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PERSON · 1938–

カール・ショイフレ3世

Karl Scheufele III

1963年にジュネーブのショパールを買収し、宝飾と時計を両輪とする独立系メゾンへ育てたプフォルツハイム出身の経営者

BORN
1938年
DIED
存命
MODELS
5 本
人物一覧と共通の時間軸 1690–2026
01 — OVERVIEW

概要

カール・ショイフレ3世(Karl Scheufele III、1938年生まれ)は、ドイツ出身の金細工師・時計師である。プフォルツハイムで宝飾時計を手がける家の3代目にあたり、ショパールのオーナー経営者として知られる。1958年に20歳で家業を継ぎ、1963年にジュネーブの小さな時計会社ショパールを買い取った。妻カリンとともに宝飾時計の生産体制を築き、1976年の「ハッピーダイヤモンド」でブランドの像を定めた。現在は息子カール=フリードリッヒと娘カロリーヌが経営を率いるが、本人も社業に関わり続けている。

02 — LIFE

生涯

A life in time

01プフォルツハイムの工房を継ぐ

ショイフレ家の事業は、祖父カール・ショイフレ1世が1904年にプフォルツハイムで興した工房に始まる。プフォルツハイムはドイツの宝飾・時計産業の集積地で、工房は宝飾時計や金の装身具を「Eszeha」の名で売った。1945年2月の空襲で工場は失われ、父カール2世が1947年に再開している。

カール3世は金細工と時計製作を修め、1958年、引退した父から従業員35人の工房を20歳で引き継いだ。修業の一部はスイスで積み、ブランパンでも学んだと息子カール=フリードリッヒは語っている。

02ジュネーブのショパールを買う

カール3世は、スイス、できればジュネーブの時計製造会社を手に入れて事業を広げる考えを持っていた。1963年にジュネーブで創業者ルイ=ユリス・ショパールの孫ポール=アンドレ・ショパールと会うと、売買はその場でまとまった。

カール=フリードリッヒの回想では、父は滞在中に12社ほどを回った。ショパールだけは電話に応じず、最終日の日曜の夜に連絡が来たという。当時のショパールは修理を主な仕事とする小さな会社で、ポール=アンドレの息子たちは家業を継がなかったと伝わる。本人は後年、作業台に向かう老ショパールを見て両社の相性を確信し、30分ほど話して決めたと語っている。

03メイランの工場と国際展開

経営はカール3世と妻カリンの二人三脚で進んだ。ショパールの名は宝飾時計のブランドとして再び市場に現れ、生産規模と知名度は大きく伸びた。クォーツショックでスイス時計産業が深い不況に沈んでいた1974年、生産拠点をジュネーブ郊外のメイランへ移した。1981年の時点で、ジュネーブとプフォルツハイムの拠点で年に約18,000本の宝飾時計を作っていたとされる。

04次の世代へ

子ども2人は早くから家業に加わった。カール=フリードリッヒは、父に米国などへの出張へ誘われるうちに、ローザンヌの経営大学院を離れて入社を決めたと語っている。1990年代前半には、息子カール=フリードリッヒと娘カロリーヌが経営の前面に立ったとされる。

その後、カール=フリードリッヒは1996年にフルリエで自社マニュファクチュールを立ち上げ、カロリーヌは宝飾部門を育てた。カール3世は日々の経営を子ども世代に委ねた後も会社を離れていない。Forbesは2026年時点でも、本人が社業に関わっていると伝えている。

03 — WORK

業績・代表作

What this person built

01自前で作るための買収

カール3世の経営判断の起点は、宝飾時計の製造を他社に頼らない体制を作ることにあった。経営史家ピエール=イヴ・ドンゼはEuropa Star誌で、当時の家業がムーブメントを外部から調達していたと指摘する。ドンゼによれば、カール3世は製造工程を社内に取り込み、宝飾時計を世に出すまでの各段階を自ら管理しようとしていた。ジュネーブの小さな製造会社の買収は、その計画の一部だった。

カール=フリードリッヒによれば、買収後はまずケースの製造から始め、エボーシュからのムーブメント組立へと工程を広げたという。公式の沿革は、1978年に自社の鋳造工房へ投資し、金合金を社内で作れるようにしたと記す。ムーブメントの自社開発は息子の代を待つことになるが、素材から外装までを手元に置く垂直統合の考え方は、この時期に形をとった。

02ハッピーダイヤモンドを製品にする

カール3世の経営下で生まれた代表的な成功作が、1976年の「ハッピーダイヤモンド」である。社内デザイナーのロナルド・クロウスキが、シュヴァルツヴァルトの滝のしぶきに差す光から着想した。ダイヤモンドを爪で留めず、2枚のサファイアクリスタルの間で自由に動かす。最初の1本は男性用の一点物としてバーデン=バーデンの宝飾コンクール「ゴールデン・ローズ」に出品され、受賞した。

受賞作は製品化が求められ、石が文字盤や風防を傷つけない構造を一から考えたと、カール=フリードリッヒは語っている。答えは、底を面取りした金の小さな枠に石を一つずつ収めることだった。名付けたのは妻カリンと伝わる。翌年のバーゼルの見本市では想定を超える注文が集まったとされ、女性用の小型版も加わった。Europa Star誌は、この製品が世間のショパール像を女性向け宝飾時計の作り手として定めたと評している。

03若い世代に提案させる

カール3世の経営には、家族の若い世代の提案を最後には受け入れる場面が繰り返し現れる。1980年、22歳のカール=フリードリッヒは鋼製のスポーツウォッチ「サンモリッツ」を提案した。金の宝飾時計を主力とする会社には異質な製品で、父は当初反対したが、息子は説得を重ねて製品化にこぎつけた。

カロリーヌが描いた、腹にダイヤモンドを収めた道化師のスケッチも、父がひそかに工房で形にし、娘へ贈ったと伝わる。この「ハッピークラウン」は1985年、ショパール初のジュエリーコレクションとなった。

2019年のアルパイン イーグルでは、構図が一世代繰り上がる。孫カール=フリッツはサンモリッツの再解釈を父カール=フリードリッヒに持ちかけたが、渋られた。そこで祖父カール3世が後押しし、計画は動き出した。カール=フリッツは、祖父が父にも自分にもすぐ入社するよう求めたと語っている。若い世代を早く事業に加え、反対しながらも最後は耳を傾ける。この継承の作法が、三代にわたる製品の系譜を生んだ。

041963年という起点

2013年には、ショイフレ家による経営50年を記念してL.U.C「1963」が発表された。手巻きクロノグラフなどが加わり、買収の年そのものがコレクション名になっている。プフォルツハイムの家業がジュネーブの時計会社を買った年は、ブランド自身が記念する節目として扱われている。

04 — WORKS

この人物が関わったモデル

— — SOURCES

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

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  2. 02 公式 La Maison Chopard, Our History 公式 · Chopard · 2026.10.17 閲覧 Chopard · 2026.10.17
  3. 03 公式 The Legacy of the Happy Diamonds Jewellery Collection 公式 · Chopard · 2026.10.17 閲覧 Chopard · 2026.10.17
  4. 04 報道 Karl Scheufele, III. & family 報道 · Forbes · 2026.10.17 閲覧 Forbes · 2026.10.17
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