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CALIBER · VACHERON CONSTANTIN

1731QP

手巻 Handwound Analog

2019年、ミニッツリピーターと永久カレンダーを厚さ5.70mmに収めた、Les Cabinotiersの極薄キャリバー

1731QP
movement · 1731QP
図: ムーブメント — WatchBase
OVERVIEW · 概要

Cal. 1731 QPは、Vacheron Constantinが2019年にLes Cabinotiers部門で開発した、ミニッツリピーターと永久カレンダーを統合する手巻きキャリバーである。2013年発表のCal. 1731(発表当時、世界最薄の手巻きミニッツリピーター)を基盤に、ムーンフェイズ付き永久カレンダーを組み込みながら厚さ5.70mmに抑えた。直径32.80mm、438部品、3Hz、パワーリザーブ65時間、36石。一点物のLes Cabinotiers Minute Repeater Perpetual Calendar Ref. 6610Cに搭載され、ジュネーブシール認定を取得する。

SPECIFICATIONS · 仕様
MakerVacheron Constantin
Reference1731QP
TypeHandwound
DisplayAnalog
Frequency21,600 bph (3 Hz)
Jewels36 石
Power reserve65 h
Movement ⌀32.8 mm
HandsHours, Minutes
DateDate, Day, Leap Year, Month, Perpetual Calendar
AstronomicalMoonphase
AcousticMinute Repeater
EDITORIAL · 編纂

系譜と歴史

Genealogy & history

1. 「1731」という名 — 創業者の生年を冠した系譜

「1731」は、ヴァシュロン・コンスタンタンの創業者ジャン=マルク・ヴァシュロンの生年に由来する。同社の打刻時計の歴史は1810年の懐中時計型ミニッツリピーターまで遡る。1929年にはエジプト国王フアード I 世のための複雑時計、1941年にはミニッツリピーターを単独複雑機構として組み込んだ初の腕時計Cal. 4261を完成させた。1992年には厚さ3.28mmのミニッツリピーターCal. 1755を発表、同年にはミニッツリピーターと永久カレンダーを統合したRef. 30020もリリースしている。Cal. 1731 QPは、この長い系譜の延長線上に位置づけられる現代の到達点である。

2. ベースキャリバーCal. 1731からの拡張

Cal. 1731自体は2009年に開発が始まり、2013年に発表された手巻きミニッツリピーターである。当時、ムーブメント厚3.90mm、ケース厚8.09mmで「世界最薄の手巻きミニッツリピーター」を達成し、Cal. 1755からの世代交代を担った。Les Cabinotiers部門の時計師たちはこの極薄ベースに永久カレンダー機構を統合する課題に取り組み、ムーブメント全体を5.70mmに収めた。部品数は1731の265個から438個へと約1.65倍に増加している。発表は2019年のSIHHであり、当初は2点の一点物として制作された。

3. 搭載モデルと業界での位置

本キャリバーは、Les Cabinotiers Minute Repeater Perpetual Calendar に初搭載された。ホワイトゴールドケース(Ref. 6610C/000G-B511、ブルー オパリン文字盤)とピンクゴールドケース(Ref. 6610C/000R-B510、ブラウン オパリン文字盤)の2点が、それぞれ一点物として制作された。2023年のLa Musique du Temps® コレクションでも、同キャリバーを軸にした派生作品が発表されている。ミニッツリピーターと永久カレンダーをこの薄さに統合した自社製キャリバーは業界全体でも稀少で、Patek PhilippeやAudemars Piguetといった同領域の少数のブランドが手がける高難度カテゴリーに属する。

MECHANISM · 機構と仕様

技術解説

Technical breakdown

1. 構造の全体像

Cal. 1731 QPは手巻きの機械式キャリバーで、直径32.80mm、厚さ5.70mmの寸法に438個の部品を組み込む。振動数は21,600vph(3Hz)で、現代のスポーツウォッチ系キャリバーが採用する4Hz(28,800vph)よりも一段低い設定である。これは打刻機構の音響特性、すなわち音の余韻と倍音構造を優先した古典的な設計判断と理解できる。石数は36石、最大トルク状態でのパワーリザーブは約65時間と公表されている。

2. ミニッツリピーター機構

ミニッツリピーターはケース左側面のスライドを引くことで起動する。スライドが打刻専用ゼンマイを巻き上げ、ゼンマイが解ける過程で2本のハンマーが、ケースミドルに固定された2本のゴング(細い鋼線状のバネ)を打つ。スライドを引いた瞬間にラックと呼ばれる扇形の読取機構が時針と分針の位置から時刻を機械的に読み取り、低音(時)・低高音の二打(クォーター)・高音(分)の順序で打ち分ける。ゴングはケースに直接接続されており、ケース全体を共鳴体として機能させる設計が採られている。

3. フライング・サイレントガバナー

打刻機構の核心は、Vacheron Constantinが2007年にCal. 2755 グランドコンプリケーションのために開発した「フライング・サイレントガバナー」を継承する点にある。従来のレバー式アンカー型ガバナーは打刻のテンポを制御するために金属同士の機械的接触によるブザー音を伴うが、本機構は十字形の回転軸に2つの慣性質量(イナーシャブロック)を配する構造を採る。ガバナーが回転すると遠心力がブロックを外側へ押し出し、その反作用が回転軸を内側から押さえることで速度が自律的に安定する。空気抵抗と慣性のみで減速するため、打音と機械音が混ざらない。ガバナー軸のブリッジには、Vacheron Constantinのエンブレムであるマルタ十字が刻まれる。

4. 永久カレンダーと仕上げ

永久カレンダーは曜日、日付、月、うるう年に加えてムーンフェイズを表示する。閏年補正の機構により2100年まで日付調整の必要がない設計で、Patrimony Perpetual Calendar Ultra-Thinに搭載されるCal. 1120 QPの2100年問題と同様の設計思想に立つ。仕上げはジュネーブシール(ポワンソン・ド・ジュネーブ)の認定基準に準拠し、地板はサーキュラーグレイン、ブリッジはコート・ド・ジュネーブ、ハンマーはブラックポリッシュで仕上げられる。ブリッジのアウター・インナー両アングルは手作業で面取り研磨される。

04 — CARRIERS · 搭載モデル一覧

このキャリバーを搭載する 1 本のリファレンス

This caliber appears in 1 references