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HAMILTON · SERIES

Frogman

フロッグマン

第二次大戦の米海軍ダイバーに源を持ち、キャンティーン式リューズの記憶を受け継ぐ軍用ダイバー。

01 — 概要 / SUMMARY

フロッグマンは、第二次世界大戦中に米海軍の水中破壊チームへ供給された防水時計を源流とする、ハミルトンのダイバーズウォッチである。水筒の栓に似た「キャンティーン」式のリューズ保護と、1951年の映画『The Frogmen』に由来する名を受け継ぎ、2016年に現代のコレクションとして復活した。現行は46mmモデルと、装着性を高めたフロッグマン 41、黒PVD仕様などで構成され、視認性とリューズ保護機構を軸とした道具としての性格を一貫して保っている。

02 — STORY · 物語

Frogman(フロッグマン)、これまでの軌跡

The story of this series
01

軍用ダイバーの系譜

第二次世界大戦中、米海軍は上陸作戦に先立って機雷や障害物を除去する水中破壊チーム(NCDU、のちのUDT)を編成した。彼らの任務には、水中でも確実に時を読める防水時計が欠かせなかった。ハミルトンはこの要請に応え、1943年頃から海軍のBuShips(艦船局)仕様の防水時計を供給したとされる。

ハミルトンが納めたのは、のちに「キャンティーン」と通称される一本である。内側のリューズの上から、水筒の栓を思わせる外蓋をねじ込んで密閉する独特の構造を持ち、外蓋はケースバンドに付けた短いチェーンで本体に繋がれていた。この時計はNCDUの装備として、機雷除去の任務に用いられた。派手な回転ベゼルこそ持たないが、視認性と堅牢性を最優先したこの一本は、量産ダイバーの先駆けの一つとされる。

02

銀幕の「フロッグマン」

1951年、米海軍の水中破壊チームを描いた映画『The Frogmen』が公開された。同じ年に最初の民生版フロッグマンが登場し、ハミルトンの時計がスクリーンに登場したのはこのときが最初とされ、以後ハミルトンが築く映画との長い関係の、最初の一歩となった。「フロッグマン」とは水中破壊チームの隊員を指す俗称であり、この呼び名がそのまま、のちのコレクション名の由来となる。軍用の実用品が、映画を通じて文化的な記憶へと変わっていった瞬間である。

03

2016年、現代のダイバーとして

キャンティーンの記憶は長く眠っていたが、ハミルトンは2016年のバーゼルワールドで、これを現代のダイバーズウォッチとして甦らせた。中核となった46mmのチタンモデル(Ref. H77805335)は、ISO 6425の認証を得た1000m防水(100気圧)とヘリウムエスケープバルブを備える本格的な飽和潜水仕様で、赤い片方向回転ベゼルと、リューズを固定する大ぶりのロック機構が目を引いた。同時に発表された42mmのスティールモデル(Ref. H77605135・H77705145)はヘリウムエスケープバルブを持たない300m防水で、より日常的な選択肢となった。機械はいずれも80時間のパワーリザーブを持つ自動巻キャリバーH-10。フリーダイビングの記録保持者ピエール・フローラをアンバサダーに迎えたことも、この時計の性格を物語っていた。

04

2022年の全面刷新

2016年版は道具としての迫力に振り切った一本だったが、2022年、ハミルトンはフロッグマンを大きく作り替えた。ケース径46mm・厚さ13.58mmで線を整理し、リューズを固定するロック機構を、リューズの上を覆うブリッジ型のガードへと置き換えた。素材はスティールへ、防水は300mとなり飽和潜水仕様からは退いたが、ニヴァクロン製のひげぜんまいによって耐磁性を高めている。日付表示も省かれた。新作は既存の全モデルを置き換え、黒PVDの一本(Ref. H77845330)も加わって、コレクションはより手に取りやすい姿へと変わった。

