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Cartier · Rotonde de Cartier · 2014–2015

Rotonde de Cartier Second Time Zone Day / Night White Gold / Blue

2014年発表、Cartier自社機構を積むセカンドタイムゾーン。ブルーのギヨシェ文字盤をまとう200本限定のホワイトゴールド

W1556241は、Cartierが2014年のWatches and Wondersで立ち上げた「スモール・コンプリケーション」コレクションの一本、Rotonde de Cartier Second Time Zone Day/Nightのホワイトゴールド仕様である。直径42mmのケースに、自社開発の自動巻きCal.1904-FU MCを搭載。12時の大型日付、10時のレトログラード式セカンドタイムゾーン、4時の昼夜表示、6時のスモールセコンドを備え、全機構をリューズひとつで操作する。本Refはブルーのギヨシェ文字盤をまとう200本の限定で、通常生産のスティールやピンクゴールドとは一線を画す一本であった。

Ref. W1556241
発表年 2014
状態 生産終了
限定 限定 200
コレクション Rotonde de Cartier
カテゴリ GMT
キャリバー 1904-FU MC
ケース径 42 mm
防水 30 m
関連人物 ルイ・カルティエ
GMT デイト デイナイト表示
01 — Specification

仕様

As of WatchBase sync · 2026.06.09
このモデルを比較する
Case · ケース
素材 White Gold
形状 Round
径 42 mm
厚さ 11.96 mm
ガラス Sapphire
裏蓋 Open
防水 30 m
Movement · ムーブメント
キャリバー 1904-FU MC
タイプ Automatic
振動数 28,800 bph
石数 27 石
パワーリザーブ 48 時間
Dial · 文字盤 / Hands · 針
文字盤色 Blue
インデックス Roman Numerals
針 Sword
i — Editorial

設計思想

Design philosophy

「使える複雑機構」への舵

2010年、CartierはSIHHで自社初の量産自動巻きCal.1904 MCを発表し、ムーブメントの内製化に本格的に踏み出した。それまで多くのモデルが汎用機を積んできたなかで、この一歩はブランドの時計づくりの重心を動かすものであった。以後Cartierは、トゥールビヨンや永久カレンダーといった大複雑だけでなく、日常で役立つ複雑機構をこのベース機から派生させていく。Rotonde de Cartier Second Time Zone Day/Nightは、その流れのなかで2014年に登場した。

新コレクションとして生まれる

本モデルは特定の前任Refを更新したものではなく、「スモール・コンプリケーション」と銘打つ新しい系列の一員として世に出た。Cartierはこのとき、セカンドタイムゾーンと昼夜表示、大型日付を組み合わせた旅行者向けの一本と、カレンダーとパワーリザーブを示す一本を同時に立ち上げている。継承されたのは意匠ではなく機構の血統であった。Cal.1904 MCを土台に第2時間帯機構を加えたCal.1904-FU MCが新たに起こされ、本機に積まれた。連続するのは技術の系譜であり、姿そのものは新しい。

ブルー文字盤が担う役割

3つの仕様のうち、ホワイトゴールドにブルー文字盤を合わせたW1556241だけが200本の限定とされた。広く流通したスティールやピンクゴールドと異なり、本Refはコレクション内で特別な位置を与えられた一本といえる。ブルーは当時のCartierではあまり見られない色で、限定版に用いられることが多かった。ホワイトゴールドの白との取り合わせは、機能を主役に据えつつも華やぎを失わない。多機能でありながら派手に走らない構成は、「実用的な複雑時計」という当時のCartierの主張をよく体現している。

