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CHOPARD · SERIES

L.U.C

創業者の名を冠し、1996年の自社製造設立を起点に、複雑機構の全域へ静かに広げてきた本格時計の系譜。

40 mm – 43 mm
01 — 概要 / SUMMARY

L.U.Cは、ショパールが1996年にフルリエへ設立した自社製造部門と、その第一号機として1997年に発表したL.U.C 1860に始まる本格時計の系譜である。名称は創業者ルイ-ユリス・ショパールの頭文字に由来する。マイクロローターとツイン・テクノロジー(二段重ねの香箱)を核とする薄型自動巻を出発点に、長時間駆動のQuattro、永久カレンダーのLunar One、ミニッツリピーターのFull Strikeへと複雑機構を広げてきた。COSCやジュネーブ・シールを重ねつつ、装飾を抑えたドレスウォッチの佇まいを守り続けている。

02 — STORY · 物語

L.U.C、これまでの軌跡

The story of this series
01

クォーツ危機の後、製造を取り戻す

ショパールは1860年にルイ-ユリス・ショパールが興した時計工房に始まる。だが20世紀後半、経営はクォーツ生産と宝飾品が中心となり、機械式の自社製造からは遠ざかっていた。家業を継いだショイフレ家の共同社長カール-フリードリヒ・ショイフレは、この状況を転換しようとする。1990年代半ば、伝統的な時計づくりがクォーツ危機の影響から立ち直りを図るなか、彼は自社製ムーブメントを持つ製造部門の創設を構想した。場所に選んだのは、時計づくりの揺籃とされるフルリエである。少数の時計師が3年をかけ、設計はミシェル・パルミジャーニの協力を得た。完成したキャリバーは創業者の頭文字をとってL.U.C 96.01-Lと名づけられる。1996年、ショパール・マニュファクチュールはこうして生まれた。

02

1997年、L.U.C 1860の思想

96.01-Lを最初に載せたのが、1997年発表のL.U.C 1860(Ref. 16/1860)である。この機械は、回転錘を文字盤側ではなく機械内に沈めるマイクロローターを採った。錘が橋と同じ高さに収まるため全体を薄くでき、機械の眺めも妨げない。さらに香箱を二段に重ねるツイン・テクノロジーにより、薄さと65時間の駆動を両立させた。22金製のマイクロローターには細やかな彫りが施される。L.U.C 1860はCOSCのクロノメーター認定を受け、ジュネーブ・シールも帯びた。ジュネーブ・シールはジュネーブ州の工房で仕上げられた機械にのみ与えられる品質証であり、宝飾で知られた家が時計づくりの正統性を主張する旗印となった。

03

Quattroという回答

2000年、ショパールは1週間を超える駆動を狙ったL.U.C Quattro(Ref. 16/1863)を発表する。Quattroはイタリア語の「4」を意味し、その名のとおり香箱を2組ずつ2段に重ねた四つの香箱を備える。これにより216時間、すなわち9日に及ぶ駆動を、直径38mm・厚さ9.54mmという端正な寸法に収めた。当時、1週間以上動き続ける腕時計はまだ珍しかった。Quattroで確立した四香箱機構は、のちにトゥールビヨンや打音機構の土台にもなり、L.U.Cの技術的な背骨の一つとなる。

04

複雑機構の全域へ

四香箱を基盤に、2003年には自社初のトゥールビヨン(キャリバー02.01-L)が登場した。続く2005年、ショパールは96系の機械に複雑機構を初めて組み込んだL.U.C Lunar One(キャリバー96.13-L)を発表する。永久カレンダーに加え、月が小秒針の軸を周回するオービタル・ムーンフェイズを備え、ブランドはこれを軌道を描く月と説明する。月相のずれは122年で1日とされ、その精度はマニュファクチュールの到達点を示した。2010年には、COSC・キュアリテ・フルリエ・ジュネーブ・シールの三つを同時に満たすL.U.C Triple Certification Tourbillon(キャリバー02.13)が、世界初として紹介されている。

05

音への挑戦

打音時計への歩みは、2006年のL.U.C Strike One(時打ちのソヌリ)に始まる。そして製造設立20周年にあたる2016年、ショパールは自社初のミニッツリピーターL.U.C Full Strike(キャリバー08.01-L)を発表した。一般的な打音時計は鋼のゴングを用いるが、Full Strikeは風防とゴングをサファイアの一塊から削り出す一体構造を採った。この機構は翌2017年のジュネーブ・グランプリ(GPHG)で最高賞アギーユ・ドールに選ばれている。打音機構の系譜はその後も続き、ミニッツリピーター・トゥールビヨン(2022年)、グランド・ソヌリとプティ・ソヌリにストップ秒トゥールビヨンを組み合わせたGrand Strike(キャリバー08.03-L)へと展開した。

