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CALIBER · CARTIER

1904-FU MC

自動巻 Automatic Analog

2014年、カルティエが1904 MCを基盤に第2時間帯を組み込んだ、レトログラード表示の自社製自動巻

1904-FU MC
movement · 1904-FU MC
図: ムーブメント — WatchBase
OVERVIEW · 概要

1904-FU MCは、2014年にカルティエ・マニュファクチュールが発表した自社製の自動巻キャリバーである。2010年の基盤キャリバー1904 MCに、レトログラード式の第2時間帯、デイ&ナイト表示、ラージデイトを加えるモジュールを組み合わせる。振動数は28,800vph (4Hz)、パワーリザーブは約48時間で、ツインバレル(2つの香箱)を備える。追加機能はすべてリューズから設定でき、押すごとに第2時間帯が1時間ずつ進む。ロトンド ドゥ カルティエ セカンドタイムゾーン デイ&ナイト(2014年)に初搭載され、後にドライブ ドゥ カルティエにも展開された。

SPECIFICATIONS · 仕様
MakerCartier
Reference1904-FU MC
TypeAutomatic
DisplayAnalog
Frequency28,800 bph (4 Hz)
Jewels27 石
Power reserve48 h
Movement ⌀25.6 mm
HandsHours, Minutes, Small Seconds, Additional 12 Hour Hand (adjustable), Day / Night Indication
DateBig Date
EDITORIAL · 編纂

系譜と歴史

Genealogy & history

1904 MCという基盤

カルティエは2000年代後半、デザインの名門から機械式ムーブメントの作り手へと軸足を移した。その象徴が、2010年に発表された同社初の本格的な量産自社製自動巻、1904 MCである。型番は、ルイ・カルティエが飛行家アルベルト・サントス=デュモンのために腕時計を手がけた1904年に由来する。ムーブメント開発は、2005年から2020年まで開発部門を率いたカロル・フォレスティエ=カサピが主導したとされる。1904 MCは直径11.5リーニュ(25.6mm)で、汎用キャリバーのETA 2892と同径に設計された。これは交換や保守のしやすさを意識した設計と伝わる。

第2時間帯を組み込む

1904 MCは当初から、追加機構を載せることを前提に設計されていた。その柔軟性を生かした派生が、2014年に登場した1904-FU MCである。「FU」はフランス語の「fuseaux(時間帯)」に由来し、カルティエは1904-FUSEAU MCとも表記する。基盤の1904 MCに、ラージデイト、1から12を指すレトログラード式の第2時間帯、デイ&ナイト表示を加える。特筆すべきは、これらの設定をすべてリューズに集約した点である。リューズを押すたびに第2時間帯が1時間ずつ進む構造で、カルティエにとって初の試みであった。初搭載は、ロトンド ドゥ カルティエ セカンドタイムゾーン デイ&ナイト(直径42mm)である。

スモールコンプリケーションとしての展開

1904-FU MCは、時刻表示のみのモデルと高級複雑時計の中間を埋める存在として位置づけられた。2016年以降は、クラシックカーに着想を得たクッション型のドライブ ドゥ カルティエにも搭載される。1904 MCの一族には、クロノグラフ機構を統合した1904-CH MCなど複数の派生があり、FUはその時間帯表示版にあたる。実用的な複雑機構を、自社製基盤の上で手の届く価格帯に収める。その設計思想を体現するキャリバーである。

MECHANISM · 機構と仕様

技術解説

Technical breakdown

基盤の構造とツインバレル

1904-FU MCの土台となる1904 MCは、直径11.5リーニュ(25.6mm)の自動巻機構である。最大の特徴は、2つの香箱(ぜんまいを収める円筒)を直列に連結したツインバレルにある。これは出力トルクの変動を抑え、巻き上げ量の多少にかかわらず精度を安定させるための構造である。約48時間というパワーリザーブは突出した長さではないが、香箱を増やしてトルクの平準化を優先した結果と伝わる。自動巻のローターはセラミック製のボールベアリングで支持され、V字型の爪(つめ)を介して両方向に巻き上げる。この巻き上げ機構はセイコーのマジックレバーに近い発想とされ、双方向で効率よくぜんまいを巻き上げる。基盤の厚みは4mmだが、第2時間帯モジュールを重ねるFU版はこれより厚くなる。

振動数と調速

テンプ(時を刻む振り子に相当する調速機構)は毎時28,800回、すなわち28,800vph (4Hz)で振動する。1秒あたり8回の歩度を刻む現代的な標準値で、耐衝撃性と精度の均衡をとる。緩急の微調整は、C字型のインデックスを動かす微調整機構(ファインレギュレーター)で行う。この針状のインデックスは、カルティエの時計師が手作業で角度を詰めて精度を追い込むとされる。石数は28石で、基盤の1904 MC(27石)に第2時間帯モジュール分が加わるとされる。

追加モジュールとリューズ集中設定

1904-FU MCの個性は、基盤に重ねた複雑機構モジュールにある。12時位置にラージデイト、10時位置に1から12を指すレトログラード式の第2時間帯、そして昼夜を示すデイ&ナイト表示を備える。レトログラードとは、指針が扇形の末端まで来ると始点へ瞬時に戻る方式を指す。第2時間帯の目盛りには数字を置かず、針の位置で時刻を読ませる構成で、デイ&ナイトは小窓で昼夜を示す。機構上の要は、これらの設定をすべてリューズに集約した点である。リューズを押すごとに第2時間帯が1時間ずつ送られ、日付やデイ&ナイト表示もこの操作に連動して整えられる。複数の押しボタンを設けず、操作を一点にまとめた設計と言える。これにより、ケース側面はリューズのみの簡潔な構成に収まる。

仕上げ

ブリッジ(地板を支える橋)とローターにはコート・ド・ジュネーブ(筋状の装飾)、ねじ頭には研磨が施される。サファイアクリスタルのケースバックから、これらの仕上げと機構を観賞できる。第2時間帯版ではロジウム基調の単色仕上げがとられ、華やかな装飾よりも機構の見通しを優先した構成と伝わる。

04 — CARRIERS · 搭載モデル一覧

このキャリバーを搭載する 1 本のリファレンス

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