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CALIBER · TUDOR

MT5601-U

MT5601-U
自動巻 Automatic

2025年、Black Bay 68のために口径33.8mmをMETAS認定へ引き上げた自動巻

OVERVIEW · 概要

Cal. MT5601-Uは、2025年発表のBlack Bay 68 (Ref. M7943A1A0NU) に搭載されたTudor自社製の自動巻きキャリバーである。43mmケース向けに口径を広げたCal. MT5601を基礎とし、COSC認定に加えてMETASによるマスタークロノメーター認定を取得した。直径33.8mm、振動数28,800vph (4Hz)、25石、約70時間のパワーリザーブを持ち、15,000ガウスまでの磁界下でも作動する。可変慣性テンプ、両端固定の横断ブリッジ、シリコン製ヒゲゼンマイを備える。

SPECIFICATIONS · 仕様
MakerTudor
TypeAutomatic
Frequency28,800 bph (4 Hz)
Jewels25 石
Power reserve70 h
EDITORIAL · 編纂

系譜と歴史

Genealogy & history

Uが示すもの

Tudorの自社製キャリバーには、型番の末尾にUを持つ一群がある。2021年のBlack Bay Ceramicに載ったCal. MT5602-Uが最初で、これはオメガ以外のブランドとして初めてMETASのマスタークロノメーター認定を得たムーブメントであった。以後Tudorは、既存の自社製キャリバーをMETAS仕様へ順次移していく。

UはこのMETAS対応を示す記号である。COSC認定がムーブメント単体を5姿勢3温度で15日間試験するのに対し、METASの試験はケーシングを終えた完成状態の時計を対象とし、15,000ガウスの磁界曝露を含む8項目を10日間かけて課す。前提としてCOSC認定を保持している必要があり、二重の認定を通ることになる。

43mmの復権

Black Bayの系譜は、2018年の39mmブラックベイ58を境に小径化へ向かっていた。2023年には37mmのブラックベイ54が加わり、往年の比率を取り戻す方向が鮮明になる。

2025年のBlack Bay 68はその流れに逆らう。43mmという同コレクション最大のケース径を選び、ここに口径33.8mmのCal. MT5601-Uを収めた。68という名は、Tudorが現在の意匠上の象徴であるスノーフレーク針を構想した1968年に由来する。

MT56プラットフォームの現在

Cal. MT5601-Uは、Cal. MT5601をMETAS仕様へ更新したものである。基礎となるCal. MT5601自体が41mm用のCal. MT5602から口径を広げた派生であり、MT56という共通の型番のもとで、ケース径と認定の組み合わせによって機種が枝分かれする構造になっている。

Black Bay 68には青とシルバーの2種の文字盤が用意され、リファレンスはそれぞれM7943A1A0NU-0001とM7943A1A0NU-0002となる。いずれも同じCal. MT5601-Uを搭載し、防水性能は200mである。

MECHANISM · 機構と仕様

技術解説

Technical breakdown

構成と主要諸元

Cal. MT5601-Uは直径33.8mmの自動巻きキャリバーである。振動数は28,800vph (4Hz)、石数は25、パワーリザーブは約70時間。日付を持たない時・分・秒の3針構成で、ハック機能と手巻きに対応する。単一の香箱を両方向巻き上げの中央ローターで巻き上げる。

METAS認定への対応

METASのマスタークロノメーター認定は、ケーシングを終えた完成状態の時計に対して課される。試験項目は8つあり、15,000ガウスの磁界に曝した前後での日差、公称パワーリザーブの検証、防水性能などを含む。日差の基準はゼロからプラス5秒である。

耐磁性を担保する要はシリコン製のヒゲゼンマイにある。鉄・ニッケル合金製のヒゲゼンマイは強い磁界を受けると巻きが乱れて日差が大きく狂うが、シリコンは非磁性であるためその影響を受けない。Tudorは軟鉄製の内部ケースによる磁気シールドではなく、素材そのものを非磁性とする方法を採った。

可変慣性テンプと横断ブリッジ

調速機構はMT56系に共通する。テンプ内側の調整ネジで慣性モーメントを変える可変慣性テンプであり、緩急針を持たないフリースプラング方式である。テンプ受けは両端を固定する横断ブリッジとし、片持ち構造に比べて衝撃時のテンプ軸のたわみを抑える。

大径化した口径はテンプの直径にも余裕を与える。慣性モーメントを大きく取れるため外乱に強く、METASが課す厳しい姿勢差の要件に応えるうえでも有利に働く。

MT5601との関係

Cal. MT5601-Uは、43mmケース向けに口径を広げたCal. MT5601を基礎とする。地板と受けの寸法、輪列の配置、巻き上げ機構はいずれも共通で、両者を分けるのは認定への対応である。COSC認定にとどまるCal. MT5601に対し、Cal. MT5601-UはMETASの試験を通すための調整と検査工程を経る。

MT56というプラットフォームは、口径によってケース径に対応し、末尾の記号によって認定の段階を示す構造を持つ。31.8mmのCal. MT5602が41mm用、33.8mmのCal. MT5601が43mm用という役割分担があり、そこにUの有無が重なる。Cal. MT5602-UとCal. MT5601-Uはいずれもその組み合わせの一つである。

パワーリザーブの約70時間という値も、METASの試験対象に含まれる。ブランドが公称する持続時間を実際に満たすかが検証されるため、余裕を持った設計が求められる。

04 — CARRIERS · 搭載モデル一覧

このキャリバーを搭載する 2 本のリファレンス

This caliber appears in 2 references