1969年、四角い革命
1960年代後半、自動巻きが時計の標準となるなか、手巻きしか持たないクロノグラフは置き去りにされつつあった。Heuer-Leonidas、Breitling、Hamilton-Buren、Dubois-Déprazの4社は1965年頃から自動巻きクロノグラフの共同開発に乗り出す。プロジェクト名は「Project 99」、完成品はChronomaticと名付けられた。
1969年1月、ゼニスがEl Primeroを先行発表。5月にはセイコーもCal. 6139を投入し、史上初の自動巻きクロノグラフを巡る三つ巴の競争となった。Heuer陣営は3月3日、ジュネーブとニューヨークで同時発表を行い、Calibre 11搭載のAutavia、Carrera、Monacoを世に問う。
Monacoのケースは、スイスの専門メーカーErwin Piquerezによる新設計だった。四角いケースで100m防水を実現したのは業界初の試みであり、Heuerはこのデザインを独占的に確保した。Buren社のベース機構の都合でリューズは左側に置かれたが、Jack Heuerはこれを「自動巻きで日々の巻き上げを要しない」ことの意匠的表現へと反転させた。最初期モデルRef. 1133が、Monacoの起点である。