TERM · 用語 · その他
天文台コンクール
Observatory Chronometry Trials
天文台が時計の精度を計測し、成績に順位を付けた競技会。19世紀後半から1970年代まで開かれた
DEFINITION · 定義
天文台コンクール(Observatory Chronometry Trials)とは、天文台が主催した時計の精度競技会である。仏語ではConcours de chronométrieと呼ばれ、19世紀後半からスイスを中心に開かれた。出品された時計は姿勢や温度を変えて計測され、精度の安定性が点数化されて順位が付いた。基準を満たした個体には証書(Bulletin de marche)が与えられ、天文台クロノメーターと呼ばれた。上位には賞が授与され、メーカーは成績を広告に用いた。
主な舞台はスイスのヌーシャテル天文台とジュネーブ天文台で、英国のキュー天文台や仏ブザンソン天文台でも精度試験が行われた。第二次世界大戦後の腕時計部門では、ロンジン、オメガ、ゼニスらが上位を争った。出品機の多くは競技のために特別に調整された個体で、市販品とは性格が異なった。

1960年代後半にはセイコーが上位へ進出し、クォーツ時計も上位を占めるようになった。こうした変化を背景に、両天文台は1960年代末から1970年代にかけて競技を取りやめた。精度の公的な証明は現在、ブランド間の順位を付けないCOSCなどのクロノメーター認定が担っている。
— SOURCES
出典
本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。
- 01 公式 Methods of measurement
- 02 公式 History | Grand Seiko
- 03 公式 Toward Developing Products Comparable to Timepieces from Switzerland
- 04 専門メディア In-Depth: Seiko’s Legendary History in Observatory Chronometer Trials
- 05 専門メディア Introducing the Neuchâtel Observatory Chronometer Database
- 06 専門メディア Histoire de la précision en horlogerie (III) : la fin des concours de chronométrie
- 07 専門メディア How chronometers went from ships to wrists
- 08 専門メディア History of Chronometers Pt. 2: Observatory Trials