自社製ムーブメントへの転換
カルティエは長らく、ムーブメントを社外から調達する時計ブランドであった。1998年のSIHHで始まり2008年まで展開した上級ライン「コレクション プリヴェ カルティエ パリ」では、ジャガー・ルクルト、フレデリック・ピゲ、ピアジェ、ジラール・ペルゴ、オーデマ ピゲ系のルノー&パピなどから機械を得ていた。複数の供給元と各地の工房に依存する体制は工程を複雑にしていた。
そこでカルティエはラ・ショー・ド・フォンに3万平方メートルの製造拠点を、ジュネーブ・シールに沿った機械を作るための工房をジュネーブに整え、生産を自社の管理下へ移す。2008年のSIHHで華々しく発表された「ファインウォッチメイキング」コレクションは、その転換を世に示すものだった。最初に報道陣へ公開されたのはバロン ブルーのフライングトゥールビヨンで、ジュネーブの新工房で作られた自社製の手巻きCal. 9452 MCを搭載し、ジュネーブ・シールを帯びていた。円形のロトンドは、この新しい時計づくりを披露する中心的な器となっていく。