05

フロッグマン 41 と現在地

2023年、ハミルトンは46mmに加え、ケース径41mm・厚さ13.09mmの「フロッグマン 41」(Ref. H77455330 ほか)を投入した。文字盤は黒とカーキグリーンが用意された。装着性を広げたこの小型版は、ブリッジ型のリューズガードと300m防水を受け継ぎ、コレクションの中核へと育っている。2025年には、黒一色だった針とインデックスをスティール版と同じ白い夜光入りへ改め、視認性を高めた46mmの黒PVDモデルも登場した。源流である軍用ダイバーと現行モデルの仕様の隔たりは大きいが、リューズ保護機構という意匠の核は途切れていない。現代のフロッグマンは、スクリーンでの起用も重ね、源流が築いた銀幕との縁を今に保っている。

03 — DESIGN · 設計思想

意匠を貫く設計言語

What this series guards, and what it lets change

フロッグマンの意匠を貫くのは、リューズを守る突起の存在である。源流である軍用キャンティーンは、内側のリューズに水筒の栓のような外蓋をねじ込んで防水を確保した。現代版はこの構造をそのまま再現してはいないが、リューズの脇に大きな保護装置を置くという発想を一貫して受け継ぐ。2016年版ではリューズを押さえるロックアームとして、2022年以降はリューズの上を覆うブリッジとして現れた、この保護機構こそがフロッグマンの顔である。

機能面の思想は視認性に集約される。黒を基調とした文字盤、三面取りの太い針、夜光を厚く乗せたインデックス、秒針・分針の先端に置かれた赤やオレンジの差し色。いずれも水中という暗く揺れる環境で、瞬時に時刻と作動状態を読み取るための選択である。片方向回転ベゼルは潜水経過時間を計る道具であると同時に、視覚的な額縁として文字盤を引き締める役割も担う。

サイズへの姿勢は、同時代のダイバーズとは異なる。多くの実用ダイバーが装着性のために径を抑えるなか、フロッグマンはむしろ大きさを道具の証として打ち出してきた。46mmという径は、ウェットスーツの上から扱うことを前提とした選択である。2023年の41mmは、その思想を保ちつつ日常へ歩み寄った調整であり、シリーズが「道具らしさ」と「装着性」の間で揺れてきたことを示す。

クラウンガードという発想は、パネライのルミノールにも見られる。だが両者の出自は異なる。ルミノールがクッションケースのレバー機構に由来するのに対し、フロッグマンのそれは戦時の防水原器に根ざす。同じ防水という課題に、各シリーズが固有の歴史から導いた答えの違いが、その輪郭を形づくっている。

04 — MOVEMENT EVOLUTION

ムーブメントの変遷

Calibers across the decades
1940s
ハミルトン手巻(軍用)
BuShips仕様の軍用防水時計を駆動した手巻。
2016-2022
Cal. H-10(ETA C07.611 系)
自動巻。毎時21,600振動・80時間リザーブで復活。
2022-現在
Cal. H-10(Nivachron 仕様)
ニヴァクロン製ひげぜんまいで耐磁性を強化。
05 — REFERENCE EVOLUTION

Ref. 変遷

Reference generations
1943-1951

原型 — 軍用キャンティーン

米海軍 BuShips キャンティーン(軍用)
米海軍水中破壊チームの防水原器。1951年に映画で銀幕初登場。
2016-2022

現代版フロッグマン復活

H77805335 H77605135 ほか
チタン46mm(1000m防水)とスティール42mm(300m防水)で復活。
2022-現在

46mmの全面刷新世代

H77825330 ほか
スティール製46mmへ。ブリッジ型リューズガードに刷新、300m防水。
2023-現在

小型版フロッグマン 41

H77455330 ほか
ケース径41mmへ小型化。装着性を広げた現行の中核モデル。
Sources

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

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  8. 08 専門メディア Hamilton: Khaki Navy Frogman Automatic 41 mm 専門メディア · WatchTime(ドイツ版) · 2026.10.12 閲覧 WatchTime(ドイツ版) · 2026.10.12
  9. 09 専門メディア Hamilton Unveils Updated Khaki Navy Frogman Automatic Watches 専門メディア · aBlogtoWatch · 2026.10.12 閲覧 aBlogtoWatch · 2026.10.12
  10. 10 ブログ Hamilton - Khaki Navy Frogman 46 mm and 42 mm ブログ · Time and Watches · 2026.10.12 閲覧 Time and Watches · 2026.10.12
06 — ALL REFERENCES

このシリーズの全 2 モデル

2 references in archive