06

薄さと倫理、そして現在地

2019年、ショパールは自社初のフライング・トゥールビヨンを備えたL.U.C Flying T Twin(Ref. 161978-1001、キャリバー96.24-L)を発表する。自動巻のフライング・トゥールビヨンは同社初であり、厚さ7.2mmの薄いケースに収めた点でも異例だった。文字盤のハニカム彫りは、創業者ルイ-ユリス・ショパールが最初に用いた蜂の巣の紋章に由来すると伝わる。素材の面でもL.U.Cは方向を定めた。ショパールは追跡可能な「フェアマインド」金の採用を進め、倫理的に採掘された金で時計をつくる取り組みを広げている。2025年にはQuattroが25周年、Lunar Oneが20周年を迎え、2026年に製造設立30周年を控える。ジュエラーが取りに行った製造の正統性は、四半世紀を越えて一つの系譜になった。

03 — DESIGN · 設計思想

意匠を貫く設計言語

What this series guards, and what it lets change

L.U.Cの設計を貫くのは、装飾を抑えた佇まいと、見えない部分への徹底である。ショパールは宝飾やハッピーダイヤモンド、ミレ・ミリアで広く知られるが、L.U.Cはそれらとは別の文法を持つ。丸みのある端正なケース、整理された文字盤、控えめなインデックス。色や装飾やサイズで主張するのではなく、寸法と仕上げで語る方針が一貫している。

機能設計の核はマイクロローターである。回転錘を機械内に沈めることで薄さを稼ぎ、同時に裏蓋越しの眺めを開く。香箱を二段に重ねるツイン・テクノロジーは、薄さと駆動時間という相反しがちな要素を両立させるための解であり、これを四つに増やしたのがQuattroの四香箱だった。薄型自動巻からトゥールビヨン、永久カレンダー、ミニッツリピーターに至るまで、L.U.Cの機械は一貫して薄く長く美しくという軸の上に置かれている。

意匠の継承も明快である。ハニカム(蜂の巣)の彫りは創業者が最初に用いた紋章に由来すると伝わり、世代を越えて文字盤に現れる。多くのモデルが手作業のギヨシェ彫りを採り、針やインデックスは視認性を損なわない範囲で抑制される。機械の仕上げはこの系譜の主役と言ってよい。コート・ド・ジュネーブ、ペルラージュ、面取り、鏡面研磨されたネジ——その多くは裏蓋を通してしか見えないが、ジュネーブ・シールやキュアリテ・フルリエ、COSCといった認定が、見えない品質を外部の基準で裏づける。

同時代のドレスウォッチと並べると輪郭が見えてくる。パテック・フィリップやジャガー・ルクルトもマイクロローターの薄型機を手がけ、A.ランゲ&ゾーネは仕上げで知られる。L.U.Cはそのなかで、宝飾の家が1996年から築いた比較的若い製造でありながら、認定を重ねて品質を可視化する道を選んだ点に特徴がある。近年は素材にも倫理性を求め、フェアマインド金の採用を進めてきた。派手さより節度、主張より証明——それがL.U.Cの設計思想である。

04 — MOVEMENT EVOLUTION

ムーブメントの変遷

Calibers across the decades
1996-現在
Cal. L.U.C 96.01-L 系
マイクロローターとツイン香箱の薄型自動巻。全機の原型。
2000-現在
Cal. L.U.C 98.01-L 系 (Quattro)
四つの香箱で216時間=9日巻を実現する手巻。
2003-現在
Cal. L.U.C 02系
Quattro基盤のトゥールビヨン。2010年に三重認定。
2005-現在
Cal. L.U.C 96.13-L ほか
96系基盤に永久カレンダー等を載せた複雑機構系。
2016-現在
Cal. L.U.C 08系
サファイアゴングの打音機構。Full Strike系。
05 — REFERENCE EVOLUTION

Ref. 変遷

Reference generations
1997

初代 L.U.C 1860

16 1860
自社製マイクロローター自動巻、ツイン香箱で65時間。製造の原点。
2000

L.U.C Quattro

16 1863
四つの香箱で1週間超の駆動。長時間パワーリザーブの先駆。
2003

L.U.C Tourbillon

Cal. L.U.C 02.01-L
自社初のトゥールビヨン。Quattro基盤で216時間を駆動。
2005

L.U.C Lunar One

Cal. L.U.C 96.13-L
オービタル・ムーンフェイズを備えた永久カレンダー。
2016

L.U.C Full Strike

Cal. L.U.C 08.01-L
サファイア一体ゴングを備えた自社初のミニッツリピーター。
2019

L.U.C Flying T Twin

161978-1001
自社初の自動巻フライング・トゥールビヨン。薄型7.2mm。
06 — ALL REFERENCES

このシリーズの全 2 モデル

2 references in archive