軍用ダイバーの系譜
第二次世界大戦中、米海軍は上陸作戦に先立って機雷や障害物を除去する水中破壊チーム(NCDU、のちのUDT)を編成した。彼らの任務には、水中でも確実に時を読める防水時計が欠かせなかった。ハミルトンはこの要請に応え、1943年頃から海軍のBuShips(艦船局)仕様の防水時計を供給したとされる。
ハミルトンが納めたのは、のちに「キャンティーン」と通称される一本である。内側のリューズの上から、水筒の栓を思わせる外蓋をねじ込んで密閉する独特の構造を持ち、外蓋はケースバンドに付けた短いチェーンで本体に繋がれていた。この時計はNCDUの装備として、機雷除去の任務に用いられた。派手な回転ベゼルこそ持たないが、視認性と堅牢性を最優先したこの一本は、量産ダイバーの先駆けの一つとされる。