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CALIBER · Junghans

J800.1

自動巻 Automatic Analog デイト

ETA 2824-2またはSellita SW200-1を母体に、Junghansが装飾を施した自動巻。Max Bill Automaticの心臓部

振動数
28,800 vph · 4 Hz
パワーリザーブ
38 時間
石数
25 石
ムーブメント径
25.6 mm
NO IMAGE
movement · J800.1
01 — OVERVIEW

概要

J800.1は、汎用ムーブメントETA 2824-2、またはその互換機Sellita SW200-1を基盤に、Junghansが自社向けに仕立てた自動巻キャリバーである。毎時28,800振動(4Hz)、25石、約38時間のパワーリザーブを備え、秒針停止機構(ハック機能)と日付表示を持つ。Junghansはかつて世界最大の時計メーカーとして自社ムーブメントを多数手がけたが、現行の機械式三針モデルではこの汎用機ベースの基幹機を採用する。ローターには同社の象徴である星をあしらう。バウハウスの系譜を継ぐMax Bill Automaticの心臓部を担うキャリバーである。

02 — SPECIFICATIONS

仕様

MakerJunghans
ReferenceJ800.1
TypeAutomatic(自動巻)
DisplayAnalog
Frequency28,800 vph (4 Hz)
Jewels25 石
Power reserve38 h
Movement ⌀25.6 mm
HandsHours, Minutes, Seconds
DateDate
03 — EDITORIAL

系譜と歴史

Genealogy & history

かつての自社製造大国として

1861年、ドイツ・シュランベルクに創業したJunghansは、1903年には従業員3,000名を擁する世界最大の時計メーカーへと成長した。1936年には初の自社高精度キャリバーJ80を、1946年には手巻クロノグラフ用のコラムホイール機構J88を世に送り出す。J88は連邦軍(Bundeswehr)の制式時計にも採用され、1956年にはRolex、Omegaに次ぐ世界第3位のクロノメーター製造者となった。翌1957年には初の自動巻クロノメーターキャリバーJ83を発表するなど、機械式の黄金期を牽引した存在である。

クォーツ危機を経て経営は変転し、2000年代には深刻な苦境に陥る。2009年、地元シュランベルクのSteim家が経営を引き継ぎ、製造拠点を故郷に戻した。現行の機械式三針モデルにおいて、Junghansは自社一貫製造ではなく、信頼性の高い汎用ムーブメントを基盤に据える道を選んでいる。J800.1は、その選択を体現するキャリバーである。

ETA 2824-2という基盤

J800.1の母体の一つであるETA 2824-2は、業界の共通基盤として広く知られる自動巻ムーブメントである。その源流はEternaが手がけたCal.1427にさかのぼり、現行の2824-2は1982年から量産が続く。堅牢で整備性に優れ、数多のブランドへ供給されてきた実績から、しばしば「ワークホース(働き者)」と評される。

ETA 2824-2には、調整位置数や部材によってStandard、Élaboré、Top、Chronometerの各グレードが存在する。たとえばStandardは2姿勢、Topは5姿勢で調整され、上位グレードはGlucydur製テンプやAnachronヒゲゼンマイを採用する。2002年、Swatch Group傘下のETAが系列外ブランドへの供給を段階的に絞る方針を表明すると、設計が公知となっていた本機を基にSellitaがSW200-1を量産した。Junghansを含む多くのブランドが、ETAとSellitaの双方を基盤として併用する背景には、こうした業界の事情がある。

現代のJunghansキャリバー群

Junghansは、汎用機を基にした各機を自社の型番体系で展開する。三針自動巻のJ800.1に対し、手巻仕様はJ805.1としてパワーリザーブを約42時間に延ばし、クロノグラフはValjoux 7750を基盤とするJ880.2が担う。いずれも基幹はスイス製の汎用機だが、Junghansはローターに同社の象徴である星のモチーフを刻み、シースルーバックを備える上位版では独自の仕上げを施す。

機構そのものは業界共通の資産でありながら、装飾と型番によってブランドの文脈へと織り直す。それが現代Junghansのムーブメント観である。バウハウスの理念を受け継ぐMax Billコレクションにおいて、J800.1は最も基本的な三針自動巻の役割を静かに担い続けている。

04 — LINEAGE

キャリバーの系譜

Predecessors & derivatives
05 — MECHANISM

技術解説

Technical breakdown

J800.1の機構は、母体であるETA 2824-2、またはその互換機SW200-1の構成を受け継ぐ。直径25.6mm(11.5型)、厚さ4.6mmという寸法は汎用自動巻の標準的な体格であり、薄型のドレスケースから実用時計まで幅広く収まる。

調速機構とテンプ

調速を担うのは、毎時28,800振動(4Hz)で往復するテンプ(時間の基準を刻む回転振動体)である。4Hzは1秒間に8回の歩度を刻む計算で、現行の実用ムーブメントとして標準的な高振動帯にあたる。振動数が高いほど外乱に対して安定しやすく、姿勢差を抑えやすい。脱進機(蓄えたエネルギーを一定間隔で解き放つ機構)はスイスレバー式で、ヒゲゼンマイにはNivaroxが用いられる。緩急針によってヒゲゼンマイの有効長を調整し、日差を追い込む伝統的な調速方式を踏襲する。

ETA 2824-2にはStandard、Élaboré、Top、Chronometerの各グレードがあり、調整姿勢数やテンプ素材が異なる。Junghansが標準モデルに採用するグレードは公表されていないが、25石という石数と公式マニュアルの記載は、ETAベース構成と整合する。

自動巻機構と香箱

自動巻のローターは香箱受けの中央一点でネジ留めされ、その上にコハゼ車と角穴車が重なる。2枚の反転車(リバーシングホイール)を介して両方向の回転を巻き上げに変換する、ETA系に特徴的な構成である。香箱(ゼンマイを収める円筒)1個から得られるパワーリザーブは約38時間で、現行の長時間駆動ムーブメントと比べると控えめだが、4Hzの高振動を維持する実用機として無理のない設計といえる。

3時位置の日付機構は、リューズから直接早送りできる方式を採る。秒針停止機構(ハック機能)を備え、リューズを引くと秒針が止まるため、時刻の正確な合わせ込みが可能である。

仕上げとJunghansの装飾

Junghansは、汎用機の基盤に独自の装飾を加える。多くのMax Bill Automaticはソリッドバックのため機構は見えないが、シースルーバックを備える上位版や限定モデルでは、Junghansの星をあしらった専用ローターや、ロジウム仕上げ・ブルースクリューといった装飾が確認できる。なお、Sellita SW200-1を基盤とする個体では石数が26石となる場合があり、同じJ800.1の名称でも母体によって細部が異なる点には留意したい。構成部品が広く流通し、特殊工具を要さない点も、実用機としての長所として挙げられる。

06 — CARRIERS

このキャリバーを搭載する 1 本のリファレンス

This caliber appears in 1 references
07 — SOURCES

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

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