系譜と歴史
1. 「1731」という名 — 創業者の生年を冠した系譜
「1731」は、ヴァシュロン・コンスタンタンの創業者ジャン=マルク・ヴァシュロンの生年に由来する。同社の打刻時計の歴史は1810年の懐中時計型ミニッツリピーターまで遡る。1929年にはエジプト国王フアード I 世のための複雑時計、1941年にはミニッツリピーターを単独複雑機構として組み込んだ初の腕時計Cal. 4261を完成させた。1992年には厚さ3.28mmのミニッツリピーターCal. 1755を発表、同年にはミニッツリピーターと永久カレンダーを統合したRef. 30020もリリースしている。Cal. 1731 QPは、この長い系譜の延長線上に位置づけられる現代の到達点である。
2. ベースキャリバーCal. 1731からの拡張
Cal. 1731自体は2009年に開発が始まり、2013年に発表された手巻きミニッツリピーターである。当時、ムーブメント厚3.90mm、ケース厚8.09mmで「世界最薄の手巻きミニッツリピーター」を達成し、Cal. 1755からの世代交代を担った。Les Cabinotiers部門の時計師たちはこの極薄ベースに永久カレンダー機構を統合する課題に取り組み、ムーブメント全体を5.70mmに収めた。部品数は1731の265個から438個へと約1.65倍に増加している。発表は2019年のSIHHであり、当初は2点の一点物として制作された。
3. 搭載モデルと業界での位置
本キャリバーは、Les Cabinotiers Minute Repeater Perpetual Calendar に初搭載された。ホワイトゴールドケース(Ref. 6610C/000G-B511、ブルー オパリン文字盤)とピンクゴールドケース(Ref. 6610C/000R-B510、ブラウン オパリン文字盤)の2点が、それぞれ一点物として制作された。2023年のLa Musique du Temps® コレクションでも、同キャリバーを軸にした派生作品が発表されている。ミニッツリピーターと永久カレンダーをこの薄さに統合した自社製キャリバーは業界全体でも稀少で、Patek PhilippeやAudemars Piguetといった同領域の少数のブランドが手がける高難度カテゴリーに属する。