受け継がれた機構

Cal.1904-FU MCは本コレクションにとどまらず、のちにクッション型ケースのDrive de Cartierのセカンドタイムゾーン仕様にも用いられたとされる。W1556241は、その機構が最初に世へ問われた一群のひとつとして、Cartierのスモール・コンプリケーション戦略の起点を今に伝えている。


ii — Editorial

意匠分析

Visual analysis

ケースと装い

ケースは直径42mm、厚さ11.96mm。18Kホワイトゴールド製で、Rotondeらしい円形の端正な輪郭を持つ。4つの表示を抱える機構時計でありながら、厚みを12mmに満たない水準へ抑えた点は装着感に効いている。溝を刻んだリューズの頭にはブルーのカボションを冠する。Cartierの時計が長く受け継ぐ意匠であり、本Refでは文字盤の青と呼応する。純正ストラップにはアリゲーターを用いる。

ブルー文字盤とハンド

本仕様を最も特徴づけるのが、深いブルーのギヨシェ文字盤である。彫り込まれた幾何学模様は見る角度で陰影を変え、白いローマ数字との対比が視認性を支える。白いローマ数字が深いブルーに映え、通常版の銀のギヨシェ文字盤とブルースチールのブレゲ型針の組み合わせとは趣を異にする。

レイアウトとムーブメント

4つの情報は文字盤上に分散して配される。12時の大型日付が上方の重心となり、6時のスモールセコンドがこれと釣り合う。10時のセカンドタイムゾーンは、扇形のレトログラード目盛で示され、弧を描く針が第2時間帯を指す。4時の昼夜表示がこれを補う。数字を省いた目盛は読み取りに慣れを要する一方、多機能ダイヤルを煩雑に見せない効果を持つ。搭載するCal.1904-FU MCはCartierの自社開発で、ツインバレルにより48時間の動力を蓄え、毎時28,800振動 (4Hz) で時を刻む。セカンドタイムゾーン、昼夜、日付を含む全機構の調整がリューズひとつで完結し、リューズを押すごとに第2時間帯が1時間ずつ送られる。サファイアクリスタルのシースルーバックからは、価格帯相応の、大部分をロジウムで単色に仕上げた機械を望める。


iii — Editorial

系譜と歴史

Lineage

W1556241は、2014年に香港で開催されたWatches and Wondersで発表された。Cartierがこの催事で立ち上げた、男性向けの「スモール・コンプリケーション」と位置づける新コレクションの一員である。Rotonde de Cartier Second Time Zone Day/Nightと名付けられたこのモデルには、発表の時点でケースと文字盤の異なる3つの仕様が用意された。スティールにシルバー文字盤、ピンクゴールドにシルバー文字盤、そしてホワイトゴールドにブルー文字盤の3種である。スティールは手の届く入門の複雑時計として位置づけられた。

このうちW1556241は、ホワイトゴールドケースにブルーのギヨシェ文字盤を合わせた仕様にあたる。スティールとピンクゴールドが通常生産であったのに対し、ブルー文字盤のホワイトゴールドのみが200本の限定生産とされた。本数を限ったのはこの一本だけであり、そこに本仕様の特別な扱いがうかがえる。ブルーの文字盤は当時のCartierでは珍しく、限定モデルに用いられることの多い色であり、W1556241もその例に連なる。

発表ののち、文字盤の構成やケース仕様に変更が加えられた記録は確認できない。限定された本数の範囲で、当初の姿のまま生産が進められたとみられる。

W1556241は限定200本という性格上、所定の本数が市場へ行き渡った時点で供給を終えている。Rotonde de Cartierのスモール・コンプリケーション系は現在のカタログには見当たらず、本Refも現行品ではない。


Sources

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

  1. 01 公式 Watches - Cartier 公式 · Cartier · 2026.08.15 閲覧 Cartier · 2026.08.15
  2. 02 専門メディア Hands-On With The Rotonde De Cartier Second Time Zone Day/Night (With Photos And Price) 専門メディア · SJX Watches · 2026.10.12 閲覧 SJX Watches · 2026.10.12
  3. 03 専門メディア W&W 2014: Introducing The Rotonde De Cartier Second Time Zone Day/Night, A Small Complication Starting At Under $10,000 (With Specs And Price) 専門メディア · SJX Watches · 2026.10.12 閲覧 SJX Watches · 2026.10.12
02 — Derivatives

同型・派生 Ref

Color · material · bracelet variants