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CALIBER · Breguet

777A

自動巻 Automatic Analog デイト

2018年のマリーン5517のために、777Qの技術を保ったまま海の意匠へ仕立て直したブレゲ自社製の自動巻

振動数
28,800 vph · 4 Hz
パワーリザーブ
55 時間
石数
26 石
ムーブメント径
27.1 mm
NO IMAGE
movement · 777A
01 — OVERVIEW

概要

Cal. 777Aは、ブレゲが自社で手がける自動巻きキャリバーである。毎時28,800振動 (4Hz)、26石、パワーリザーブは55時間で、時・分・センターセコンドに日付表示を備える。2006年にクラシック5177へ搭載された777Qを母体とし、2018年に登場したマリーン5517のために装飾を変えた版である。シリコン製の脱進機とヒゲゼンマイ、反転直進式のレバー脱進機という777Qの技術をそのまま保ち、ローターを船の舵輪を思わせる透かしとし、受けに甲板の板張りを思わせる太い筋目を入れた。

02 — SPECIFICATIONS

仕様

MakerBreguet
Reference777A
TypeAutomatic(自動巻)
DisplayAnalog
Frequency28,800 vph (4 Hz)
Jewels26 石
Power reserve55 h
Movement ⌀27.1 mm
HandsHours, Minutes, Seconds
DateDate
03 — EDITORIAL

系譜と歴史

Genealogy & history

1. マリーンの刷新とともに

ブレゲとマリーンという主題の結びつきは、フランス海軍の時計師の称号を得たとされる創業者アブラアン=ルイ・ブレゲにさかのぼる。現代のマリーン・コレクションの刷新は、2017年のバーゼルワールドで発表されたマリーン・エカシオン・マルシャント5887から始まった。トゥールビヨン、永久カレンダー、均時差表示を備えた複雑な時計で、同時にマリーンの新しい外観を示した。翌2018年、3針の時計からクロノグラフまで、コレクションの残りが同じ意匠へと改められる。その三針デイトの基幹モデルとして発表されたのが、ホワイトゴールド、ローズゴールド、チタンの3種からなる40mmのマリーン5517で、Cal. 777Aはこの5517のために用意された。

2. 777Qという母体

777系の出発点は、ブレゲが2006年にクラシック5177とともに発表したCal. 777Qである。777Qは、同年のCal. 591Aと並んでブレゲで初めてシリコン部品を採り入れた機械で、レマニアの古い設計を下敷きにした591Aと異なり、新たに開発されたムーブメントだった。55時間という長めのパワーリザーブと、手の込んだ構造がその特徴とされる。

SJXは、777Aを777Qの技術的な工夫をすべて保ったまま、意匠と装飾を簡素にした版と説明する。シリコン製の脱進機とヒゲゼンマイは、軽く効率が良いうえに磁気の影響も受けにくい。こうした新素材は高級時計のなかで場違いに見えることもあるが、スポーツウォッチではむしろ理にかなっているとSJXは評している。

3. 海へ送り出された777

Cal. 777Aは、この777系をマリーン5517向けに仕立てたバリエーションである。基本構成――28,800振動 (4Hz)、26石、55時間、シリコン製の脱進機とヒゲ――をクラシック用の777Qと共有しつつ、巻き上げローターを舵輪を象ったツートーンの透かしとし、受けには船の甲板を思わせる深い筋目を施す。ブレゲの発表資料はローターの意匠を船の舵(ラダー)に着想したと説明したが、Monochromeはむしろ舵輪に見えると書いている。クラシックがドレスウォッチの静謐を志向するのに対し、マリーンは100m防水のケースに収め、海事の意匠を機構にまで行き渡らせた。同じ世代の三針自動巻きでありながら、搭載するコレクションの性格に応じて意匠と仕上げを描き分ける――777Qと777Aの関係は、一つの機械的基盤を異なる物語へ翻案するブレゲの手法をよく示している。

04 — LINEAGE

キャリバーの系譜

Predecessors & derivatives
05 — MECHANISM

技術解説

Technical breakdown

Cal. 777Aは、毎時28,800振動 (4Hz)で時を刻む自動巻きキャリバーである。石数は26石で、時・分・センターセコンド(中央の秒針)に日付表示を備える、いわゆる三針デイトの構成をとる。4Hzとは1秒間にテンプ(振り子の役を担う回転式の調速輪)が8回振れる速度で、外乱への復元力と日差の安定を両立させる、現代の実用機における標準的な選択である。

このキャリバーの核心は、調速・脱進系へのシリコンの導入にある。テンプの振動を司るヒゲゼンマイ(渦巻き状の細いばね)はシリコン製である。シリコンは非磁性であり、磁界の中でも特性が乱れにくい。鉄系合金のヒゲのように帯磁して精度を崩すことがなく、軽く、潤滑への依存も小さい。脱進機(テンプにエネルギーを断続的に送り、輪列の回転を制御する機構)は、反転配置した直進式のレバー脱進機で、ガンギ車とアンクルがシリコン製となる。母体の777Qでは、アンクルの爪には従来どおりのルビーが使われている。調速にはフリースプラング式のテンプを用い、テンプ側の調整錘で歩度を整える。

自動巻機構は中央ローター式で、サファイアクリスタルのケースバックから巻き上げローターが見える。777Qが手彫りのギヨシェを施した金無垢のローターを持つのに対し、777Aのローターは18金のホワイトゴールドで作られたツートーンのもので、船の舵輪を象って透かし彫りにされる。香箱は1個で、ここ(主ぜんまいを収める円筒)から供給される動力は、満巻きののちおよそ55時間持続する。4Hzという比較的高い振動数を保ちつつこの長さを確保している点に、輪列効率と香箱設計の練り込みがうかがえる。

仕上げは、777Qより簡素ではあるものの、各所に手が入る。受けとテンプ受けを覆うコート・ド・ジュネーブは、彫り込んだように見えるほど深い太い筋目に改められ、船の木の甲板を思わせる。地板にはペルラージュ、受けの縁には磨いた面取りが施され、ネジや石の座ぐりは磨かれ、ネジの頭も面取りして磨かれる。777Qにある凝った輪郭の受けは、777Aでは簡素な形に改められている。SJXは、太い筋目はやや機械的に見えるとしつつ、仕上げの差はわずかで、スポーツウォッチとしての性格を考えれば必然だろうと述べている。

文字盤側では、秒針の先端に信号旗の「B」を表す海事の記号を置き、船の旗を思わせる夜光の指標を配して、海の主題を表示にも通わせている。

06 — CARRIERS

このキャリバーを搭載する 2 本のリファレンス

This caliber appears in 2 references
07 — SOURCES

出典

本文の執筆にあたって参照した資料。閲覧日は内容を確認した日を示す。

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