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CALIBER · Jaeger-LeCoultre

899A/1

自動巻 Automatic Analog デイト

2018年のポラリス・デイトなどに載った、ジャガー・ルクルトの薄型自動巻Cal.899系の38時間版

振動数
28,800 vph · 4 Hz
パワーリザーブ
38 時間
石数
32 石
ムーブメント径
26 mm
Cal. 899A/1
movement · 899A/1 図: ムーブメント — WatchBase
01 — OVERVIEW

概要

Cal.899A/1は、ジャガー・ルクルトの自社製自動巻Cal.899系に属する38時間の版である。WatchBaseは、2018年に登場したポラリス・デイトや、ブッヘラー別注のマスター・ウルトラスリム・デイトの搭載機をこの名で挙げる。毎時28,800振動 (4Hz)、32石、部品数219点で、時・分・秒と日付を表示する。フリースプラング・テンプと一方向巻き上げを採る点はCal.899/1と同じで、両者の違いを説明する公表資料は見当たらない。

02 — SPECIFICATIONS

仕様

MakerJaeger-LeCoultre
Reference899A/1
TypeAutomatic(自動巻)
DisplayAnalog
Frequency28,800 vph (4 Hz)
Jewels32 石
Power reserve38 h
Movement ⌀26 mm
HandsHours, Minutes, Seconds
DateDate
03 — EDITORIAL

系譜と歴史

Genealogy & history

1. Cal.889からCal.899へ

Cal.899A/1の源流は、1983年に登場した薄型自動巻Cal.889である。汎用機の標準だったETA 2892とほぼ同じ直径で約0.3mm薄く、1990年代初頭には高級ブランドが用いるエボーシュ(半製品ムーブメント)の定番の一つとなった。オーデマ ピゲ、ヴァシュロン・コンスタンタン、IWCの時計にも載っている。2004年、ジャガー・ルクルトはこれをCal.899として作り直し、緩急針をフリースプラング・テンプに、切り替え式の双方向巻き上げを一方向巻き上げに改めた。Cal.899A/1は、この2004年の設計を基本とする38時間の世代に属する。

2. ポラリス・デイトへの搭載

2018年、ジャガー・ルクルトはポラリスを独立したスポーツ・コレクションとして立ち上げた。そのなかで、1968年のメモボックス・ポラリスにならって日付を備えたのが、42mm・200m防水のポラリス・デイトである。原型と同じ意匠を刻んだソリッドの裏蓋の下に、219部品・4Hz・38時間の自動巻が収まる。同じ年の3針のポラリス・オートマティックは日付を持たず、Cal.898E/1を用いる。WatchBaseはポラリス・デイトの搭載機をCal.899A/1とするが、Monochromeは同じ機械をCal.899/1と記しており、表記は資料によって分かれる。

3. 70時間の世代へ

2020年、マスター・コントロールの刷新に合わせて、Cal.899はシリコン製の脱進機と作り直した香箱、新しい潤滑油を得て、パワーリザーブを70時間に延ばした。ポラリス・デイトも後の仕様ではこの新世代に移り、2022年のグリーン・グラデーションのブティック版には70時間のCal.899ABが載る。Monochromeは、初期のポラリス・デイトのパワーリザーブが38時間だったと書いている。同社は新世代も含めて「Cal.899」の名で展開しており、/1やA/1、AB、ACといった枝番は資料によって表記が揺れる。

04 — LINEAGE

キャリバーの系譜

Predecessors & derivatives
05 — MECHANISM

技術解説

Technical breakdown

Cal.899A/1は、厚さ3.3mmに収めた中央ローター式の薄型自動巻とされる。毎時28,800振動 (4Hz)、すなわち1秒あたり8振動でテンプ(調速を担う振り子に相当する部品)が往復し、時・分・秒・日付を駆動する。

テンプとヒゲゼンマイ

調速系は、緩急針を持たないフリースプラング・テンプである。テンプ外周に設けた調整用のおもりで慣性モーメントを変え、歩度を整える。緩急針を動かしてヒゲゼンマイの有効長を変える方式に比べ、調整の基準が衝撃で動きにくく、長期の安定に有利とされる。2004年のCal.899で、Cal.889の緩急針式から改められた点である。

脱進機と振動数

脱進機(ぜんまいのエネルギーを一定間隔で逃がし、針の歩みを刻む機構)はスイスレバー式である。ガンギ車とアンクルが噛み合い、テンプの往復に同期して動力を小刻みに解放する。28,800振動という比較的高い振動数は、姿勢の変化や衝撃の影響をならしやすい。なお、ガンギ車とアンクルをシリコン製とするのは2020年以降の新世代で、本機は金属部品による構成である。

自動巻機構

巻き上げは、セラミック製のボールベアリングで支えた中央ローターによる一方向式である。源流のCal.889は切り替え機構を介した双方向巻き上げを採っていたが、Cal.899で構造を簡素にした一方向式に改められ、同社はこの方式をより効率的と判断している。ローターの回転は減速輪列を経て香箱の主ゼンマイを巻き上げ、手巻きも併用できる。

香箱とパワーリザーブ

動力は1つの香箱に蓄えられ、満巻きで38時間を確保する。2020年以降の新世代は、より強く長い主ゼンマイを収める香箱と新しい潤滑油、シリコン脱進機の組み合わせで70時間に達しており、38時間の本機はその前の世代にあたる。

仕上げと検査

ブリッジには面取りとコート・ド・ジュネーブ(平行な擦り目による装飾)が施される。ただしポラリス・デイトの裏蓋は原型の意匠を刻んだソリッドで、機械は外から見えない。Monochromeは、見えない位置にありながら装飾の仕上がりは好ましいと評している。完成品は、ジャガー・ルクルトが1992年に導入した社内試験「1000時間コントロール」を経る。防水やパワーリザーブなど、第三者機関によるクロノメーター検定(COSC)が扱わない項目まで確かめる、自社基準による品質保証である。

06 — CARRIERS

このキャリバーを搭載する 1 本のリファレンス

This caliber appears in 1 references
07 — SOURCES

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

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