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CALIBER · HUBLOT

HUB1120

自動巻 Automatic Analog

コンパクト設計のゼリタSW1000を基に、ビッグ・バン33など小径モデルを担うウブロの自動巻

OVERVIEW · 概要

HUB1120は、ウブロが小径ケース向けに採用する自動巻きキャリバーである。ベースはスイスのゼリタが手がけたコンパクトムーブメントSW1000-1で、直径約20mmと小ぶりながら日付表示を備える。毎時28,800振動 (4Hz)、パワーリザーブは約40時間(素体公称46時間)、18石。重量のあるタングステン製ローターをボールベアリングで支持し、両方向に巻き上げる。ウブロのマニュファクチュール製ウニコやメカ10とは系統を異にし、汎用エボーシュを自社で仕上げ・組み立てた一群に属する。ビッグ・バン・ワンクリック33やクラシック・フュージョン33、スピリット・オブ・ビッグ・バンの小径モデルに搭載される。

SPECIFICATIONS · 仕様
MakerHublot
ReferenceHUB1120
TypeAutomatic
DisplayAnalog
Frequency28,800 bph (4 Hz)
Jewels18 石
Power reserve46 h
Movement ⌀25.6 mm
HandsHours, Minutes, Seconds
DateDate
EDITORIAL · 編纂

系譜と歴史

Genealogy & history

1. 小径ケースが求めた小さな心臓

ウブロの主力自動巻きであるウニコやメカ10は、いずれも比較的大ぶりなケースを前提とする。一方で同社は、ビッグ・バン・ワンクリックの33mmや39mm、クラシック・フュージョンの33mmといった小径モデルを展開してきた。これらの薄く小さなケースには、汎用の主力ムーブメントである直径25.6mm級のキャリバーは収まりにくい。日付表示を備えた小径の自動巻きを確保することが、HUB1120という選択の出発点であった。

2. ベースとなったゼリタSW1000

HUB1120のベースは、スイスのゼリタが2014年に発表したSW1000-1である。SW1000は直径約20mm (9リーニュ) の自動巻きで、同社の小型機SW100と主力のSW300の中間に位置する。注目すべきは、SW200やSW300がそれぞれETAの2824・2892を範とするのに対し、SW1000はゼリタが独自に設計した最初のムーブメントとされる点である。輪列やテンプ(調速を担う円盤状の振動体)の配置はSW300系に通じるものの、部品の共通性はないと伝わる。汎用ベースでありながら、出自の異なる設計を持つ。

3. ウブロにおける位置づけ

ウブロは「アート・オブ・フュージョン」の名のもと、ウニコやメカ10、MP系といったマニュファクチュール・キャリバーを擁する。HUB1120はそれらとは系統を異にし、外部のエボーシュ(半完成ムーブメント)を基に、自社で仕上げと組み立てを行う一群に属する。ローターはタングステン製でウブロのロゴを刻み、スケルトン化された姿がサファイアの裏蓋から覗く。基幹技術を誇示するキャリバーではなく、小径モデルの実用を担う堅実な存在である。

4. コンパクト自動巻きという土俵

直径25mmを下回り、かつ日付機構を備えた自動巻きは、市場に出回る選択肢が限られる。SW1000はその数少ない一つであり、ウブロのほかタグ・ホイヤーのキャリバー9やティファニーなども採用してきた。各社はこの共通の土台に独自のローターや仕上げ、認定を重ねて差別化を図る。HUB1120もまた、汎用ベースを各ブランドが自家薬籠中のものとする、現代の製造構造を映す一例といえる。

MECHANISM · 機構と仕様

技術解説

Technical breakdown

HUB1120の機構は、ベースとなったゼリタSW1000-1の構成をほぼそのまま継ぐ。直径は約20mm、厚さは約3.8mmと小ぶりで、小径ケースへの収まりを優先した設計である。

調速機構の中心は、毎時28,800振動 (4Hz) で往復するテンプ(調速を司る円盤状の振動体)である。4Hzとは1秒間に8回の振動を意味し、現代の実用機として標準的な高めの周波数にあたる。振動が速いほど外乱の影響を受けにくく、安定した精度を得やすい。脱進機(エネルギーを一定間隔で解き放つ機構)には、業界で広く用いられるスイスレバー式を採る。

自動巻きは、両方向に巻き上げるローターによる。SW1000系はボールベアリングで支持された重量のあるローターを用い、HUB1120ではこれをタングステン製とする。比重の大きいタングステンは、限られた径でも十分な巻き上げ効率を確保するのに適する。ヒゲゼンマイ(テンプの往復を司る渦巻き状のばね)とテンプの組み合わせが、精度の土台を成す。

石数は18石である。主力のSW300系が25石を数えるのに対し少ないが、これは香箱まわりや輪列の構成が異なることによる差であり、優劣を示すものではない。耐衝撃機構にはインカブロックを備え、日常の衝撃からテンプの軸を守る。

パワーリザーブについて、ウブロは約40時間と公表する。一方でベースのSW1000-1はゼリタ公称で約46時間とされ、両者には開きがある。実装上の調整や公表方針の違いによるものと考えられるが、確定的な根拠は示されていない。香箱(ゼンマイを収める部品)の容量と機構効率の範囲で、小径ケースに必要十分な駆動時間を確保した構成といえる。日付は3時位置に配し、リューズの操作で素早く修正できる。

精度の追い込みは、テンプ受けに設けた緩急針(レギュレーター)で行う標準的な方式による。緩急針を持たないフリースプラングのような上位機構は採らず、整備時の調整は平易である。耐磁については、軟鉄製インナーケースやシリコン部品といった特別な対策は備えず、標準的な実用機の範疇にとどまる。一方で、広く流通するゼリタ系をベースとするため、部品供給や保守の面で扱いやすいという実用上の利点を併せ持つ。

仕上げは、スケルトン化したローターにウブロのロゴをあしらう点が外観上の特徴である。コート・ド・ジュネーブやペルラージュといった装飾は、標準グレードのエボーシュでは控えめにとどまることが多い。クロノメーターやマスター・クロノメーターといった第三者認定は伴わず、標準グレードの実用キャリバーとして位置づけられる。誇示すべき独自機構を持つ性格ではなく、小径モデルを過不足なく動かす実直さに、このキャリバーの本領がある。

04 — CARRIERS · 搭載モデル一覧

このキャリバーを搭載する 1 本のリファレンス

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