に登場したロイヤル オークRef. 5402は、39mmという当時としては大柄なケースを持っていた。一方で、より細い手首に向けた縮小版の構想も早くからあった。1975年頃、当時の総支配人ジョルジュ・ゴレイはデザイナーのジャクリーヌ・ディミエに次世代モデルの設計を委ね、その仕事のなかで36mm径のロイヤル オークが形になったと伝わる。1970年代後半のRef. 4100を皮切りに、ねじ込み式リューズを備えたRef. 14332やRef. 14486が続き、1991年頃には過渡期モデルとされるRef. 14700が現れた。ただし各リファレンスは仕様も生産期間もまちまちで、ミッドサイズには長く「定番」と呼べる存在が欠けていた。

1992年、決定版の登場

Ref. 14790は1992年にこの系譜を引き継ぎ、結果として2006年頃まで生産される最長寿のミッドサイズとなった。直前のRef. 14700からねじ込み式リューズと薄型自動巻という骨格を受け継ぎつつ、ベゼルと文字盤の均衡を整理し、以後の基準形を確立した。ジャンボが時分とデイトのみの構成であるのに対し、14790はセンターセコンドを持つ。一見しただけでは39mmの兄弟機と見分けがたく、走る秒針がほぼ唯一の識別点だと評されるほど、原型の意匠は忠実に縮小されている。

「.08」が示す青文字盤

オーデマ ピゲの長桁リファレンス体系では、先頭ブロックがモデル番号とケース素材(STはステンレススチール)、中間の0789STがブレスレット、末尾2桁が文字盤を表す。14790ST.OO.0789ST.08は、スチールケースに青文字盤を組み合わせた個体を指す呼称である。同じ体系では.07がグリーン系、.09が黒、.10が白に当たる。青は14790の文字盤色のなかでも長く維持された定番色で、1990年代には「クライン・ブルー」と通称される鮮烈な青の個体も知られる。同じ青でも製造時期によって色調とインデックスの意匠は同一ではなく、.08という記号の内側に世代差が畳み込まれている。

大型化の波と系譜の終わり

2005年、39mmのRef. 15300が登場し、ロイヤル オークの標準サイズは一段引き上げられた。時計全体が大型化へ向かった2000年代の流れのなかで36mmのミッドサイズは役割を終え、14790の生産も2006年頃までに収束する。ただし中径という発想そのものが消えたわけではない。2012年には37mmのRef. 15450が加わり、14790が担っていた位置は形を変えて復活した。ケース径の適正値が見直される近年、原型の比率を色濃く残す36mmの14790は、縮小版ではなく原点回帰の一形態として読み直されつつある。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

ケースは直径36mm。厚さは資料により7.5mmから8.1mmまで幅のある数字が伝わるが、いずれにせよ8mm前後の薄型である。この薄さを支えるのが厚さ3.25mmのCal. 2225で、ジャガー・ルクルトCal. 889系を基礎にオーデマ ピゲが仕上げた自動巻ムーブメントである。毎時28,800振動 (4Hz)、パワーリザーブ約40時間。双方向巻上げのローターは21Kゴールドのセグメントを備え、セラミック製ボールベアリングで支持される。時刻合わせの際に秒針が停止するハック機構も持つ。

外装の文法はジャンボから変わらない。八角形ベゼルを8本の六角ビスが固定し、ケースとブレスレットには方向を揃えたサテン仕上げ、稜線にはポリッシュの面取りが走る。ラグがブレスレットと一体化する構造のため、手首上の専有面積は36mmという数値以上に大きい。同じくジェンタ意匠のノーチラスRef. 3800(37.5mm)より大きく見えるとする評もあるほどである。

文字盤は青の「プチ・タペストリー」。小さな正方形を規則的に刻む格子模様で、のちの大型モデルに広がる「グランド・タペストリー」より目が細かい。ホワイトゴールドのアプライドインデックスと針には夜光が施され、3時位置にデイト窓を置く。製造時期による意匠差も明確で、1990年代の個体は長いバトンインデックスと文字盤に直接刷られたロゴを持ち、2000年以降の個体は短いオーバル型マーカーと、白枠(カルトゥーシュ)内に刷られたブランド名・「Automatic」表記で識別できる。

リューズはねじ込み式で、50m防水を確保する。ブレスレットはケース側から先端へ明確にテーパーし、フォールディングクラスプで留まる。クラスプは生産中に改良され、2000年頃からAPロゴが入る仕様へ変わった。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

Ref. 14790は1992年に登場した。最初期の文字盤は旧書体のブランドロゴと細い針を持ち、1992年から1993年頃までのごく短期間のみ製造されたとされる。1993年頃からは現行書体のロゴと長いアプライドインデックスを備えた第2世代へ移行し、青のほかサーモン、チャコールグレーなど文字盤色の選択肢が大きく広がった。1990年代後半には現在まで続く長桁のリファレンス体系が導入されたとされ、スチールケースの青文字盤は14790ST.OO.0789ST.08の表記で識別されるようになった。2000年頃に文字盤は再度刷新され、短いオーバル型マーカーにスーパールミノバを充填し、ロゴと表記類を白枠内に収める最終世代となった。同時期にはフォールディングクラスプへAPロゴが入る変更も加わっている。ムーブメントは、最初期の一部個体がCal. 2125を搭載したと伝わるが、まもなくCal. 2225が主力となり、最末期にはCal. 2325を搭載した個体も確認されている。素材違いとしてはスチールとゴールドのコンビRef. 14790SA、イエローゴールドのRef. 14790BAが併売され、少数のピンクゴールドRef. 14790ORも存在したと伝わる。14790を基礎とする限定版も折々に登場した。1997年の「Time for the Trees」Ref. 14990(250本)、1999年の「Foundation」Ref. 15100(スチール450本)、2002年のNSYNC限定(200本と伝わる)などである。2005年に39mmのRef. 15300が発表されるとミッドサイズの系譜は縮小へ向かい、14790の生産は2005年から2006年頃にかけて終了した。すでに生産を終えたリファレンスである。

02 — Derivatives

同型・派生 Ref

Color · material · bracelet variants